よったろーのせーさく日記3

よったろーのせーさく日記からの引き継ぎです。
ちょちょいのよったろーと申します。
改めましてよろしくお願いします。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編3話30

2016-05-06 16:54:45 | 日記
「た、助かったの?」
 キャリアは呆然としていた。
 何故助かったのかは何となく解る。
 偽者とは言え、クアンスティータを産み出した身だ。
 これが、本物のクアンスティータが誕生する前に産まれるクアースリータ誕生で起きた事だというのは理解できる。
 クアンスティータ――
 自分が様々な存在から疎まれる原因ともなった化獣――
 もちろん、それは、クアンスティータが悪いという事にはならない。
 周りが勝手にクアンスティータに対して怯えているのに過ぎないからだ。
 ただし、今のところはであるが。
 まだ、産まれていないのだから、何もしていないのは当たり前だが、実際に産まれたら、どうなるのか?
 産まれてもいないのにこれだけ、騒がれるのだから、相当な力を持った化獣だという事は解る。
 だが、偽クアンスティータを産んではみたものの、本物のクアンスティータとはどのような化獣だかは、実のところよく解っていない。
 正直、クアンスティータを疎ましく思うことも多々あった。
 何で、クアンスティータに関わっただけで、こんな目にあうんだと泣いた日も数多く記憶している。
 だが、動いていたのは、クアンスティータではなく、クアンスティータに関わる利権で動いている者達なのだ。
 クアンスティータを非難しているのは間違っていた。
 大ピンチを迎えたが、クアンスティータは自身が産まれそうになるという事でこうして、キャリアのピンチを救ってくれた。
 その事を素直に感謝しようという気持ちになった。

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