それに回答するように、【ピア】は、
「♪ラーラララーラララララー♪」
と軽く歌って見せた。
カノンは、
「凄い、凄い、ありがとう、ソリイントゥスちゃん」
とお礼を言った。
ソリイントゥスは、
「良いよ、良いよ、カノンママ、楽しませてもらったほんのお礼だよ」
と言った。
なんだか照れくさそうだった。
トルムドアがカノンの事を【カノンママ】と呼んでいると聞いて、ソリイントゥスもそう呼ぶ事にしたらしい。
これで、トルムドアに続いて、ソリイントゥスとも仲良くなることが出来たカノン達は次の側体、第三側体のクアンスティータ・ファムトゥのエリアを目指す事になった。
「ソリイントゥスちゃん……」(カノン)
「何かなカノンママ?」(ソリイントゥス)
「私達は次のエリアに進もうと思うんだけど、ファムトゥちゃんについて知っている事があったら教えてくれないかな?」(カノン)
「何でも良いんだけどね。ちょっとしたことでも」(【ゆのあ】)
「そうだなぁ……戦闘狂だからバトルは避けられないかもね」(ソリイントゥス)
「「え、ば、バトル?」」(カノン&【ゆのあ】)
「大丈夫、ちゃんと手加減してくれると思うよ。戦うのが趣味ってだけだから。バトル抜きにファムトゥのエリアは進めないんじゃないかな?」(ソリイントゥス)
「ちょ、ちょっと怖い……かな……」(【ゆのあ】)
「そ、そうね。話し合いじゃ駄目なのかな?」(カノン)
「どちらかっていうと拳で語る方が好きみたいだよ」(ソリイントゥス)
「こ、困ったな……」(カノン)
「話せばわかるってタイプじゃないってことだよね?」(【ゆのあ】)
「大丈夫タヌ、おいらがついてるタヌ」(【まめぽん】)
【まめぽん】がついていてもどうにもならないとは思うが、
「そ、そうだね、ありがとう【まめぽん】ちゃん」(カノン)
「さ、サンキュー」(【ゆのあ】)
というのが精一杯だった。
力がものを言うというのはカノンにとっても【ゆのあ】にとっても専門外と言えた。
どうするのか不安を抱えたまま、ソリイントゥスの巨大胸像と別れを告げ、次のファムトゥのエリアへと向かうのだった。
続く。