院長はクリニック一のテレビっ子。だからテレビねたなら何でもよく知っている。
自分の使うトレーにテレビショッピングの番号が0120-○○○○○○と油性ペンのメモ書きが残っており、こちらは何だかわからないのに電話しろと強要してくるので、困ることもしばしば。電話番号を書き写せず途中で終わっているものもよくある。
そして久しぶりに映画に行きたいと言い出した。院長には刺激が一番。
私の観たかった「テッド」はやっていなかったので、院長の希望を聞くと「ストロベリーナイト」最近のテレビ再放送を見ていたらしく、本も買っていた。そして何と言っても王様のブランチでLiLiCoが宣伝していたのが大きい。いつも院長はあそこで宣伝された映画を観るよう暗示にかかっている。
そして仕事の後、早速映画館へ直行。
映画を見ながら画面をしきりに指して何か言っている。
「雨」を指していた。
この映画ほとんどのシーンが雨。映画のトーンを決める良い背景となっているのは確かだ。そして「それもテレビで言っていたの?」と聞くと、そうだ!と言わんばかりのどや顔をしてくる。
私はテレビ編はもちろん見ていないので、映画ではじめて見た。
頭の中で役者と配役が混線し、仁のお医者さんがやくざになっていたり、アウトレイジでやくざの組長が今度は刑事の偉い人になっていたり…、何だか不思議な感じだねえなんて言いながら観終わって、エンドロールが流れ、まだみんな映画の余韻にひったっている時に事件は起きた。
真っ暗いなかを院長は早速動き出したのだ。
院長はいつも終わるとさっさとでるか、最後までいて人数を数える。時には出入り口で待ち伏せして人数を数えていることもある。もちろん人数を数えるのは、前頭葉の脳梗塞後発症した「こだわり」行動です。
最近は車椅子ごと映画館に入るので段差のない専用ブースに入っていたのだが、今回はなぜか車椅子なしで歩いてきた。そこで低い階段を数段登った2段目のシートに座った。
無理強いして止めても「ヒロシ~~~」と大声を出されるだけなので、それでは空気を乱してしまう。すぐに追いかけるべくかばんに荷物をまとめていると、なぜか「バタ~ン」と嫌な音が。音の方向に振り向くと、暗い中で院長がまたゴキブリみたいにバタバタして仰向けに倒れているじゃないですか。。。
だから言ったこっちゃない!!!と駆けつけましたが、床にへたり込んでいる院長を抱えきれず、椅子につかまりながら何とか自力で立ってもらい、院長は何事もなかったかのようにそそくさとトイレに向かっていきました。
ストロベリーナイトの最後に大笑いして、内容忘れちゃったよ~などと笑いながら帰路につき、行きつけのラーメン屋さんでマンゴープリンまでしっかり食べて帰りました。ここまでは笑い話でした。
しかし、家についてほっと気が抜けたのか、院長は椅子から立ち上がれませんでした。膝が曲げられない様子。どうしたのよ~と見てみると、麻痺側である右ひざがしっかり腫れあがっているじゃないですか。おまけに右手はいつもより痛がります。
「まったくも~、言ったこっちゃないよ。LiLiCoのせいだ~」なんて冗談言っていましたが、自分に起こることは全て自分が引き寄せるんですからね。
私がチェックしないで2段目の席にしたのもいけないし、院長が制止を振り切って歩き出して行ったのもいけないんですからね。自業自得と反省します。
本人は病院に行きたがりませんし、行く必要も筋力検査ではでなかったので、骨折や靭帯損傷の類ではないなということになり、そのまま放置。本人の希望で温めるだけ。
階段の上り下りができないので、また自宅とクリニックでの1階バリアフリー生活に戻りました。
クリニックの奥の部屋にワンセグテレビを持ち込み、トイレに行くのも大変なので尿瓶生活。食事も運んできましたから、まるで個室入院のような感じ。
トイレやテレビの映りが悪い時など、クリニックの奥から「ひ~」とナースコールならぬヒロシコールがあり、3人が駆けつけるというICU並みの看護体制。
こういう時、昔看護婦やっていて(介護知識があるので)良かったなあと思いますが、一番ラッキーなのは院長でしょう。2人のスタッフも院長のおかげで介護慣れしてきました。
自分の使うトレーにテレビショッピングの番号が0120-○○○○○○と油性ペンのメモ書きが残っており、こちらは何だかわからないのに電話しろと強要してくるので、困ることもしばしば。電話番号を書き写せず途中で終わっているものもよくある。
そして久しぶりに映画に行きたいと言い出した。院長には刺激が一番。
私の観たかった「テッド」はやっていなかったので、院長の希望を聞くと「ストロベリーナイト」最近のテレビ再放送を見ていたらしく、本も買っていた。そして何と言っても王様のブランチでLiLiCoが宣伝していたのが大きい。いつも院長はあそこで宣伝された映画を観るよう暗示にかかっている。
そして仕事の後、早速映画館へ直行。
映画を見ながら画面をしきりに指して何か言っている。
「雨」を指していた。
この映画ほとんどのシーンが雨。映画のトーンを決める良い背景となっているのは確かだ。そして「それもテレビで言っていたの?」と聞くと、そうだ!と言わんばかりのどや顔をしてくる。
私はテレビ編はもちろん見ていないので、映画ではじめて見た。
頭の中で役者と配役が混線し、仁のお医者さんがやくざになっていたり、アウトレイジでやくざの組長が今度は刑事の偉い人になっていたり…、何だか不思議な感じだねえなんて言いながら観終わって、エンドロールが流れ、まだみんな映画の余韻にひったっている時に事件は起きた。
真っ暗いなかを院長は早速動き出したのだ。
院長はいつも終わるとさっさとでるか、最後までいて人数を数える。時には出入り口で待ち伏せして人数を数えていることもある。もちろん人数を数えるのは、前頭葉の脳梗塞後発症した「こだわり」行動です。
最近は車椅子ごと映画館に入るので段差のない専用ブースに入っていたのだが、今回はなぜか車椅子なしで歩いてきた。そこで低い階段を数段登った2段目のシートに座った。
無理強いして止めても「ヒロシ~~~」と大声を出されるだけなので、それでは空気を乱してしまう。すぐに追いかけるべくかばんに荷物をまとめていると、なぜか「バタ~ン」と嫌な音が。音の方向に振り向くと、暗い中で院長がまたゴキブリみたいにバタバタして仰向けに倒れているじゃないですか。。。
だから言ったこっちゃない!!!と駆けつけましたが、床にへたり込んでいる院長を抱えきれず、椅子につかまりながら何とか自力で立ってもらい、院長は何事もなかったかのようにそそくさとトイレに向かっていきました。
ストロベリーナイトの最後に大笑いして、内容忘れちゃったよ~などと笑いながら帰路につき、行きつけのラーメン屋さんでマンゴープリンまでしっかり食べて帰りました。ここまでは笑い話でした。
しかし、家についてほっと気が抜けたのか、院長は椅子から立ち上がれませんでした。膝が曲げられない様子。どうしたのよ~と見てみると、麻痺側である右ひざがしっかり腫れあがっているじゃないですか。おまけに右手はいつもより痛がります。
「まったくも~、言ったこっちゃないよ。LiLiCoのせいだ~」なんて冗談言っていましたが、自分に起こることは全て自分が引き寄せるんですからね。
私がチェックしないで2段目の席にしたのもいけないし、院長が制止を振り切って歩き出して行ったのもいけないんですからね。自業自得と反省します。
本人は病院に行きたがりませんし、行く必要も筋力検査ではでなかったので、骨折や靭帯損傷の類ではないなということになり、そのまま放置。本人の希望で温めるだけ。
階段の上り下りができないので、また自宅とクリニックでの1階バリアフリー生活に戻りました。
クリニックの奥の部屋にワンセグテレビを持ち込み、トイレに行くのも大変なので尿瓶生活。食事も運んできましたから、まるで個室入院のような感じ。
トイレやテレビの映りが悪い時など、クリニックの奥から「ひ~」とナースコールならぬヒロシコールがあり、3人が駆けつけるというICU並みの看護体制。
こういう時、昔看護婦やっていて(介護知識があるので)良かったなあと思いますが、一番ラッキーなのは院長でしょう。2人のスタッフも院長のおかげで介護慣れしてきました。