ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

長寿ニッポン 老後に必要なもの

2019年08月01日 | 生きる勇気
厚生労働省によると、2018年の日本人の平均寿命は、
女性が87・32歳、男性が81・25歳で、いずれも過去最高となりました。

このニュース、皆さんはどの様に受け止められるでしょうか。

女性が6年連続、男性が7年連続で過去最高を更新しています。

老年期には、心理的生活の健康度を保つことが重要とされています。

認知的機能、身体機能を良好に保っている人たちを対象に
サクセスフルエイジング」の研究が行われています。

サクセスフル・エイジングの持つ意味とは「良い人生を送り、天寿を全うすること」とされており、

日本に元々ある言葉では「生きがい」や「幸福な老い」がその意味に最も近いものではないかと考えられています。

それらには、生来的なものよりも環境の影響が大きいと考えられています。


また、スウェーデンの社会学者ラルス・トラスタムは、

内面的、超経験的観点から
「老年的超越」という考え方を示しました。

老年期は継続や安定ではなく、変化や移行の過程と捉え


活動性
生産性
効率性
個性
自立
財産
健康
社交性

を中心として展開されたサクセスフルエイジングのモデルは、
壮年期の継続であるとしました。


そして、さらに以下の要因に着目して老年期を捉えています。

休息
安らかな怠惰
安寧
遊び
創造性
知恵

トランスタムは、これらの要因が、
主観的幸福を維持、向上させるとしています。

トランスタムの内容と対応した質問紙は、老年期を幸せに生きるヒントになりそうです。

以下、引用します。

日本版老年的超越質問紙および改訂版
(JGS・JGS-R)の下位因子と Tornstam の老年的超越の内容との対応

因子名
「ありがたさ」・「おかげ」の認識
内向性
二元論からの脱却
宗教的もしくはスピリチュアル な態度
社会的自己からの脱却
基本的で生得的な肯定感
利他性 無為自然

内容
他者により支えられていることを認識し,他者への感謝の念が強まる.
ひとりでいることのよい面を認識する.孤独感を感じにくい,肯定的態度でいられる.
善悪,生死,現在過去という対立的な概念の境界があいまいになる.
神仏の存在や死後の世界など宗教的またはスピリチュアルな内容を認識する.
見栄や自己主張,自己のこだわりなど社会に向けての自己主張が低下する.
肯定的な自己評価やポジティブな感情を持つ.生得的な欲求を肯定する.
自分中心から他者を大切にするようになる.
「考えない」,「無理しない」といったあるがままの状態を受け入れるようになる.

Tornstam(2005)の内容
前の世代とのつながりの認識の変化(宇宙)
社会的関係の意味と重要性の変化(社会)
経験に基づいた知恵の獲得(社会)
生と死の認識の変化・神秘性に関する感受性の向上(宇宙)
社会的役割についての認識の変化・自己中心性の減少(社会・自己)
自我統合の発達(自己)
自己に対するこだわりの低下(自己)

増井,中川,権藤ら(2013)を改変

引用
増井幸恵,権藤恭之,河合千恵子,呉田陽一,高山 緑,中川 威ほか:心理的 well-being が高い虚弱超 高齢者における老年的超越の特徴―新しく開発した日本版老年的超越質問紙を用いて―.老年社会科学 2010; 32(1): 33―47.

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