とことこ日記~リタイアな日々

透析しながら、歌舞伎に映画、コンサート。
日々に感謝しながら、おまけの人生楽しみたい。

二月大歌舞伎2019 夜の部

2019年02月17日 | 古典芸能


一、熊谷陣屋

吉右衛門が、魁春、歌六、雀右衛門、菊之助などと
重厚なお芝居を見せてくれました

悲劇的なお話で苦手なのですが、浄瑠璃にのせているのが、共感を高めるような。
吉右衛門のを観るのは初めてではないですが、
すごく力が入っているように感じました。
最後の台詞「十六年は一昔、夢だ」に感極まって
やり場のない怒りと哀しみが見えました。

ニ、当年祝春駒(あたるとしいわうはるこま)

ご存知、曽我兄弟が父の仇祐経を討ちに来るところへ
再会を約束して祐経が通行手形を与えるはなし。
今回は舞踊劇。
曽我の五郎に、松緑の息子左近13歳。
おとなに混じって元気に凛々しく演じました。


初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言
三、名月八幡祭

河竹黙阿弥原作を新歌舞伎として新解釈で作られたもの。
初世辰之助が演じたときに出演した、玉三郎と孝夫(仁左衛門)が当時と同じ
芸者美代吉と、情人三次役で演じていて、さすがにお二人とも色っぽく適役。

田舎からやってきた朴訥で商売熱心な新助に松緑
予想通りのはまり役です。
松緑の代表作になるかも。

ここでは、百両のお金がポイントなんです。
芸者美代吉にとっては、日常情人に,三両、五両と与えているためにできた借金。
大きい金額ではあっても、一晩やり過ごせば良いもの。

新助にとっては簡単には作れない金額。
それでも用意出来れば、美代吉と世帯が持てる・・となれば、
足元見られて田舎の家や田畑をかたにして必死で作ったお金。

ところが美代吉はパトロンから手切れ金として百両をもらい
新助には、もういらないよとあっさり・・。

絶望から逆上した新助は、祭の夜に大混雑のさなかに美代吉を殺してしまいます。

追記
松緑は目が大きい。これはやっぱりいいと思う。
表情が豊かで感情が良く表れる。
・舟で嫋やかに去っていく美代吉を、こころ持って行かれて呆然と見つめる。
・花道を高揚しながら歓喜で駆け出していくところ。
・騙されたとうめきながら花道をよろめきながら去っていく
・町衆に捕まって、担がれてのひっこみでの叫び
心こもった演技本当に良かったです。
いつも以上に、花道の見える席がお得です。


1階はさすがにほぼ満席に見えましたが、
売店あたりに客が少ない。トイレ行列も少なかったし。
昼の部も暗い話が多いしな。売れ行きどうなのかな。
若干将来に不安を感じさせます・・
来年は団十郎襲名で大賑わいになるでしょうけど、そのあとが・・

個人的には、地味だけど充実してて大満足でした。

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4 コメント

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コーフンしたでしょ?! (TAMU)
2019-02-21 21:52:04
熊谷直実は、私も吉右衛門のを観たことがあるわ。
去年の二月大歌舞伎では白鸚がやってね。あれも素晴らしかった。
ただ、好みでしょうけれど、リアル感というか、
あの「十六年は一昔、夢だ」は、吉右衛門だと涙が出るのよ。。。

『名月八幡祭』の芸者美代吉と情人三次を玉三郎と孝夫(仁左衛門)が?!!
すごーい!!! 
素敵だったでしょうねぇ。。。
二人とも、悪い役もいいものねぇ。。。

新助に松緑かぁ! うんうん、はまり役よね!
いつか観たいなぁ...
ずっと前にTVでだけど吉右衛門のを観た気がするの。

祭りの華やかさや賑わいと、心が痛くなる悲劇との対象が
演出として素晴らしいのよね
歌舞伎って、そういうのが他にもあるわね。
『夏祭浪花鑑』とかね。(凄惨すぎてあまり観たくない演目... )

博多座の3月公演は『鯉つかみ』なの。
愛之助が10役早替りですって。
今のところ、行かない..かなぁ。。。
いえ、『鯉つかみ』という演目が、あまり...ね。
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TAMUさん (ちーた)
2019-02-23 20:46:09
熊谷陣屋は何度か見てますね。幸四郎時代の白鷗さんのとか。
正直苦手なお芝居ですが・・吉右衛門さんはやっぱり感情の見せ方がたしかにリアルですねえ。おっしゃる通り。今回感動しました。

玉三郎・仁左衛門コンビは本当に最高!!
何度も言っちゃうけど、孝玉コンビをお若い時から観たかった。

夏祭浪花鑑って、観たことがあるんですが(結構最近)、誰のかを覚えてない・・
同じく苦手なお話です。

鯉つかみは本水でしょうか。そのあたりが面白いとは言えますが・・
これも最近観たと思います。でも誰のだっけ?
・・こういうのを、猫に小判というのでしょうか。
観たそばから忘れていく感じ
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TAMUさん (ちーた)
2019-02-23 21:13:22
少しさかのぼって見てみましたら、
鯉つかみは染五郎さんの。
ラスベガスで評判とったんですよね。
水のかかる席ではなかったし、あまり記憶にないです。

熊谷陣屋は芝翫さんが襲名した時のも見てました。
ちょっと若い感じがしたかな。
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鯉つかみ (TAMU)
2019-02-24 12:35:36
何年前だったか、博多座でも染五郎の鯉つかみがあった気がする! 染五郎じゃなかったかな...??
・・・私も記憶がダダ漏れですよ。。。
観る側から忘れていく。

以前は芝居と落語メインのブログを書いていたんだけど、
'17年の夏以降は休眠状態だわ。。。
どこにも記録がないから、思い出そうにも手掛かりがないんですよ...
まあ、その時に感動したり楽しんだりしたなら、それでいいといえば良いんですけどね...
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