「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

女たちは二度遊ぶ

2006-10-23 | 
芥川賞作家・吉田修一さんの「女たちは二度遊ぶ」を読んでみました。11編の短編小説集。吉田さんの「パーク・ライフ」には文体にも内容にも引き込まれたのですが、この作品は…


=以下、アマゾンから=
甘く、時に苦く哀しい、美しい女たち、11人のショートストーリー
ルーズな女、がらっぱちな女、気前のいい女、よく泣く女、美人なのに、外見とはかけ離れた木造ボロアパートに住む女……。甘く、時に苦く哀しい、美しい女たち、11人のショートストーリー。気鋭による傑作短篇集。


題名の印象と違い、男性が昔で出会った女性たちを思い出として語るという手法。でも、読後感が特にないのです。さらりとした文章。あいかわらず都会的な文章とでもいうのでしょうか。読んでいるときにはそれなりに引き込まれて読んでいるのですが、読み終わると「あれ、今の話はけっきょくナニ?」。毒にも薬にもならないヒーリング環境音楽といった感じの文章です。時間つぶし、もしくは都会的人間関係のありようや男性がみる女性の言動に対する解釈についてヒントが欲しい場合にはお読みになるといいのではないでしょうか。

厳しい書き方ですが、私にはぜんぜん魅力の無い短編集でした。


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2 コメント

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消費 (はれっと)
2006-10-24 23:38:08
てのさんのレビューを読んで一番に浮かんだ言葉です。



時間を消費するためのコンテンツ。





僕は消費という言葉を生理的に好みません。



なにか、食い尽くす(モノ・サービスと貨幣を交換する)装置としてしか見られていないニュアンスを嗅ぎ取ってしまいます。



人間の生とはそんなものではない



行き過ぎた市場経済主義の害毒に

一個人として抵抗しようとしています。

(でも、かなり世俗的ですが)



どんなに評判でも、その評は当てにせず

自分の見たまま・感じたままを優先する



究極の独善かもしれませんが、

荒波にもまれているだけかもしれません。

(赤い電子手帳を買ってしまうヤツですから、エラそうな事はいえないはず…(^o^;ゞ)
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はれっとさん (ての)
2006-10-24 23:54:33
おお、なるほど。「消費」。たしかにそうした小説が少なくないんですよね。

本のやっかいなのところは、やはり自分で読んでみて初めて単なる「時間消費材」なのか否かがわかること。まあ、どんあ商品もそうなのかもしれないですが。



亡くなった詩人・茨木のり子さんの詩に



自分の感受性くらい

自分で守れ

ばかものよ



というのがありましたが、けっこう覚悟がいるんですよね。はれっとさんの姿勢は大変な覚悟がいると思います。私もかくありたいとは思いますが、さて、私自身はどの程度の覚悟があるのやら。流されまくっていそうです。
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