中島京子さんの「小さいおうち」。読ませるテクニックに長けた作品だと感じました。別に内容が悪いとか、つまらないとかではなく、純粋に読ませることが上手な作家さんだなあと感じたのです。私は引き込まれ、最後はけっこうジーンとしていました。
==以下、アマゾンから==
赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。
戦前から戦中の激動時代が舞台。でも、赤い屋根のおうちでは静かな日常が続く。たしかに、歴史をふりかえる立場からは、きっと戦争一色で大変な空気、生活だったのだろうなあ、と思うのですが、どんな時代にも人は生きて日常のささやかなできごとに喜び、悲しむ暮らしは続いているのですよね。それをうまく描いていると感じました。「戦中にこんなことを国民は感じていたの?」という素直な疑問を、登場人物の一人、主人公のタキさんの甥っ子に担わせる手法がうまい。
さらに最後の数十ページを、それまでとまったく違ったトーンで描くことで、庶民の生活を飲み込んだ、戦争というとてつもない事態をきちんと描いている。なかなかにお見事です。上空からの視点と地上からの視点がバランス取れているという感じでしょうか。
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赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。
戦前から戦中の激動時代が舞台。でも、赤い屋根のおうちでは静かな日常が続く。たしかに、歴史をふりかえる立場からは、きっと戦争一色で大変な空気、生活だったのだろうなあ、と思うのですが、どんな時代にも人は生きて日常のささやかなできごとに喜び、悲しむ暮らしは続いているのですよね。それをうまく描いていると感じました。「戦中にこんなことを国民は感じていたの?」という素直な疑問を、登場人物の一人、主人公のタキさんの甥っ子に担わせる手法がうまい。
さらに最後の数十ページを、それまでとまったく違ったトーンで描くことで、庶民の生活を飲み込んだ、戦争というとてつもない事態をきちんと描いている。なかなかにお見事です。上空からの視点と地上からの視点がバランス取れているという感じでしょうか。