「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

アサッテの人

2007-10-21 | 
芥川賞作品「アサッテの人」。ちょっと前衛的な書き方ですが、意外と素直に読めました。というか、せっかくの前衛的内容を意外と説明的にすぎてしまった感じがします。

内容は略します。定型的な言葉、俳句のようなかっちりとした社会生活を送る人が時に垣間見せる字余りや自由詩のような「アサッテ」の世界。ほんのわずかな世界のほころび。言葉は決して自由ではなく、ある文脈、約束の上に連なる。その約束を超越した言葉、言葉の指し示す場所というか指し示すものが見えない空間に出くわすと人は不安感で一杯になるが、とても自由にもなる。快感。ただ、その自由さえも、アサッテの言葉が繰り返され、ある意味定型化した瞬間に日常の延長になってしまう矛盾というか宿命に哀しみを感じます。ここで「ポンパ」と書かれることですでに、ある意味が付帯されていることからもそれはわかるでしょう。

私自身も日常で時々わけもなく文脈と関係ない言葉を口にしたくなる衝動に駆られることがあります。だからこそわかる気がする主人公の言動。きっとアサッテの衝動に駆られる人は少なくないのではないかと勝手に思った作品でありました。

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2 コメント

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読解力不足で・・ (さらさ)
2007-10-23 09:10:51
私は、結局、読みきれませんでした^^;
まだまだ修行が足りませんね。
でも、この小説、レビューが少ないですよね。
やっぱ、これを読みきれる人って、
かなりの読解力がいるのでは・・?
さすが・・・
てのさん。
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さらささん (ての)
2007-10-25 19:54:53
いいえ、私も読みきれてないと思います。単なる勝手な読みです。
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