新茶の仕入れと言えば、「おいしいお茶を選ぶ眼」が必要ですが、そもそも「おいしいお茶」とはどんなお茶でしょうか?
定義があるようでないのは、”お茶のおいしさ”は好みだからということもあるのではないかと思います。
まずは、お茶がどのようにお客様の手にお届けされるか簡単に流れを追ってみたいと思います。
1)お茶を栽培する
ある地域に茶畑を持っている「生産家」さんが、1年かけて丁寧にお茶を栽培します。
・もし丁寧に栽培しないと・・・お茶にうま味や力もなく、味もそっけもないお茶になってしまう。
2)荒茶に加工する
「荒茶(あらちゃ)」とは、半製品。摘んだ茶葉を急いで加工するために工場に持ち込みます。
だいたい、数軒の生産家さんが共同で工場を運営し、自分のお茶も含めて加工します。
まずは(日本茶のほとんどは)蒸気で蒸して作ります。ここで濃く出る<深蒸し茶>、香りの立つ<普通蒸し/浅蒸し>に分かれます。
これは、お茶の性格、地域の特性によって大きく差があります。蒸した後、揉んだり乾かしたり揉んだり乾かしたりを繰り返し
「荒茶」を仕上げます。荒茶は、粉っぽかったり、茎があったり、形が不揃いだったりしています。
・もしちゃんと加工しないと・・・苦いだけのお茶、変な味のするお茶などになってしまいます。
3)取引
ここまで作った荒茶は、JAや市場、仲買人と言われる人によって値段が付き、取引されます。
この時点で買うのは、生産家さん(グループ)とは違う、お茶を”仕上げる”会社が買います。
4)仕上げ茶を作る
買った荒茶は、茎や粉を篩(ふるい)によって分けられ、粉は粉茶、茎は茎茶になります。
お茶のメインの葉は「本茶(ほんちゃ)」と呼ばれ、形を整えて(大きいの切ったりして)均一にして、
「火入れ」という工程に入ります。お料理でもそうですが、形が均一の方が火の入り具合なども調整しやすいですね。
ここで強火で火を入れると香りの香ばしいお茶が、弱火ですと新鮮味のある若々しい味になります。
雰囲気がガラッと変わりますが、火を入れることで、乾燥度が増され、保管もしやすく、茶も傷みにくくなります。
どんなに最高の素材でも、形の整えかた、火の入れ方で味が良くも悪くもなります。これも料理と一緒ですね!
・もしちゃんと仕上げしないと・・・焦げたようなお茶になったり、苦渋いだけのまずいお茶になる
つづく