セルロイドサロンに「喫煙具とセルロイド」が掲載されました。
http://www.celluloidhouse.com/salon85.htm
「セルロイド浪漫」でカミジューさんがセルロイドのミッキーのことを話されているので、
私も当時の思い出話を書いてみることにしました。
http://k-shimincenter.org/media/pdf/0804sinia-sel.pdf
ネズミがネコになった話・その１
１９９７年の１０月、トイズ（北原照久さんの会社）のＳさんが訪ねて来ました。
Ｓさんはセルロイドの仕事をしているところを探すのに苦労したそうです。
当時、セルロイドの加工をしている工場は２軒しかありませんでした。
玩具組合に聞いても分からず、困ったＳさんはダイセル化学に問い合わせました。
※ダイセル化学工業（前身は大日本セルロイド株式会社）
ダイセルからセルロイドの販売代理店・戸谷産業を紹介してもらい、
戸谷産業からセルロイドの加工をしている私のところを教えられて訪問したそうです。
セルロイド人形を作りたいので仕事をしてもらえないかというのが、Ｓさんの話でした。
父は新しい仕事を引き受けるのは気が進まないようでした。
私はどんな仕事か興味があったのと北原さんのネームバリューも魅力で、
父を説得してＳさんの仕事の依頼を引き受けることにしました。
新しいセルロイド人形を作るには金型をオーダーしなければなりません。
私のところでセルロイドの金型を作ったのは２０年以上も昔なので、
仕事を請け合ったけれども、セルロイドの金型メーカーがまだ存在するのか分からず心許なかったです。
トイズのＳさんはどんな人形を作るかの話はしないで、
「また来るので、よろしくお願いします」と言って帰って行きました。
その時に昔、うちで作っていたセルロイドがあれば欲しいというので、
残っていたセルロイドを全部、差し上げました。
おかげでうちには昔のセルロイドが一つもありません。
（続く）
