瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

こちらでは小説をhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427846884378

その六

2015-08-30 18:25:50 | こんにゃく問答
「それは何?」 「これ?」 「そう、それ」 「何? って訊かれても……」 「知らないの?」 「……」 「知らないものをよく売り物にするね」 「知らないものでも売り物にするのは可能でしょ?」 「そうかい?」 「ま、知ってるから売ってるんだけど」 「なんだ、知ってるのか」 「……」 「早く教えなよ」 「わかる人にはわかるから……」 「わからない人には教えなよ」 「わからない人には教えてもわからないか . . . 本文を読む
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ここか、その先か

2015-08-26 12:26:27 | 随想
人は変化を嫌うね。 たとえば、「出来るかどうか」って考え方をする。そんなん普通じゃんって思うでしょ。まあね、誰でも「出来るかどうか」って考え方はする。でもそれって実は「出来るかどうか」を考えてるんじゃないのよ。「出来ない理由」を考えてるのよね。要するに出来ない言い訳よ。 つまりね、「出来るかどうか」って考え方は「出来ない」のが前提の発想なの。なんで「出来ない」から発想するかっていうと、変化を嫌 . . . 本文を読む
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第捌話

2015-08-22 10:19:01 | 奇妙な味
「あら、兄さん」 呼び止められて胸をつかれた思いがした。死んだ妹がそこにいた。もっとも妹を亡くしたのは子供の頃であり、目の前にいる女は二十歳ぐらいである。それを妹と見間違えるとはどうしたことだろう。自分でもよくわからない。 「何をためらってるの」 女はそう云って歩き始めた。ついてくるのが当然、という素振りである。あきらかに人違いなのだけれど妹に似ている女に興味もあり、気がつくと女のあとをついて歩い . . . 本文を読む
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小松左京「日本沈没」より

2015-08-21 19:05:18 | 本の話
その時(引用者註:海に潜った時)、私は、いつも、ああわかった、と思うことがある。何がわかったか、はっきりいえないのよ。宇宙みたいなもの……地球とか、自然とか……その中で自分は砂粒みたいに小さい存在なのに、自分はそういった巨大なものと一体なんだって……砂粒のくせに、それがわかるの。わかるってことは、自分が一体なんだってーーどういったらいいのかな。……それを感じた時、私、孤独で、わびしくて、しかも泣き . . . 本文を読む
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人とは

2015-08-21 15:29:32 | 随想
物には適当な大きさがある。大きいことはいいことだ、ではない。量もしかり。たくさんあることはいいことだ、ではない。適量というものがある。 人は間抜けだから往々にしてサイズを間違え、バカげたものを拵える。拵えた後に、やっちまった、と思えば救いもあるが、そのバカさ加減に気がつかずかえって威張るようなところがある。困ったことだ。 自然はよくしたもので適当を知っている。 と思ったが、恐竜の大きさを考える . . . 本文を読む
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面倒くさい性格

2015-08-19 20:17:15 | 随想
人生なんぞというものは愉しめばいいのよ。ま、愉しいばかりでは愉しくなくなるから、つらいことも織り混ぜながらね。 これが王道なんだけど、あたしは王道を往くタイプではないのよね。人生の意味を問いたがるのよ。愉しいにつけ辛いにつけ、これは何? って言っちゃう。つくづく面倒くさい性格よね。ウザいよ、どう考えたって。ま、ウザいと思うのは周りの人たちなんだけどね。あたしはあたしとの付き合い長いから平気。っ . . . 本文を読む
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孤独

2015-08-18 16:46:04 | 随想
誰とも共有できない感情を抱え込んでしまう。ま、そんなこともありますわな。たとえ周りにどんなに大勢の人がいようともなんの救いにもなりゃしない。かえって孤独感は増すばかり。 とはいえ、部分的にでも共有できてるから、ま、どうにか淋しくもならずにやってられる。 これがすべてがすべて共有できることがまったくない、となれば……。 そんな存在について想いを馳せると気が狂いそうで、ほどほどのところで踏み止まる . . . 本文を読む
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戦後70年

2015-08-16 20:57:05 | 随想
確かに日本は戦後70年だけど、世界のどこかしらでは絶えず戦争をしているわけで、その意味では戦後ではない。戦争は継続中である。 戦争を如何に語り継ぐか、なんぞという言い方をするけれど、戦争は継続中なのだから語り継ぐもなにもない。戦争は日々報道されている。 結局他人事(ひとごと)なんだな。日本が関わっていなければそれは戦争として認識していないのだろう。日本にとってはあの戦争だけが戦争なんだろう。だか . . . 本文を読む
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猫。そして言葉

2015-08-14 17:12:35 | 随想
もしうちのネコとメールが出来たら、きっとこんな感じなのかも!  ネコ:早く帰ってきて。 緊急事態発生! 飼い主:どうしたの?大丈夫? ネコ: ごはんがもう半分しかない 飼い主:もうすぐ帰るから ネコ:餓死させる気だな 飼い主:おおげさなのよ ネコ:おなかぎゃしゅいて、もうめぇるもうちぇなひ と、まあ、こういう記事を読んだ(あたしも暇だね。今日はぐだぐだなのよ。ま、こんな日もあらあね)。 で、 . . . 本文を読む
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落語

2015-08-13 19:00:52 | 随想
ああ、そうか。このブログは落語だったのだ。さんざん書いてきて、今ようやく気がついた。 このブログのどこが落語なんだといわれそうだけど、いいのよ、あたしは得心したんだから。 見た目は違うけど本質は同じ、なんてものは世の中にはたくさんあるでしょ。つまりそういうことよ。表現の仕方が違うってだけ。 願わくばこのブログ、碁でもありたかった。碁を打つには相手が必要なのよね。この先、対局者が登場してくれると . . . 本文を読む
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