瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

こちらでは小説をhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427846884378

あの人、この人、みな私

2017-10-31 17:15:47 | 随想
あの年寄りは未来の私 あの人にすること それは 未来の私にしているということ 未来の私が誰かにそうされるであろうことを この子は過去の私 この人にすること それは 過去の私にしているということ 過去の私が誰かにそうされたことを 送りつづける 渡しつづける つなぎつづける 行為にのせて 言葉にのせて 感謝 そして愛を . . . 本文を読む
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語り得ぬもの

2017-10-30 12:59:57 | 随想
論理的でないものは駄目だ。説得力がない。話にならん。 という考え方がある。その通りだと私も思う。 が、いつ如何なる場合においてもそのような考え方を私はするわけではない。論理破綻をしていても仕方がないと考えることも時にはある。それは語り得ぬものについて語ろうとしている場合である。 語り得ぬもの。死、魂、神などなどのことである。 語り得ぬものについて語ろうというのである。論理的に語れるはずがない . . . 本文を読む
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神様の鉛筆

2017-10-29 17:26:34 | 随想
いつも下書きもせず、いきなり書き始める。下書きはしないけれど、全体の流れは当然考えてから書く。が、時折「こういうことを書きたいわけではないのだが」と思いつつ書くことになる場合がある。私の当初の意図を離れて文章が勝手に動き出す。 文章をコントロール出来ないのは私の筆力不足のせいだが、一方でこんなことも思う。「神様がこれを書きたかったのだろう」と。 私が書きたかったことにお構いなく、文章が自ら言葉を . . . 本文を読む
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子供たちが見ている

2017-10-28 13:11:10 | 随想
ニュースを読んだり聞いたりするとウンザリするばかりだから、あまり接触しないことにしている。もともと世の中には疎いが、ますます疎くなっていく。特段、困りもしない。心の平安が保てて結構なくらいである。 が、時折魔がさしてニュースに触れる。そして思う。こんなニュース、子供に聞かせられたもんじゃない。恥ずかしいニュースが多過ぎる。 子供が知れば言うに決まっている。 こんなの絶対おかしいよ。 子供に言 . . . 本文を読む
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粋にいきたいもんです

2017-10-23 01:36:25 | 随想
すべてを承知し、受け入れ、呑み込む。 が、しかし訳知り顔をするふうでもなく、ただ黙って涼しい顔をしている。笑っている。愉しんでいる。 粋にいきましょう、粋に。 だけど私は何かとごちゃごちゃ言いたがる。 無粋で野暮天。 前項「開放」の蛇足でこのブログが野暮だと書いたのはそういうことです。 呑み込んだ上で黙ってりゃぁいいんです。そして笑ってりゃぁいいんです。 なにが大切って、笑って愉しむこと . . . 本文を読む
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開放

2017-10-22 16:02:34 | 随想
まずは落語「かんしゃく」のあらすじをWikipediaから拝借。 夏の夕方、ある実業家の大きな屋敷でのこと。旦那は神経質な癇癪持ちで、いつも妻や使用人に口うるさく小言を言っている。今日も帰宅するなり「帽子掛けが曲がっている」「庭に打ち水するのを忘れている」「天井の隅に蜘蛛の巣がある」などと、立て続けに家の者を叱りつける。結婚してまだ日の浅い年の離れた妻は、「辛抱しかねるのでお暇を頂きま . . . 本文を読む
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この素晴らしき世界

2017-10-17 11:56:06 | 随想
世界はすばらしい。 と思っている人はすばらしい。が、そのように思っている人は多くはあるまい。いつまでこんな世界を続けるんだ、とウンザリしている人がほとんどではないか。歴史を省みたとき、私たちはちっとも成長しないなあ、というのがおおかたの感想ではないか。 とはいえ、これでも随分マシになってきた。昔より今のほうが全面的に良くなったとも言えないが、多くの面においては今のほうが良いといっていいだろう。住 . . . 本文を読む
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健全な常識人でありたい

2017-10-15 12:41:26 | 随想
自分で自分にレッテルを貼るのもおかしなことだが、私は自分のことを健全な常識人だと思っていた。に対し、世間は不健全な常識で凝り固まっていると考えていた。だから世間と折り合いが悪いのだ、と諦めていた。 しかしこれは私の言い分。世間から見れば世間が健全な常識を構成しているのは当然で、ゆえにこれを不健全と見做す私のほうがよほど不健全。平たく言えば、私が変なのである。 ま、どちらから見るかで見え方が変わ . . . 本文を読む
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無我と調和

2017-10-13 09:52:18 | 随想
まずは引用から。 農民芸術概論綱要 宮沢賢治 序論 ……われらはいっしょにこれから何を論ずるか…… おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった 近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい 世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得 . . . 本文を読む
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笑いと真理

2017-10-11 18:51:16 | 随想
ふと「だくだく」を思い出して考える。 落語、というか笑い話はときに真理を突く。笑いに徹したらどうしてもそうなるのである。 「だくだく」をご存知ない方のためにあらすじをWikipediaから拝借。 男(『だくだく』では八五郎)は引越しをしたが、前の長屋でたまった家賃を工面するため(あるいは、かついでいくのが面倒くさかったため)に家財道具の一切を古道具屋に売ってしまった。男は壁、床、天 . . . 本文を読む
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