人間は何故を抱えている。それを問わずにはいられないのである。問うているのは原因。この現象を何故と問うとき、この現象は結果なのであって、結果にいたる原因をこそ問うているのである。問いは因果律を前提にしている。人間の考え方というのはこういうふうにできている。カントが「思考形式」といったのは、おそらくこういうことであろう。
何故、思考形式がそのようになっているのか。それはわからない。ただ生命の第一義は . . . 本文を読む
なにが偶然で、なにが必然かというのは正直なところ判断しようがない。ただ、人間は必然と感じることが多いというか、必然と感じたい傾向があるというか、偶然と認めたくないというか、そんな心の動き方をするのが一般ではないかしらとは思う。なにかしら因果関係をはっきりさせないと落ち着かないという人が大半ではないか。あれがあったから、こうなった。なるべくしてなった。あの出来事とこの出来事を結び付けないではいられな . . . 本文を読む
「かよわい花」
かよわい花です
もろげな花です
はかない花の命です
朝さく花の朝がほは
昼にはしぼんでしまひます
昼さく花の昼がほは
夕方しぼんでしまひます
夕方にさく夕がほは
朝にはしぼんでしまひます
みんな短い命です
けれども時間を守ります
さうしてさつさと帰ります
どこかへ帰つてしまひます
これは三好達治の詩。(註:この詩は引用されているのを読んで知った。三 . . . 本文を読む
昨日の深夜、東の空にオリオン座を見た。まだ秋にもなっていないのに気分はもう冬。同じ時間、西に夏の大三角はまだ見えるけれど、さそり座はとうに沈んでるし。秋の夜空は暗いから、ついついオリオン座に眼がいき秋をすっ飛ばして、ああ、もう冬なのだなあ、と思ってしまう。
まだ秋にもなっていないと書いて気がついた。一般的な感覚だと、もう秋なのかもしれない。暑さ寒さも彼岸まで、というので私の秋は彼岸過ぎからなので . . . 本文を読む
前回のつづき。
感覚器とは独立して意識が認識しているものは、それ自身だろう。迷走してたどり着いてみれば、この結論か。そんなことはわかりきったことだったような気もする。とはいえ、まだ何か引っ掛かっているような感じは残っているのだが。すっきりしないということは完全には納得していないということだろう。
でも、ともかく現時点においてはこれが結論。納得していない以上、今後修正されるだろうけど。
ブツ(物 . . . 本文を読む
自分でも何を問いたいのか、よくわからない。ただ何か引っ掛かるのである。書いているうちに何かわかるかもしれないので、とりあえず書いてみる。
幻覚というのがあるね。あれはいったい何なのか。いや、現象としては理解しているつもり。実体のないものを視たり聴いたりすれば、幻視であり幻聴ということでしょう。それはわかるのだけれど、その現象は何をしていることになるのかしら。
普段していることは、感覚器が知覚した . . . 本文を読む