許すってえのは信じてるってえことなんでしょうねえ。 . . . 本文を読む
日めくりカレンダーに諺が書いてある。乗りかかった船あ、ははははッ!笑っちゃいますねえ。はいはい、そうですね、わっかりました。ええ、わかりましたとも。よっく、わかりましたよ。おっしゃるとおりです。生まれちゃったんだから死ぬまでは生きますよ。乗りかかった船です。最期までつきあいますよ、もちろん。でもねえ、なんの因果で乗り込んじゃったかなあ。 . . . 本文を読む
川上弘美「ゆっくりさよならをとなえる」(新潮文庫 平成十六年)を読む。エッセイ集でして、中のひとつ「エレキな春」にこんな一節がある。ただただ感心した。嬉しくもあった。やるじゃない。そういうことを受け取る感受性があるのって、すごいよねえ。人間って、捨てたもんじゃないな。著者は以前教師をしてまして、生徒に「先生は、いつもほかのことを考えてるでしょう」と言われたとき、それが図 . . . 本文を読む
森下典子「好日日記」(PARCO出版 2018年)を読む。著者の友人のことに触れた箇所。そのまますべてを引用するのは骨が折れるので、以下、短く内容をまとめます。その人は書を習っている。習い始めたころは手ごたえがあって楽しい。が、しばらくすると停滞期に入った。楽しさが感じられなくなり、しばらく書を休む。ある日、彼女は素晴らしい硯に出会い、この硯で墨をすって書いてみたいと、 . . . 本文を読む