じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

『熟年恋愛講座』小林照幸

2005-05-25 23:56:40 | 本棚
著者は30代前半のノンフィクション作家。

タイトルは、まるでハウツー本みたいなのだが
中身は、とても真面目に「老人の愛と性」について扱った、
一種学術的な本です。

『40歳未満、お断り!』
一種刺激的な帯につられて入手したのですが…
本の中で一番、私の心に響いた言葉は、これ。


「クオリティ・オブ・ライフ」は「クオリティ・オブ・ラブ」

本当に、そのとおりだと思う。
本の中ではセックス込みの意味で使われていたけれど、
(それはこの本の性質上当然なのだが)
それだけじゃなくてね。

愛情をかける対象があること、愛情を注いでもらうこと
その両方が
老年期に入った人たち(あるいは死期の迫った人たち)
には特に必要だと、私は思っています。

老年期に入っても、
魂は尊厳ある一人の人間。
そして、男であり、女。
そのことを
ちょっと違った角度から考えさせてくれる一冊です。

また、介護保険制度とは何ぞや?とか
介護保険運用における現在の問題点などについても
触れてあり、
いろんな意味でお薦めの一冊です。

いやホンマ面白いんで。すぐ読めます。
若い方は、読みたい章から読むのがコツかも。

熟年恋愛講座―高齢社会の性を考える

文芸春秋

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