じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

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こころと体の対話(読みかけ)

2005-11-26 18:50:11 | 本棚
今、わたしが関心を寄せている学問のうちの一つ
それは

精神免疫学」という分野です。

昨日、やっとその関連の本を入手することができました。

『こころと体の対話―精神免疫学の世界』(文春新書)

今、まださわりを読み始めたばかりだけれど
この本は、多分ビンゴだ。


***************


祖母の病は、アルツハイマー型老人性痴呆症

不治の病です。
だけれども、進行を遅らせることは、できます。
薬だけが武器ではない。

病の性質を理解したうえで、
祖母の「こころ」と「からだ」を大切にする
それだけで
主治医を驚かせるくらい、良い状態を保っていたのです。


わたしが、事故に遭うまでは。


そして今も こころのケアを大事にしてきたからこそ
身体的にはかなり元気であるのに
『要介護5』の認定が下りるレベルでありながら、

彼女自身の「こころ」と「からだ」の尊厳は保たれている。
そう、自負している。

だからこそ

 (先日、自分の夢を公表してしまったので
  もう、開き直って書いてしまおう。)


もし、ターミナル専門の医師を目指すなら
(遺族ケアも含む)

(この年齢でまだ諦めないのは、
 少なくとも日本では「非常識」だ。)

内科と精神科を一緒に押さえないと。と思う。


大学卒業資格は持っているから、あとは語学力。
アメリカなら4年で取得できる、免許。
介護を続ける期間が長くなった場合を考えて、
日本の大学を受ける場合の準備も、一応。
(センターの数学が苦手だ。二次はどってことないのに)


***************


わたしの「会いたい人」
そう、兄のように慕っていた、でも二度と会えない人が

かつて病床にあったわたしに、語りかけてくれた言葉を忘れない。


「たまさん。こころとからだは、繋がっているんだよ」


こころと体の対話―精神免疫学の世界

文藝春秋

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灰とダイヤモンド。

2005-09-30 17:14:21 | 本棚
19世紀ポーランドの詩人、ノルヴィッドの詩。


 松明のごとく 汝の身より火花の飛び散るとき
 汝知らずや、我が身を焦がしつつ、自由の身となれるを。
 持てるものは、失われるべき定めにあるを。
 残るはただ灰と、嵐のごとく深淵に落ちゆく混迷のみなるを。
 永遠の勝利の暁に、
 灰の底深く、燦然たるダイヤモンドの残らんことを。


この詩が、大好きだ。
知るきっかけになったのは、むかしむかし、観た映画
『灰とダイヤモンド』の中の一場面。

当時はまだ子供だったけれど(何故この映画を観たのか、きっかけを覚えていない)
それこそ、白黒の映像の中で、
この詩が出てくるシーンが、ダイヤモンドのように燦然と輝いて見えたのを覚えています。


この歌を口ずさむと、勇気が沸いてくる。


映画の方も、良い作品でした。
好き嫌いが分かれると思いますが、下に
作品解説へのリンクを張っておきます。

灰とダイヤモンド〈下〉

岩波書店

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『新訳 星の王子さま』倉橋由美子訳

2005-08-25 19:33:39 | 本棚
※まだ草稿段階ですが、一刻も早くこの本を、手に取っていただきたくて※

この『新訳 星の王子さま』は、

…原書の雰囲気を余すところなく発揮している訳であり
大変読みやすい文章でありながら、
非常に味わい深い仕上がりになっていることを、

まず初めに、お伝えしておきたく存じます。

”大人のための本”として書かれている「原著」に
非常に忠実に訳されている、一冊です。


********************


『星の王子さま』は、日本では、童話ないし子供向けの書物として
扱われてきた感じがある。
優しく美しい、善意に溢れた、御伽噺のような、
内藤さんの訳。

それはそれで悪くはないのだ。
あの時代なら、この訳しか出なかっただろう。
アンデルセンの物語が全て、原書のどきつさを抜かれて
日本に紹介されているように。


でも、それでも私は、物足りなかった。
何かがオブラートに包まれてしまっているような、違和感。
子供向けに書き直されてしまった、「さみしさ」
…そんなものを、子供時代に読んだとき感じた覚えがある。

「もっとはっきり書いてくれてもいいのに。
  子供は童話だけを求めているんじゃない」

同じ時期に読んだ、「夜間飛行」の方がよっぽどいい。
そう思っていた。ずっと。


大学に入ってから、第二外国語として仏語を選んだ。
仏語でトライしたい作品があったからだ。
それらを読むために、「内容がわかりやすいから
、辞書を引きながらなら読めるだろう」
と踏んで借りた、原著。


子供時代に感じたのとは全然違う世界が、
そこには広がっていた。
子供のこころだけを持った自分との決別。それがテーマ。
なんて素敵な本なんだ、と改めて見直した。



今回、倉橋由美子訳が出て、早速入手した。

彼女自身の幅広い知性と、半端じゃない文学的知識という裏地が
『星の王子さま』のために惜しみなく発揮されており、
(そして仏語を日本語へ訳する能力の高さもだ)

原著に忠実な(文化的背景までも含めた意味で)一冊となっている。

最後に、倉橋自身による後書きから、一言だけ。

『王子さまと、彼の星に咲く一輪の薔薇の関係は、
 実は現実の、"男と女の関係”そのものである』

新訳 星の王子さま

宝島社

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『アインシュタイン150の言葉』

2005-07-13 14:46:28 | 本棚
「どうして、自分を責めるんですか? 他人がちゃんと必要なときに責めてくれるんだから、いいじゃないですか。」


…帯に書いてある言葉を読んで、気持ちよく爆笑し、レジへ直行。


「相対性理論」で有名な20世紀最大の物理学者、
アルバート・アインシュタインの言葉を集めた本です。

"BITE-SIZE EINSTEIN"という原著がもともとありまして、
その中の言葉のうちエッセンスになるものを厳選して
本にまとめなおしたものだそうです。


この本のすばらしいところは、

◎とっつきやすい。
 一ページにつき、一つ二つしか、「言葉」を載せてないので、読みやすい。
 しかも、薄い。あっさりと読了できます。
 読者が自分の中で内容を吟味し、消化する時間も込みで
 作り手側が、本を構成している印象があります。いい仕事してるわ。

◎装丁がよい。
  目に飛び込む色
  本を手に取ったときの、手触り
  見返しのつくり
  フォントの選び方

  「本の"内容"を安売りしない」という、編集人の意思が伝わってくる、
  そんな「丁寧な」装丁です。
  限られているであろう予算内で、よく健闘しています。

◎アインシュタインの、人間的な魅力が、端的に伝わってくる
  アインシュタインは、私が伝記などを読んで窺い知るかぎりでは、
  いい按配に(そして、かなり強烈に)偏った人格をもつ、
  たいへん魅力的な人です。
  等身大の人間としてのアインシュタイン。
  そのあたりが良く、伝わってくる本だと思います。

◎そして何より、読んで"元気"が出る。
  「あんな偉業をなしとげた人が、こんなに人間くさいなんて。うふ。」
  そう思いながら読むのが吉です。
  ありのままの自分を、肯定してやることが難しく感じられるときなどは、特に。

  こころのベクトルを"いい方向"へ向け直す、助けになると思います。


個人的には、原著"BITE-SIZE EINSTEIN"にも、手を出す予定です。
英語は特別得意ではないけれど、「ちょっと努力してみようかしら」と
いう気持ちが、久々に湧きました。

アインシュタイン150の言葉

ディスカヴァートゥエンティワン

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『生きて死ぬ智慧』柳澤桂子

2005-07-02 14:36:59 | 本棚
少し手に取るのをためらうような題名ですが、
普段はめったに一人では行けない本屋で、平積みにされているのがふと見えたとき、
著者が「柳澤桂子」とあったので、中身もろくに見ず、即決で購入しました。
(柳澤桂子さんのプロフィールについては、このサイトのものも分かりやすいです。よろしければ参照ください)

この本の内容は、ひとことで言えば

   ”「般若心経」柳澤桂子訳”

です。
が、むしろ「美しく、シンプルな、ひとつの詩」を読むようなつもりで
手に取られてみるのがよいかと思います。
挿絵も装丁も美しいうえに、薄いので。

般若心経の中の、ひとことひとことを、
柳澤桂子が、詩のような形式で、読み上げなおしています。
言葉のひとつひとつが非常にわかりやすく、自然に、心の中にしみこんでくる。
とても楽な気持ちで読むことができます。

後ろの方には、本来の般若心経の現代語訳とともに、
英訳もついております。これがまた「美しい」です。


また、特に、自然科学分野に親和性のある方には、
さらに味わい深くこの”詩化された般若心経”を堪能していただけると思います。
私自身、どちらかといえば理系寄りの思考の持ち主なので、
こころから「買ってよかった」一冊となりました。

バリバリの物理畑出身で「宗教なんてよく分からんよ」とのたまう、
うちのじいたんが、声をかけても気づかないくらい熱心に読んでおりました。
「わからない」と呟きつつ、その声には感動が宿り、
本から目が離せない、そんな様子で。

どなたにでも、文句なしでお薦めします。
へたに私が内容のレビューをするよりも、とにかく読むのが一番。

本屋でお見かけになったら是非、一度お手に取られてみてください。
(中身を見ないでレジに直行しても、後悔しないとは思います)

生きて死ぬ智慧

小学館

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『斉藤孝の実践!日本語ドリル』

2005-06-20 23:57:55 | 本棚
タイトルに騙されないで、是非この本を手にとってみて下さい。

斉藤孝さんは、色々な本を出されているかたです。
でももしあなたが、初めて斉藤孝の本に手を出すのなら、
まずはこの本を、プロフェッショナルのはしくれとしてお薦めしたいと思います。


「ドリル」と題されていて、確かに問題も載っているのですが、
(しかもその「問題」は「これ以上ないほど洗練されている」)
ドリルであるという以前に、この本は、
「単なる読み物」として十分に耐えうるポテンシャルを持っています。

載っている問題を解くのが面倒なら、
すっとばして本文と解答を読んでしまえばいいです。全く問題ないです。

ところで、
この人の本はどれも、比較的読みやすいものが多いですが、
今回ご紹介したこの本の、良いところの一つに、
「うすい」ということがあります。
薄いのに、中身が濃い。

しかも、「問題を解く」形式になっているにもかかわらず
「問題を解かされている」という感覚には不思議とならない本。
大人になっていても、この本で力を伸ばすきっかけを作れる。

色々な点で、お買い得な本だと思います。


ですが
「この本を推したい」、個人的な理由は

「日本語力は、文章のうまい下手を超えて、考える力に直結している。」

と、

「日本語力が何故必要なのか」という命題について、明確に答えを読者に示している点が、すばらしいと感じたからです。


今までいくつかの仕事を経験してまいりましたが、

その中で思ったことなんですが、
日本語力というのは、特に
「生活の中で、楽しみながら」叩き込むほうが、よいのです。


総合的学習がなんたらとか、学校では色々言っていますが、
それを、「生徒が楽しめるように」やれる能力のある教員は
残念ながら、ごくわずかだと思います。

特に中学では、内申の問題があるので、
先生のほうもあまり、余裕はありません。

また、生徒は生徒で、内申がかかっていますから、
先生の授業に嫌々でも付き合っている場合がいっぱいあります。

「いやいや」している勉強では、
定期テストで点数を取れても、
実際の生活に、学んだことを応用していく力は、つきません。

この本は、実際の生活に応用していける力がつくという点でも
すばらしいのです。


もし読者様が親なら、子供さんと一緒に、
あるいは、恋人や伴侶、飲み仲間と一緒に、
この本で楽しく遊んでみてください。


斎藤孝の実践!日本語ドリル―日本語力がみるみる身に付く50題

宝島社

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倉橋由美子さん逝去を悼む。

2005-06-14 01:23:08 | 本棚
読書が殆ど唯一の趣味といってよかった大学時代、
彼女の本を初めて手にしたときの衝撃が忘れられない。
日本に、こんな作家がいたのか、と。

作家の、倉橋由美子さんが逝去された。

初めて読んだのは、古本屋で入手した
「聖少女」「パルタイ」の二つだったと思う。
今は両方とも絶版で入手できないのではないか。
(ちなみに私も、今、手元からは失われている。)

この人をもし、
「ただの気持ち悪い話ばかり書きまくってる変なオバサン」
と見なして、彼女の本を読まず嫌いをしているなら、
それはとてももったいない話だ、と私は思う。

繊細な筆致、エレガントな表現力、幅広くバランスの取れた知性、
そして、作品世界からは見事に消されている、作家本人の気配。
こんな作家には、めったにお目にかかれるものではないと思うのだけれど、
なんでいまひとつメジャーになれなかったのか。
きっと、文壇の嫉妬が原因に違いない(笑)

彼女が書いた作品と、
彼女が訳した作品(有名なのがいくつかあります)
とを対比させてみると、
彼女が目指していたものが、おぼろげながら見えてくる気がする。

まだ69歳という若さ。
まだまだ、新しい世界を見せてくれるはずだった彼女。
残念でなりません。
心から、ご冥福を祈ります。


もし、彼女の本を初めて読むなら、私は下の本を推薦したいです。
これも古本で手に入れるか、図書館で読むしかないので
とりあえずアマゾンのレビューを読んでみてください。

倉橋由美子の怪奇掌篇

新潮社

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追伸:
彼女が訳した「星の王子さま」を心待ちにしていました。
堀口大學のそれと、どれだけ違うのだろう…

訂正(6/15) 「星の王子さま」の訳者は、フランス文学者の内藤濯さんでした。謹んでお詫び申し上げます。
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『羅生門/偸盗』芥川龍之介

2005-06-13 03:34:27 | 本棚
※追記(7/26):一部改稿しました。まだ改稿すると思います。

私の夢のうちの、ひとつは、
どうしようもないとことまで落ちた、ごく普通の人間が
自分の力でまた這い上がり、救われていく、
そんな物語を、死ぬまでに書き上げることです。

-------------------------

芥川龍之介は、かつて「羅生門」で、
ごく平凡な男がささいなきっかけにより、
いともたやすく人間性を失い
墜ちるところまで墜ちていくさまを描いた。

「偸盗」は、「羅生門」の続きとなるはずだった作品である。
(物語としては全く別のものなのだが、テーマが続いているという意味で)
「羅生門」の”墜ちた下人”のその後…
『人は墜ちるところまで墜ちても、救われていけるのだ』
”墜ちた下人”の救済というテーマを描こうという試みが、この小品だった。

『「下人の行方は誰も知らない」としか書けなかった』

芥川本人がメモに残している、「羅生門」ラストの一行。

(最初の原稿では「下人は盗人になった」と書かれていたらしい。
 後に「誰も知らない」と書き直された。)

この「誰も知らない」行方、闇に消えた下人が、
再び光溢れる場所へ「自力で」還ってゆく、
「救済の物語」として書かれたのが、
この「偸盗」という小品だったはずだった。


だが、(実際に読めば分かるのだが)
「偸盗」はその企てに失敗した作品となる。
芥川の書きたかった”救済”とは程遠い結末。

そしてその後しばらくして、芥川は自殺する。

-----------------------------

『偸盗』…大学時代、とても印象に残った講義。
雷に打たれた、と思った瞬間だった。

「あたしはこの小説を、芥川が書きたかった形に、作り変えてみせる」
別に小説じゃなくたってかまわない。

そう、
じいたんばあたんの介護に今、関わっていて、
何があっても平気と思えるのは、
彼らへの愛情だけが支えなのでは、決してないのだ。

彼らの介護をさせていただく日々が、
自分にとって極上の栄養になるって分かっているから。
どんな苦労も、財産にしかならないことを、知っているから。

なんて、ひどい。
なんて、業のふかい。
私のどこが下人と違うというのだろう。
実の祖父母の、人生の晩年を見つめ続けることで、
私は自分の物語を豊かにしようとたくらんでいるのだから。

そんな、私の推薦ですが…、
もし、何か今、ごく上質な小説をお求めの方。
出来れば一度、読んでみてください。
「羅生門」は高校の教科書にも取り上げられていますが、
実際は「偸盗」を併せて読まないと、不十分なのです。

何故「偸盗」が失敗作なのか、一見わかりにくいかもしれません。
その場合はコメント欄でお尋ねいただければ、解説できると思います。

羅生門・鼻・芋粥・偸盗

岩波書店

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『「こころ」はどこで壊れるか』滝川一廣・佐藤幹夫

2005-06-06 00:53:35 | 本棚
三年前くらいに本屋で見つけて、
タイトルで即買いして大あたりだった本です。

「こころ」とはもともと不自由かつ不合理なもので、
私のものでありながら、私の思い通りにはならない。
身体だって勿論そうなのだけれど、
手にとって触ってみることの不可能な存在である
「こころ」が、壊れるときとは、どんなときか。

それは、「こころ」というもののもつ不自由さ、不合理さが、
現実と折り合いを付けられなくなったときだ、と滝川医師は言う。

そういったことを、精神医学的な観点のみならず、
社会問題化しているさまざまな現象に具体的に引き寄せて、
かなり大胆かつ誠実に解き明かしている、
非常に現実を冷静に見つめた上で行く先を模索している、
ごく実践的な書だと思います。

また、熟練の精神科医に対し、障害児教育のプロである編集者が、
インタビューするという方式をとって書かれているこの本は、

話し手と聞き手、二人が適度な距離感を保ちつつ
時には熱くなり、あるいは共鳴し合って、
結論らしきものへと徐々にたどり着いていく
(つまり「折り合いをつけていく」)過程が良く分かり、
そういった構成のされ方そのものも、魅力のひとつです。

かなり突っ込んだ議論をしている割には
敷居がそれほど高くないので、そういう意味でも、
読みやすい本ではないかと思います。

「こころ」とはいかなるものであり、
どのように折り合いをつけていくのがよいか
その道を探りたいと切望する方、
あるいは精神医学に多少なりとも興味のある方には是非、
一度手に取っていただきたい一冊です。

星五つでお薦めします。

「こころ」はどこで壊れるか―精神医療の虚像と実像

洋泉社

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『熟年恋愛講座』小林照幸

2005-05-25 23:56:40 | 本棚
著者は30代前半のノンフィクション作家。

タイトルは、まるでハウツー本みたいなのだが
中身は、とても真面目に「老人の愛と性」について扱った、
一種学術的な本です。

『40歳未満、お断り!』
一種刺激的な帯につられて入手したのですが…
本の中で一番、私の心に響いた言葉は、これ。


「クオリティ・オブ・ライフ」は「クオリティ・オブ・ラブ」

本当に、そのとおりだと思う。
本の中ではセックス込みの意味で使われていたけれど、
(それはこの本の性質上当然なのだが)
それだけじゃなくてね。

愛情をかける対象があること、愛情を注いでもらうこと
その両方が
老年期に入った人たち(あるいは死期の迫った人たち)
には特に必要だと、私は思っています。

老年期に入っても、
魂は尊厳ある一人の人間。
そして、男であり、女。
そのことを
ちょっと違った角度から考えさせてくれる一冊です。

また、介護保険制度とは何ぞや?とか
介護保険運用における現在の問題点などについても
触れてあり、
いろんな意味でお薦めの一冊です。

いやホンマ面白いんで。すぐ読めます。
若い方は、読みたい章から読むのがコツかも。

熟年恋愛講座―高齢社会の性を考える

文芸春秋

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