じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

寝言で会話する二人。

2005-05-31 23:55:02 | じいたんばあたん
じいたんとばあたんは時々、
寝言で、会話する。

ある夜のこと。

「あ~お前さん、困ったね。」

むむ?と思って飛び起き、和室を覗いたら、
じいたんの寝言だった。

なんや。びっくりした。
と引き返そうとした、そのとき、

「どうなさったの、あなた」

ばあたんの大声。目は閉じている。
どうやら寝言らしい。
じいたんの寝言に反応するのね…
と思っていたら、

「ああ、君は心配しないでいなさい、むにゃむにゃ…」

と、じいたんのでかい声。
そして直後にがごーっと、いびき。

なんか話が通じてるのか通じてないのか、
でも祖母は安心しきった表情で眠っている。

そっと二人の布団を掛けなおしても、
二人とも、全然目を覚ます気配はない。

60ウン年連れ添ってきた夫婦の絆って、
ほんとうにすごい。

そう、改めて思った出来事だった。