今日、祖父母宅への行きがけに、
シャボン玉セットを見つけたので、買った。
「母の日だから、カーネーションを」と思い
立ち寄ったコンビニに
こんなしゃれたものがあるなんて。
そうだ、亡父が昔、私のために
シャボン玉をいつまでもいつまでも吹いてくれたことがあったっけ。
だから今日は、私が吹こう、ばあたんのために。
亡くなった息子からの、母への感謝の気持ちを。
ばあたんをベランダに連れ出す。
風が強い。
ストローを石鹸水にひたして
口にくわえる私を、ばあたんは不思議そうに眺めている。
そして、やがて
絶え間なく生まれてくるシャボン玉と
戯れ、踊り始める。
歌いながら。幸せそうに。
風と抱き合い、頬をばら色に染めて。
ロイス・クレヨンの、紺色のジャンパースカートに、
バラの小花柄のシャツを着た
白髪の童女。
彼女を、光る珠で優しく抱きしめたくて
私はひたすらストローを吹き続ける。
お別れの朝まで彼女を護りたいと心から願った、
五月の日曜日の午後。
シャボン玉セットを見つけたので、買った。
「母の日だから、カーネーションを」と思い
立ち寄ったコンビニに
こんなしゃれたものがあるなんて。
そうだ、亡父が昔、私のために
シャボン玉をいつまでもいつまでも吹いてくれたことがあったっけ。
だから今日は、私が吹こう、ばあたんのために。
亡くなった息子からの、母への感謝の気持ちを。
ばあたんをベランダに連れ出す。
風が強い。
ストローを石鹸水にひたして
口にくわえる私を、ばあたんは不思議そうに眺めている。
そして、やがて
絶え間なく生まれてくるシャボン玉と
戯れ、踊り始める。
歌いながら。幸せそうに。
風と抱き合い、頬をばら色に染めて。
ロイス・クレヨンの、紺色のジャンパースカートに、
バラの小花柄のシャツを着た
白髪の童女。
彼女を、光る珠で優しく抱きしめたくて
私はひたすらストローを吹き続ける。
お別れの朝まで彼女を護りたいと心から願った、
五月の日曜日の午後。