じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

長いお休みの後で、とりとめのない文をつづり、そして思い出す。

2006-09-17 05:48:52 | お知らせ
ずいぶん長い間、留守にしてしまいました。

コメントを下さった皆さま、
読みに来てくださっていた皆さま、
本当にありがとうございます。

コメントもお便りも、ひとつひとつ大切に読ませていただいています。
お返事まで、もう少しお時間をいただければ嬉しいです。
 

***************


夏風邪が思いのほか長引いたのですが、
おかげさまでようやく落ち着いてきました。

ただ、微熱がずっと続いていたので、
検査結果が出るまでブログの更新は自粛していました。

ですが、結果はお陰さまで異常なしでした^^

どうやらただの、自律神経の乱れらしいです。
かなりホッとしました。ご心配をおかけいたしました。
自律なんたらの方は、ぼちぼち治していきます^^
あまり気にせず放っておくうちに、なんとかなりそうな気がしているので…
 

***********


寝込んでいる間にも、
いろいろと状況の変化や、やるべき作業はあり、
横になったり起きたりしながら、いろんなことを考えました。


祖母の正式な後見人としての作業…
今後やっていくべき作業の整理や、裁判所への書類の提出など、
そしてそれらをやる中で考えさせられたこと、

それから、
この夏寝込んでしまったことで、
思いがけず大きな休憩を取ることになり、
その中で気づかされたこと、

少しずつですが、書いていこうと思います。
 
具体的には、SNSや手帳の端っこに書き留めておいたメモを
少しずつUPしていくことになると思います。

読んでいただけたら、うれしいです。


**********


実は、いま、じいたんの
旅支度をする合間に記事を書いています。

じいたんが、敬老の日から翌日まで、泊りがけで、
教え子から招かれた同窓会に出かけるのです。

さすがにもう、一人旅は難しいので、
少し遠い場所なので、叔母についていってもらいます。

わたしは、その日は、じいたんに付いていかず、
相方と一緒に、ばあたんの病院で過ごします。


  去年の今頃は、ばあたんが入院した直後で、
  じいたんの後姿がとても淋しそうで、

  口にこそ出さなかったけれど、
  いつまでじいたんが元気でいてくれるかどうか、
  とても心配でした。


だから、こうして、じいたんが、もういちど
教え子とのクラス会に出られるということが、本当にうれしいです。



  ぶっちゃけてしまうと今日も、
  旅行の準備の途中で
  じいたんと言い争いになって
  途中で、泣いたりもして

  でも最後は
  ちょっと無理してでも笑って

(途中で伯父が愚痴を聞いてくれたからだけれど)

  12時近くに自宅へ戻ってきて

  ついさっきまで、
  作業をしつつSNSに愚痴を書いて、
  また作業をしていたんです。


そんななかでふと、
「あ、ブログを更新しよう」という気持ちになって

この編集画面に向き合ってみると
 
 
「今年の秋もまた、無事に廻ってきてくれたんだ」

という感慨が、不意に身体の奥からこみ上げてきて


こんなわたしでも何とかここまで来たんだ

ごまかしながらかもしれない、いっぱい見落としもあるだろう、
泣いたり喚いたりとみっともなかっただろう、

けれども、
なんとか投げ出したりせず、ここまでとりあえずは来れたんだ


 (誤解を怖れずに言うならば、
  じいたんと二人きりという状況は、
  わたしにとって
  精神的に、ばあたんと過ごすよりもうんと厳しい体験です。
  家族としての愛情はどちらへも同じ、だけどそれとこれとは別なのです。

  なぜ、そんな差が生まれるのかいうことも、考えてみたので
  今後、記事にしていけたら良いなと思っています)


たったそれだけのことだけれども、
わたしにとっては、ほんとうにうれしくて、
そして、心からありがたいです。
 

無意味じゃ、ないですよね?
こういう生も、ありですよね。

子を生むこともなくとも、
大きい仕事を成し遂げるわけでもなくとも、
何ひとつ生み出すことも育てることもなくとも、
それでも。

こういう生き方も、ありですよね。



**************


ひと月と半分、病の中で忘れかけていたけれど
この画面に向かって
指に任せて、整わぬ文章を綴るうちに、思い出した。


  誰がわたしのことを許さなくても
  わたしはわたしのことを許してやろう


介護を引き受けると決めたときに、自分にそう誓ったんだったってことを。
 

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10 コメント

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Unknown (とらら)
2006-09-17 06:17:26
おはようございます!

お体の方、だいぶ落ち着かれたのですね。よかった~。

検査結果も異常なしということでバンザイ!ですね。

でもあまり無理はしないで下さいよぉ~。



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はじめまして (かっちゃん)
2006-09-17 12:48:41
こんにちは。東京の本放送より3週間遅れでこのブログを知り、頭っから拝見させてもらいました。

実は、うちに父も認知症があり、現在介護二級になってます。1時間前の事も「そんなん知らんが」と言い、自分が気にいらなかったらすぐにふてくされる。徘徊ではないとおもいますが、いつの間にか出て行って、暫くしていつの間にか帰ってきます。雨が降ろうと、夏の猛暑であろうと・・・。

この前は夜中の11時に突然着替えだして、「今からデイケアに行くんじゃ」と言いだし、なだめるのに一苦労でした。挙げ句の果てに「わしが昼やゆうたら夜でも昼になるんじゃ」と言い、母親と二人で呆れすぎて笑ってしまいました。

あと、理由は分かりませんが、異常にお金に執着してます。

父「お金おろすから通帳よこせ」

母「何に使うん?」

父「何でもええきん通帳よこせ」

てな感じです。

怒ってはいけない事は理解しているつもりなのですが、ついつい声を荒げてしまいます。

妻には悪態をつくのですが、長男の僕には何も言わずに黙ってます。その辺りはある意味賢いですよね。

たまさんのブログを読んで、父親との接し方を改めないといけないのではと感じてます。今後意見交換が出来れば幸いです。

多摩さんも

ご自分の体調には十分気を付けてくださいね。体あっての介護だと思いますから。自分が介護されないようにしないとね(^_^;)
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Unknown (さだえchan)
2006-09-17 21:47:42
たまさん。お疲れ様です。

そういう人生有りですよ…。大有り。

むしろ、たくさんの人に知ってもらいたい。

たまさんのような人生を送っている人がココに居ることを…。



多分ココに来る訪問者の方々、

みんな、たまさんの生き方に感動を覚えたり、共感したり、尊敬したり…

心震わされている人…たくさん居ると思います。

たまには弱音を吐いてみたり…っていうたまさんのことも、みんな大好きだと思います。



すご~く頑張っている中に、ちょっと弱い部分が見えたりすると

人間的(?)な感じがして、より一層たまさんのことを大好きになってゆく私がいます。



だから、たまさん…。

体には充分気を付けて、たまにはゆっくり休むことを自分自身で許して、

心と体の健康を守って下さい。



どんなに陰ながら応援してても

何一つ力にはなれない無力な訪問者を…許して下さい。

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そのままで… (聖☆)
2006-09-18 17:54:23
当たり前のようにあり続けることは簡単なようで実はすごく難しいことなんですよね。

父のことがあってから特にそう思うようになりました。



継続することもまたしかり。



それを続けてこられたたまさん、本当にお疲れさまでした。



介護にまつわる嬉しいことも悲しいことも全部含めて、きっとたまさんの礎になってるんじゃないかと思います。



…でも心身が疲れたときは少し休憩して、力を蓄えてくださいね。

心がしんどくなるっていうことは、逆に言えばそれだけ相手のことを思いやってるという証拠ですから、ご自身を責めないでくださいね。

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あなたはステキです (neko50)
2006-09-18 21:14:50
どんな状況の時も、自分を好きでいることが強く居るために一番大事なことなのだと、私は思っています。たまさんはステキです。

私はたまさんが大好きです。

落ち込みそうなとき、鏡に向かって笑顔を作って、自分を好きだと言ってください。声に出して、何度でも言ってください。
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Unknown (ミンミン)
2006-09-20 21:36:48
たまさん、こんばんは。

私の方からもちょっとお久しぶりになってしまいましたね。

体調の方も夏風邪が長引いて大変でしたね。

おじいさまはご旅行楽しんでこられたでしょうか。



記事を読んでいて、母が事あるごとに

「来年の今頃こうして同じように過ごせているか分からないから」と

初物のまだ値段の高い果物を

祖父母のために買って来たことを思い出しました。

同じ時間は二度と流れないからこそ

かけがえの無いものなんだなぁとしみじみ思い

だから私もそのように生きていければ

…と考えているのですが。



「子を生むこともなく…」なんて

たまさん言わないで~~!

私も同じだけれど

たまさんのほうがずっとずっと

自分を生きている気がするんですもの。

私の立場なくなっちゃう(苦笑)
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Unknown (たもと)
2006-09-21 19:24:14
たまさん,お久しぶりです。



夏風邪、大丈夫ですか?夏風邪って、なんかたちが悪いというか...暑い中で温まりたくもないし...。まあ、のんびり治してほしいです。



私がいつも感じることは、たまさんはとても理想が高い方でしかもまじめだということ、そしてやっぱりいろいろな意味で無理をしているのではないだろうか、ということです。だからもっと自分を大切にしてほしいですよ。見当違いでしたらごめんなさい。

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栄養とってますか~ (neko50)
2006-09-29 19:09:55
このところ忙しすぎて、自分のページも更新さぼり気味でした。

しばらくぶりで見に来たら、まだ元気回復されてないみたいですね。

無理しちゃいけませんよ。でも、早く元気になって帰ってこられますように。

八重山は、アカハラダカの渡りが終わって、少しずつ秋の気配です。ツバメがたくさん飛び交っていましたけど、この間の13号台風で南へ渡って行っちゃったのかも。少なくなっています。

どこへ行っても赤とんぼの群れがいっぱいですよ。
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はじめまして。 (暁由恵)
2006-10-11 22:12:42
テレビでこのブログを知り、やっと拝見させていただきました。

たまさん、とてもいい人生を送ってらっしゃると思いました。苦しいこと、嫌なこともいっぱい経験していながら、日常の中でとてもきれいで素敵なものを見、素直に「素敵」と言える人生、なかなかないです。大切な人を大切に、側にいてその「生」を実感できる、とても大切でとても素敵な人生です。

私は一昨年母方の祖父を亡くしました。

母方の祖母は今足が悪く入院中で、父方の祖父母は健在、と言えないまでも元気でいます。

幸いというかなんというか、私の身内には今、いわゆる「ボケ」ている者はいません。しかし誰が、いつ、そのような状態になってもおかしくはありません。特に祖父が亡くなってからの母方の祖母は…

私は今、祖母の入院先から少し離れたところにいますし、大学院の卒業間近ということもあって週1でしかお見舞いに行けません。

お見舞いに行くたび行くたびに何かしてあげようと焦っている自分に気がついていました。

でもたまさんのブログを読んで、私らしい祖母への接し方を考えることができました。祖母との時間を大切にする方法がわかりました。たまさんのブログ、今までの祖母の態度から、ただよりそうこと、祖母も私もそれを望んでいるのだと気がつかされました。

本当にいいブログにめぐりあったと感じています。

たまさんのような人生を、じいたんばあたんからの素敵な贈り物に満ちた、そんな人生を私も歩みたいです。
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実家へ行ってきました (neko50)
2006-10-18 14:02:54
1週間のお休みがとれて実家へ行ってきました。父は相変わらずで、週2日のリハビリ施設通いと、週2日の家の中散歩のほかは、食事が済むと寝床に潜り込む毎日、認知症も少しずつ進んでいるようで、私の顔も名前も忘れていました。

普段、中学校の養護教諭をしながら休日には片道2時間の実家通いをしている妹に、様子は聞いていましたし、たまさんのブログを見ていたので、今のことは分からなくても、人としての尊厳は変わらずに感じているのだと知っていましたからショックは受けませんでした。

昔話をしながら、マッサージをしているうち、自分のことを「おじいさんは」といっていた父が、「父ちゃんは」と話し出しました。私を、娘だと分かったんですね。

プールのリハビリ歩きで頑張ったとき、若い看護士さんが「すご~い」と言ったと、笑顔で話しながら胸を張って足を組みました。

父自身も、一瞬、昔の自分に戻ったような感じがしたようでした。

本当に変わらないんだな~と、私、うれしかったです。

とうとう最後まで私の名前は思い出さなかったようでしたが、寝坊した朝「子供はどうした。帰ったのか」と母に聞いたそうです。

それだけ分かってくれたら十分です。

あるがままに受け入れて、今の父を愛しいと自然に思えました。

たまさんのお陰ですね。ありがとう。
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