ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

閉鎖病棟

2016年02月08日 | 感謝
殉教記念聖会の夜、ゴスペルのギフツが曲の合間にするコメントで、私はありありと思い出す事があった。ギフツが話していたのは、過去にも行った九州のある精神病院での事だった。「その病院の閉鎖病棟に入ったら、外から鍵をかけられてしまうのです」と。
そこでのギフツのコンサートは、たくさんの患者に生きる力を与えたようだった。それは素晴らしい事だと思ったのだか、ギフツはただゲストとして、奉仕として入ったのだ。しかしその時私は、妻との面会という形で、何度も閉鎖病棟に入った時のことを思い出さずにはいられなかった。家族が、妻がその檻の中に入るという、その痛みはきっと体験者でしか分からないことだろうとも。

またさらに次のことを思い出させられていた。医師からまず治らないこと(普通はモロには言わないが、私は言われた)。入退院を繰り返したある段階を経て、もっと奥の閉鎖病棟に、少なくとも五年、いや十年単位で入院と通告された時のことを。その時「希望」という景色が、本当に音を立てて崩れて行くようだった。
こうして私は閉鎖病棟というを聞いてからのしばらくは、硬直し何も聴こえなくなっていた。そして我に返った時、今の私がどれほと幸せで祝福されていることか、心から神に感謝した。どんなに辛く悲しいことでも、神を信じる者は希望がある。神は全てをご存知であった。悲しむことを知らずして喜ぶことはできない。辛く苦しむことなくして、幸せは分からない。まして、私たちには死すら奪うことができない、溢れるばかりの天への希望がある。 ケパ







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