ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

伝えることの難しさ

2015年04月06日 | 聖書
数日前、DVDで三浦綾子の映画「塩狩峠」を観た。映画自体はおそらく日本製福音映画としては、レベルの高さから、文句ない最高傑作だと感動した。
ただ少し古さを感じたのは、主人公が許婚になる女性を励まして言う「薪は一本より、二本の方が良く燃えるでしょう」と言う、繰り返し出てくるセリフである。

今の若い世代の人にだって、日本語なのでだいたいの意味はわかるだろう。しかし、言葉の実感はわからないはすである。現代の全自動で沸く風呂や、IHヒーターで暮らすぶんには理解できないはずだ。
これは毎日かまどやお風呂を薪などで沸かして生活してきた者だけがわかる言葉だ。

火というものは一本では燃えない。私は毎晩五右衛門風呂を沸かしていたので、ハの字型に置いた二本の薪で燃やし続けた。薪と薪の間隔を徐々に離して行けば保温状態となり、いよいよ消す時には二本を完全に離せばよい。ゆっくりとだが、消えるのだ。主人公がこの言葉を言ったのは、「結婚し互いが一つになることで、命の熱い火を燃やしましょう」というポロポーズなわけだ。素晴らしい言葉だったのだが・・・今は通じないなあ。

民主的な世の中になって、人は皆平等が徹底してきた現代、おしなべて若い人は敬語が下手になった。貴賎や上下関係を意識しにくい現代社会では、公にされるブログにおいてすら、友達や子どもに対して敬語を使っており、これはいただけない。敬語が通じない社会になっているのだろうか?

時代とともに、互いが通じ合えるためには、何らかの壁が、あり努力を要することを知らされる。ケパ
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