命のカウントダウン(健康余命3605日)

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アルジャーノンに花束を

2020-01-24 01:35:09 | 読書

この本を読んだのは・・・・宇多田ヒカルが世間を席巻していた1999年、彼女が16歳の時だと思う。

何かの折に彼女が大推薦していたこの本を手に取りたくなって、分厚い文庫本を買った

私にしては珍しく、何度か時を置いても読み返した

何処へ行ったのかわからなくなったこともあって、現在本棚には2冊の同じ文庫本が手あかにまみれて並んでいる。

あらすじは

知的障害を持った青年チャーリイは、賢くなって周囲の友人と同じになりたいと願っている、疑うことを知らない陰のない子供の心を持った優しい青年だった。彼は開発されたばかりの知能向上手術を受けることを勧められる。先に動物実験として手術を受けたハツカネズミのアルジャーノンに迷路実験で負けてしまったチャーリイは手術を受けることを承諾、臨床試験被験者第一号となる。

手術は成功、数か月でIQ185の天才となったチャーリイであったが、頭が良くなったゆえに今まで見えていなかった醜い事実も見えてきてしまう。また、知能と感情のバランスが取れず、孤独感を深め、苦悩を抱く。

先に手術を受けたアルジャーノンに異変が生じる。一旦上昇した知能が失われてゆき、やがて元よりも下降してしまうことを知る

さいごの「ついしん」が何度読んでも涙無くしては読めない。

「どうかついでがあったら うらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやってください」

 

この年(1999年)の11月、16歳の宇多田ヒカルは、72歳のダニエル・キイスと対談をしている。文芸春秋2000年1月号に掲載されたこの対談は、今でもネット上で読むことが出来る。(公式じゃないけど)56歳差の2人のニューヨーカーの対談は、哲学を感じるし、創作者に共通した臭いがする。

http://dekakoushi.blog110.fc2.com/blog-entry-324.html

天才、類まれなる大天才と称賛の嵐の中にいた宇多田ヒカルは、チャーリイと自分が重なって見えたのかもしれないと思う。



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