命のカウントダウン(健康余命3605日)

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痛くないワクチン接種を目指しています。

2022-10-15 22:02:29 | インフルエンザ
新型コロナのワクチン接種に加えて、インフルエンザのワクチン接種が増えてきました。(この記事は2019年11月27日の記事の焼き直しです)

私は、インフルエンザを始めとする全ての予防接種で可能な限り痛みを少なくしたい、可能であればゼロにしたいと思っています。

注射は痛い。そこを何とかしたいです。痛いことが目的ではなくて、薬液を体内に入れる事が目的なのですから・・・

注射の痛みは、注射の部位(場所)、注射の角度、注射液の内容、注射液の注入速度、注射針の太さ、注射針の切れの良さ、注射される方の痛さに対する感受性や精神状態、性格や年齢などが大きく関係します。

注射針は、細いほうが痛みは少ないのは勿論です。蚊の嘴程に細くすれば、刺されたかどうか分からないのは、皆さん自分自身の人体実験で検証済みですよね。でも、細すぎるとうまく目的の部位に注射液の注入がし難かったりします。

蚊の嘴を模して、痛くない注射針をテルモが作りました。34Gというゲージです。特殊な針で、糖尿病にしか使用できません。
特殊な技術を使っていますので、高価です。しかし、世界一痛くない注射針はナノパスは日本製(テルモ)だという事を知って下さい。

それほどではなくとも、これまで当院(奈良県田原本町の坂根医院)では、予防接種にはなるべく細い針(通常は27G)を使用してきました。ツベルクリンなどの皮内接種に使う注射針ですが、インフルエンザワクチンなどの皮下接種にも十分使えると私は思っています。


当院では、薬液をシリンジに吸う時は別の針(23G)を使っています。
下の写真、上の青い針(23G)は薬液をシリンジに吸い上げ専用で、
下のピンクのキャップの針(27G)に付け替えて注射します

こんな面倒な事をするのは、同じ針で薬液を吸うと、注射する針を薬液の入った瓶のゴムに刺した後で患者さんの皮膚に刺すことになって、針の切れ味が落ちて、痛みが増すからです。
当院の様に、薬液を吸う針と注射する針を別にしているところは少数派だと思う。面倒ですからねぇ。

注射の痛みに鈍感な医療機関は多くて、予防接種に23G(青色)を使っているところも多数あります。というか、それが多数派で標準でしょう。もっと太いものを使っているところもあるらしくて、何を考えておられるのか?とは思いますが、経済性もあるのかもしれません。細い針はチョット値段が高いことが多いです。

予防接種に使うのは、細めの針の方が良いですが、静脈注射や採血では、話が変わってきます。適材適所なのです。

27G、30Gなどという細い針では採血は出来ません。採血したら血球が壊れてしまいます。当院では、採血、静脈注射には、22Gを使用しています。これはまあ一般的だと思います。献血など、大量に採血する時は、普通18Gを使うようです。適材適所であります。

医療用注射針は、サイズによって注射針の根元の色が決まっています。
その昔は、全金属製の針を煮沸消毒などして複数回使用していたが、今ではそんな代物にお目にかかることはまずない。
全てディスポーザブル:使い捨てです。医療廃棄物が多く出るのが欠点ですが、今さら全金属針には戻れないです。

当院では、輸血には18G、採血や静脈注射、点滴には21~22G、筋肉注射には23Gそして皮下注射に27Gを使用しています。これは太さだけの話で、同じ太さでも用途によっていろいろな針の種類が存在します。長さ、針の角度、翼状針、通常針など

上記の表で一番細い針が27Gで、30Gは乗っていない。特殊用途?
でも、予防接種に使っている先生がおられて、「十分使えます」
と教えていただいたので、試しに100本取り寄せた。
注射用の針は進化していて、昔は実用にならなかった細い針が使えるようになってきているそうだ。
しかし高い!27Gの針付きシリンジと、30Gの針だけがほぼ同じ値段。
シリンジ代を加えると、価格は、ほぼ2倍。そのうえ、針とシリンジの袋をそれぞれ破く手間もかかる。
これが27G


そしてこれが30G
値段も手間もかかるけれど、患者さんの痛みが和らぐならと試したのだが・・・
27Gと30Gでは、あまり変わらない様に思える。それよりも薬液の注入速度と注射部位のほうが痛みに影響するようだ。
それで、27Gに戻りました。安くなったら、また、考えます!!

先日、所さんの目が点 で紹介していた。注射部位を事前にツネって刺激しておくとか、注射されているときに注射されていないほうの手で、他の場所をツネって注射の痛みを誤魔化すなどの方法も意外に有効らしい。

あと、注射する部位に局所麻酔剤のテープを貼ったり、局所麻酔クリームを塗っておくという手もある。ただ、これは1時間以上経たないと有効ではない。当院では水いぼの除去の際にこの手を使うが、注射では面倒なので使っていない。



今後も、「痛くない予防接種」を目指して学びを続けるつもりです。
患者さんをリラックスさせることもとても重要
注射の意義を理解していただくことも有意義なのだそうです。

点鼻タイプのインフルエンザ生ワクチンのフルミスト、早く日本でも認可されるといいですね。
それに貼り薬タイプのインフルエンザワクチンも開発されているのだそうです。
今後も多角的に「痛くない予防接種」「痛くない注射」の情報を集めて出来るだけ痛みのない治療や予防に挑戦し続けようと思っています。



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2 コメント

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Unknown (kikokikonoriko19888888)
2022-10-16 05:38:40
昭和30年頃までは、金属の針を煮沸消毒して何回も使っていたのを思い出しました。子供は針を見ただけで、、、泣き叫んでいました。お尻にさすペニシリンの針を見ると、大人だって逃げ出しました。、針も用途によって「患者さんに寄り添う」先生の様な、病気だけ見るのではなくて、「病人を丸ごと診て下さるハート」が、針を変えていったのですね!。
会社に生き残りをかけて、開発させているプロの目が伝わってきます。昭和の終わりごろは医療機械業界は血液製剤とパックになった注射セットも出始めて、医療機械業界には
販売にも、国家免許保持者の管理者が居ないと売れなくなりました。それまでは、国の基準も甘かったことも有り、材質が再利用のものが多かったですね。、、、肝炎なんか注射針から、、、なんてこともあり、開業の先生方の患者に寄り添うプロ根性が、医療機械会社の生き残りの研究を促したのでしょうね。針の話、、、とても面白く拝見しました。感謝です。
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Unknown (camper)
2022-10-16 11:08:04
花鳥風月さん、注射針の改良・進化や使用方法の改善を実体験してこられたのですね。
そう言われれば、私が子供の頃のワクチン接種は、注射器も針も同じものを他人数に使いまわしていた気がします。あれが肝炎の原因だったのですねぇ。
いつも、嬉しい評価をいただきありがとうございます。花鳥風月さんが古い記事を取り上げていただいたので、出汁直す気になりました。ありがとうございました。
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