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命のカウントダウン(健康余命3605日)

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マスク、外しますか?

2023-02-09 23:59:17 | 新型コロナウィルス
卒業式シーズンに向けて、マスクをするべきか外すべきか、論争が繰り広げられています。

8日、厚労省の専門家会合は「コロナの流行が落ち着いていれば、マスク無しも容認できる」との見解を示しました。 新型コロナ感染症対策専門家会議 脇田隆字 座長 「一生に一度の行事。マスクを外して参加したいという気持ちも理解できるし…」  近く、全国の教育委員会に通知される見通しです。 

複数の関係者によりますと、政府は来月13日を軸に、マスクの着用について、原則「屋内・屋外問わず個人の判断に委ねる」方向で調整に入りました。 判断の参考にしてもらうための指針を示すことにしていて、全員の着席が可能な新幹線や高速バスなどではマスクを外すことを容認する一方で、通勤ラッシュ時など混雑した電車やバスでは着用を推奨します。 また、学校では着用を求めないことを基本とします。ただ、基礎疾患などの事情でマスクの着用を希望する場合は適切に配慮するようにします。卒業式については「マスクなし」を可能とします。

キーワードは「個人の判断に委ねる」ですね。
今後、日本が個人の判断を尊重する西欧型の個人主義社会に変貌していく曲がり角に今いるのだと思います。とは言いつつ、新幹線や高速バスではマスクを外すことを容認するが、ラッシュ時の電車やバスでは着用を推奨するとかきめ細やかな指示を出すところが「NIPPON」ですよねぇ。この辺りが正に曲がり角を実証しているのでしょう。

私は、幸いにもラッシュ時に公共交通機関に搭乗する必要性がほぼ皆無ですし、危険性の高そうなところには出入りしないようにしています。外食はしょっちゅうしていますが、出来るだけ離れた席に座るようにしていますし危なそうな方がおられたらマスク着用して可及的速やかに退出します。

マスク着用で完全に感染を防ぐことは出来ませんが、可能性を引き下げる事は出来ます。
マスクをしていても罹るのだから、マスクは意味が無いと言うのは、歩道を歩いていても車に引かれる事はあるのだから、歩道を歩いても、車道を歩いても同じだと言っているの同じです。マスクを着用していても、新型コロナに掛かることも、インフルエンザに掛かることもあります。でも、掛かる確率を下げる事は出来ているのです。それが理解できないと言われる方、医療者が完全武装して働いているコロナ病棟にノーマスクで突入してください。マスク着用に意味があるかどうか、実証できるでしょうから。

卒業式に出る当事者は若いので、新型コロナに罹患しても重症化することは殆ど無いでしょう。でも、父兄や教師の皆さまは危ないですよ!

政府は、5月19日から21日に広島で開催される 広島G7サミットに向けて、「マスクを外したNIPPON」をアピールしたいのでしょうねぇ。

その思惑は理解できますが、貴方も、私も、その犠牲になる必要はありません。新型コロナ、まだ正体不明の部分が大きい「薄気味悪い疾患」であることは間違いありません。掛からないに越したことはないです。

オミクロンで弱毒化しているとはいえ、死亡率はインフルエンザよりもまだまだ高いです。もともと「弱っておられる方」が新型コロナに罹患すると、全身状態が悪くなって亡くなってしまう方が多い様です。重症化因子を持っておられる方、何度も言いますが、掛からないように努力を続けてください。ワクチンは3回は接種した方がよさそうです。80歳以上の方、65歳以上で糖尿病、高血圧、心臓病、がんなどをお持ちの方、重症化を阻止できるパキロビッドパックを処方してくれる医療機関を探しておきましょう。掛かってから慌てても、なかなか見つける事は難しいと思っています。事前の対策が重要です!!








発熱難民?

2023-02-09 14:10:13 | 新型コロナウィルス
昨日の話です。
午後診療中に80代の男性が発熱してしんどそうにしているので診てもらえないかという電話をいただいた。
いつもはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)で近くの病院に定期的に通院されているとの事。3日前から37.5℃程度の発熱、咳が続いていて、普段からトイレなどへの移動時には息切れがひどいのだけれど、それが明らかに悪化しているとの事でした。

ご住所を聞くと、医院から1㎞程度の場所なのですが、マイカーは無くて、タクシーで来院したいとの事でした。

以前から何度か問題化したのですが、発熱患者さんがタクシーで来院された場合、「コロナ陽性」と判明したときの帰宅手段が無いのです。

コロナ陽性と分かっているのにタクシーを呼ぶわけにもいきません。非常に近いご自宅まで徒歩で帰宅していただいたこともありますが、坂根医院は「人里離れた」場所にあります。殆どの方の家は遠いです。それに、発熱患者さんを徒歩で帰らせるなんてしたくありませんよね。(COPD+発熱されている呼吸不全の患者さん、1㎞どころか、100mも歩くことは不可能です)

午前中であれば、医院の送迎車(運転席と後部シートの間をビニールシートで遮断してあります)で送るという手もあるのですが、午後診療は送迎しておらず(運転担当者は帰宅)その上、車検の為、代車だったので、感染防護策が全く施されていない車でした。

調べてみると、民間救急車などで新型コロナ患者さんの搬送を請け負ってくれるところも存在はするようですが、転院や退院時など前もって予定された計画的な搬送に使われるようで、急な要請には対応できないことが多い様です。その上高額でした。

来院していただくことが困難であると分かりました。それではどうしようと考えました。結局、「午後診が終わってから、往診に行くしかないでしょう」と、スタッフに促されました。発熱患者さんの往診、「逃げ場がない」ので、あまり好きでは無いのです。

でも、ほかに手段が無いので仕方がありませんでした。
患家に着いて、先ず、新型コロナとインフルエンザの抗原検査をしようと思いました。対応に出て来てくれた奥さんに「患者さん、此処(玄関)まで出て来れますか?」と聞きました。
聞こえていたのでしょう、玄関わきの部屋から、よろよろと患者さんが出て来られました。ハァハァと、息が荒いです。
椅子を持ってきていただいて、座っていただいて、鼻腔に綿棒を突っ込んで抗原検査をしました。インフルエンザ、新型コロナ、いずれも陰性でした。

しかし、酸素飽和度を計ると83%しかありません。ゼロゼロと痰が絡んだお供していたので、背中を軽くたたいて排痰を促したら、86%まで上昇しましたが、それでも良くありません。

新型コロナでも、インフルエンザでも無いと聞いて、奥さんは「ああ、良かった」と、言われたのですが、ちっとも良くない状況でした。

「多分、肺炎だと思います。このままでは良くないので、入院していただきましょう。」
「え、そんなに悪いのですか」
「はい」
「普段の酸素飽和度はどれくらいですか?」
「先月受診したときは91%で、在宅酸素はまだ早いと言われました。」
「そうですか。何とか入院させてもらえると良いのですが。」
通院しておられる病院に電話をし、当直医に現況を伝えました。
そして入院許可をいただきました。新型コロナの検査をして陰性であったと伝えたことで話がスムーズに進んだようです。有難い事でした。

119に電話をして救急車での搬送を依頼しました。
10分足らずで救急隊が到着、搬送を依頼し、患家を後にしました。

医院のスタッフに後押しされて往診して良かったと思いました。
言っていなければ「見殺し」にした事になりかねない状況でした。

自分で動けない発熱患者の来院問題、個人の善意に頼らず、公共のシステムとしての解決策を見つけていただきたいと切に願っております。

移動手段を持たない発熱患者さん、2類から5類になったとしても、何処へも行けない状態に変わりはないと思います。マスコミは、5類になったらすべて解決みたに言っている節もありますが、5類になったらかえって受け入れ先が減るのではないかと危惧しています。
発熱難民、何とかしてあげてください!!!

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-09-18/2020091814_01_1.html