良いニュースです。
厚生労働省は、新型コロナウイルスの軽症と中等症向けの治療に使う点滴薬『抗体カクテル療法』について、外来の患者にも使用を認める方向で調整していることがわかりました。これまでは、入院か医師や看護師を配置した宿泊療養施設に限って投与が認められていました。
抗体カクテル療法が広く使えるようになることは、希望していたことで、これで、入院入所前の患者さん(奈良県では在宅療養はゼロという建前なので、入所調整中、入院調整中なのであって、決して在宅療養中とは認めない)の患者さんに対して、来院していただき、外来での点滴加療が可能となるようだ。しかし、在宅での使用は認められないようだし、実際に在宅で使用するのは困難だと思われます。
発症から7日内の患者さんで、酸素投与が必要となっていない状態の患者さんで重症化が予想される患者さんに対して使用する薬剤です。
外来での使用にしても、患者さんをどうやって来院させ、家に帰すのか、来院された患者をどこで点滴治療するのか、カクテル療法のバイアルには2人分入っていて、開封すると48時間以内に使用しないといけないので、患者さんをペアーで見つけないといけない事。点滴中は勿論、その後24時間、アナフィラキシーに対して注意が必要なこと等、問題は大きく、開業医では扱いきれない可能性が高い。そもそも、緊急事態宣言下ではない地域(奈良県)にはあまり回ってこないという話だし、開業医レベルに配達してくれるのかどうかも甚だ疑問ですしね。
実際には、外来で使用するのではなく、病院または宿泊療養施設で、一泊二日経過を見るのが良い方法だと思っています。それだと2人一組にもしやすいですしね。
外来診療では、実際には非常に使いにくいとは思います。ですが医療者の要望に厚生労働省が耳を傾け、要望を聞き入れようとしてくれていることが分かって嬉しく思っています。何とか今後、軽症の患者さんに広く使って、入院、重症化、死亡を防ぐことが実際にできる様、使いかたのノウハウを蓄積し、ふんだんに使えるようにしていただきたいと思っています。