競泳選手では、北島康介さんの最大のライバルであったアレクサンドル・ダーレオーエンさん(ノルウェー)が2012年4月30日、高地合宿先の米アリゾナ州フラッグスタッフで急死したのが記憶に新しい。26歳だった。 死因はアテローム性冠動脈疾患。普通に言えば動脈硬化による心筋梗塞。ダーレオーエン選手の場合遺伝的要因も強いらしい。
若年アスリートの突然死を回避するために
横浜労災病院循環器科冠疾患集中治療部 野上明彦先生の報告によると
イタリアでは競技スポーツ選手に対し心臓精査を施行していて(約10%が引っかかるそうです)異常を指摘された選手には、プロトコルに従った治療を施行。それにより1981年まで10万人当たりの突然死が3.6人であったのに対し、2004年には0.4人に減少、同年代の一般市民の突然死より低値となったそうです。
色々と例を挙げたので分かっていただけたと思いますが、アスリートの病的突然死は心臓関連死が多く、注意深い検査をすればある程度予防できるようです。まず、此処をしっかり押さえていただいて・・・・新型コロナワクチンが心筋炎を助長するのかどうかは不明ですので、とりあえず、不整脈の既往のある方等は、新型コロナワクチン接種後しばらくの間(2週間程度?)はハードな練習は避けたほうが無難なようです。
激しい運動をする選手に対しては、心臓を中心とする詳細な検査を施行して、異常があればそれに対して組織として計画的な治療に取り組む。それで若い突然死を減らすことが出来る という事だそうです。日本バレーボール協会はしっかり取り組んでおられるようですし、NPBも日本プロサッカーリーグも、日本相撲協会も勿論取り組んでおられるのでしょう。でも、こういう健診って形骸化しやすいので、アスリートの突然死を絶対に避けるという意気込みをもってしっかりと取り組んでいただきたいと思います。コロナワクチンは、現在の所、打つメリットの方が大きいと思われます。今回、オリンピックの関係で、若いアスリートへのコロナワクチン接種が進んだと思いますので、副反応などのデータも多く得られたと思います。
新型コロナワクチンと急性心臓死との関連性は、今後の調査を待つしかないですが、ワクチン接種後、風邪などのウィルス性疾患罹患後の激しい運動は、今のところ何の確証もないですが、2週間程度は避けた方が良いと個人的に思っています。