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命のカウントダウン(健康余命3605日)

トレッキング、カメラ、陶芸、スキー、釣り、カヌー、遊びなら何でも大好き。仕事も好き、時間がない!

暫く禁酒

2021-05-31 22:03:02 | 在宅医療
在宅患者さんの病状が厳しくなって・・・

倦怠感が非常に強く、患者さん、ご家族と話し合って「沈静」治療を選ぶことになりました。

予断を許さない病状なので、暫く、禁酒を余儀なくされそうです。

ほぼ同時に、入院中のある身内の病状も悪化、血圧が50台に落ちて下顎呼吸になっています。危篤状態ですね。

暫くの間、自重した生活を続けざるを得ませんね。禁酒、禁釣行?

遊びに行く計画を立てると、えてしてこんな事になりがちです。

まぁ、何とも致し方ないですね。

バタバタ ロンリーナイト 1

2021-03-15 13:45:48 | 在宅医療
13日土曜日の話です。
家族は、前日から白馬にスキーに行って、私一人取り残されておりました。
愉しそうな様子なので、私も、昼に仕事を終えてから、車で追いかけようかと思っていました
でも、強行スケジュール。土曜午後出発、月曜午前9時までに帰還が必要
片道7時間弱です。

電車で行くと言う手もあったのですが、東海道新幹線で名古屋 松本 経由 でいっても、サンダーバードで金沢、北陸新幹線、大糸線と乗り継いでも、いずれも7,8時間かかります。電車の方が楽ではありますが、何かあった時の対応が困難です。例えば、患者さん急変で呼び戻された時などの・・・

 今回は、その可能性が少しあると感じていましたので、行くなら車でと思っていました。

現地に電話したら、天気が悪いよ、明日も朝は雨が残るかも・・・とのことで、断念しました。
出来る範囲の仕事はしておいたので・・・・ぽっかり時間が空いてしまいました

暇だと・・・・独りだと・・・吞むしかない私です。
それで、夕方から呑み始めたら・・・
携帯が鳴りました。
一か月ほど前から超低空飛行をされていた在宅患者さん、「呼吸をされていないようです。」ご家族から電話を受けた訪問看護師からの電話です。看護師が急行してくれるとの事でした。私は、呑んでしまっているので、急行できません。
既に亡くなっておられる様なので、急ぐ必要は無いと考え、アシスト付き自転車で訪問することにしました。(自転車でも酒気帯び運転は違反ですが・・・)

リモートで死亡診断書を書くのは困難です。24時間以内に診ていれば、法的には可能らしいですが・・・そうであったとしても、やはり現場に行ってご遺体を確認し、これまでのいきさつから病死または自然死あると判断した上で、死亡診断書を作成するのが通常です。

10㎞弱40分ほど掛りました。着いた頃には酔いは飛んでました。死亡を確認させていただいて死亡診断書を書きました。白馬に向けて出発していたら、途中で戻ってくることになったと思います。出発しなくて良かったです。

そこから10㎞弱、再び自転車でひーこら言いながら帰ってきました。

 一人の夜は、長いです。 再び飲み始めたら・・・またもケータイが・・・

 



東京の息子症候群

2021-03-02 18:01:45 | 在宅医療
在宅医療をやっていると、患者さんご本人、主介護者であるご家族たちと、平穏死に向けての柔らかな合意が形成されていると思っているさなかに、東京から帰って来た息子(娘)が、「何やっているんだ、こんなことしていたら母さんが(父さんが)死んでしまうじゃないか!!ちゃんとした病院に入院させて、ちゃんと診てもらえ!!」と、大声で叫ぶ。
これまで築き上げて来た静かな同意(私はこれこそがACPだと思っております。は、見るも無残、木っ端みじんに吹っ飛びます。
 たとえ、ご本人が、自宅で平穏に死を迎えたいと思っておられても、末期ではご本人は意思を伝えられないことが殆どです。仮に、文書に書いておられたとしても、ほとんどの場合、無残にも無視されます。
遠くから帰って来た息子(娘)は、これまで介護・看護に携わってこなかった罪悪感の裏返しなのか、正義感に燃えていることが多く、ご自身の「正しい」意見を何が何でも押し通そうとされます。
 そして、ゆっくりと平穏死に向かっていた患者さんは、たたき起こされ、救急車で大病院に入院、24時間持続点滴、酸素投与、尿路カテーテル挿入、気管挿管され人工呼吸器装着などと言う事にもなりかねません。
 苦痛が無ければ良いのですが・・・お見舞いに行くと、点滴過多で、痰が増えてゼロゼロ言っておられます。せっかく、枯れように逝かれるところだったのに・・・とは思いますが、そんなことは言えません。言っても無視されますしね。

 私は、絶対にそんな目にあいたくないので、家族には「平穏に死なせてくれなかったら化けて出る!!」と言ってあります。入院保険なんて、一切かけておりません。
手術は受けたいと思っています。利益が大きいならば。放射線療法も勧められれば、多分受けるでしょう。化学療法は、その時その時で考えます。疾患やステージによって、メリットデメリットに大きな差異がありそうなので。でも、長期の入院加療は避けたいです。療養の場は、主には在宅にしたいです。

 私は、命の火が消えかけている時に集中的な治療なんて、拷問でしかないと思っています。
 でも、現実にはあるのですよ。子供たちの自己満足のために、親が平穏に死ねない事が。

以下、偉大な諸先生方の文章です。参考にして下さい

東京にいる息子症候群
東北大学病院 緩和医療科  田上 恵太

長尾和宏先生の
子供が平穏死の邪魔をする


カリフォルニアから来た娘
中尾篤典(岡山大学医学部 救命救急・災害医学)

 いずれも少し長くて読み応えありますが、全部が全部面白いです!!

東京から、仙台から、カリフォルニアから、テキサスから、はたまたニューヨークから、都会から帰省してくる子供たちは・・・・いずこでも面倒なのですねぇ!!正義を振りかざす方は・・・いずれにせよ苦手です。
 正義の味方って年代的には月光仮面を思い浮かべますが・・・隣に住んでいたら、絶対に変な人ですよね。白い包帯で全身ぐるぐる巻きにした上にサングラス。 正義の味方は・・・・モンスターなのでしょうねぇ

、時代を先取りして、感染予防に徹しておられたのかもしれませんが・・・

人生会議(ACP)は患者さんの主役の座を守るため!

2021-03-02 11:50:23 | 在宅医療
 在宅医療の対象となる患者さんは、超高齢、脳卒中後遺症、悪性腫瘍や慢性疾患の末期,重症心不全、神経難病(脊損を含む)などで現在の医療では回復が困難な方が殆どです。
 そして、たとえがん末期で予後が1か月も無いと予想される方でも、その方なりの自宅での生活を送っておられます。入院していると、患者さんは 治療の対象物 でしかありませんが、自宅に帰ると主役の座を確保されます。在宅医療は、患者さんが主役でいてほしい医療なのです。

 患者さんの病態は一見安定していても、いずれ病状の悪化は避け得ない。
 往診を開始するにあたり、患者さんのご家族,可能であれば患者さん本人も含めて、この先、病状が悪化した場合どのような対応をするか話し合います。人生の終末期に過度な医療が行われることを避け,穏やかな最期のときを患者さんが迎えるようにしましょうという方向で話が進むことが多いです。(主役の座をいかに守っていただくか、周囲で如何にサポートしていくかを考える場でもあります)
 この言葉では表しにくい雰囲気形成の過程を,終末期医療におけるACP(Advance Care Planning)と言います。
厚生労働省は、ACPを広めようと「人生会議」と言う名前を付け、それを広く知らしめようとして小藪さんを使った下記のポスターを作りました。


私は、厚生労働省の意気込みが伝わる良いポスターだな と、思ったのですが
患者さんの団体や、ご遺族からの猛反発があり、このポスターはボツになりました。配慮が無さすぎるとのことです。インパクトの強さを狙ったので、配慮が無いと捉えられてしまったのでしょうか。
 私は、配慮がないと抗議する方々には「いずれ死にゆくという覚悟がない」と思えてしまいます。時代が経過すれば、いずれ、このポスターに対する評価も変化すると思っています。時代に先行し過ぎたのかもしれませんね。

と、此処まで書いてから・・・・あれ、似たようなことを書いた記憶があるぞ・・と、思ったら・・・・ありました。似たようなこと書いてました。



 でも、今更消したくないし・・・
 ま、重要なことなので2度言いましたよ!!という事にして下さい

新型コロナに感謝?

2021-02-14 17:06:50 | 在宅医療
新型ロナウィルスに初めて感謝したいと思いました。


高点数による個別指導が2020年度から2023年度までの4年間は実施されないと言うのです。私にとっては超ビッグニュースです。早速、在宅医療で連携している関連診療所のメンバーにメールでお知らせしました。
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/hokkaido/iryo_shido/documents/h29-sentei.pdf


個別指導といっても、家庭教師のトライには無関係で・・・厚生労働省が各医療機関に「きちんと保険診療の約束事を守っているかどうか」を確かめるための制度です。

普通は、個別指導に至る前に「集団的個別指導」という言葉自体が自己崩壊していそうな「呼び出し」があります。昨年度レセプト一件当たりの点数が高かった診療機関の責任者が数十人呼び出されます。私も常連だったのですが、行くと在宅医療関連で見慣れた顔の方が多かったです。そこで、近畿厚生局のお役人の有難ーい説法を神妙な顔をして拝聴するわけです。(内容は以下参照。)
https://www.mhlw.go.jp/content/000544888.pdf

「決まりは守らないといけません」 と、言われるのですが、そこに呼び出された医者達は、決まりを守らなかったから呼び出されたのではなくて、レセプト一件当たりの点数が高かったから呼ばれているのです。(在宅医療を熱心に行い、がん末期の方や、神経難病の方を多く見たら、レセプトの点数高くなるに決まっています)

 坂根医院の場合、時代に逆行して、殆ど院内処方ですし、在宅医療の患者さんも比較的多いです(40名程度)そして、高得点の方、即ちがん末期で症状をこまめにコントロールしていたり、神経難病で人工呼吸器、中心静脈栄養などの方も常に数名はおられます。
在宅療養支援診療所というグルーピングで比較されるのですが、在宅療養支援診療所の約3割が年間看取りゼロだと言う報告もあります。当院の年間看取り数は15-20件程度です。レセプトの点数はどうしても高くなってしまいます。

ですから、集団的個別指導には定期的に呼ばれていました。そして、その翌年も点数が高いと個人的に呼び出される個別指導を食らってしまうわけです。それで、これまでは、出来るだけ個別指導を食らわない様に、集団的個別指導の翌年は、点数が高くなりそうな患者さんは心ならずも お断りしたりすることもありました。本末転倒なのですが、個別指導は本当に嫌なものです。

最近、呼び出しが来ないなぁと思っていたら、集団的個別指導自体が中止されていたのですね。
厚生労働省は、これまで在宅医療を推進すると言って、在宅関連のレセプト点数を増やしながら、一方では点数の高い医療機関を抑圧してきました。保険診療の総額抑制のためには、そうせざるを得ない台所事情も分からないでもないのですが、どうしてもレセプト点数の高くなりやすい在宅患者さんを多く抱えている医療機関としては、目の上のたん瘤、一番目障りな制度でした。


 個別指導は、開業医にとって相当なストレスです。過去に、個別指導で「いじめ」にあった医者、歯科医師が何人か自殺されています。
http://toyama-hok.com/kobetusidoujiken/%E8%8B%A5%E3%81%8D%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E3%81%AE%E8%87%AA%E6%AE%BA%E3%81%A8%E7%9C%8C%E5%86%85%E5%8C%BB%E7%99%82%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%9F%E8%A1%9D%E6%92%83


私、これまでに2度、個別指導をいただきました。担当する医師によって、厳しいかそうでないか 相当な開きがあるようです。私は2回、担当者は異なる方でしたが、いずれの会も強い責めはされず、明らかに間違っていた項目の是正を数か所求められただけでした。個別指導では、数百万円の是正申告をさせられることが多いと聞いていますが、当院の場合、2回ともに数万円程度で済みました。
 これまでにはそんなに嫌な思いもしなかった個別指導ですが・・・・・・相当なストレスです。あと2年間は無いと知って、本当に嬉しいです。
 新型コロナウィルス君にちょっとだけですが・・・・感謝!