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命のカウントダウン(健康余命3605日)

トレッキング、カメラ、陶芸、スキー、釣り、カヌー、遊びなら何でも大好き。仕事も好き、時間がない!

柄本佑が在宅医療の在り方を模索する 映画「痛くない死に方」予告編

2021-02-06 01:09:07 | 在宅医療
柄本佑が在宅医療の在り方を模索する 映画「痛くない死に方」予告編

2月20日公開だそうです。関西は3月5日からの公開になるそうです。
映画館は・・・閉所恐怖症の私としては、避けたいですが、仕方がない。N95マスクとゴーグルかけて出かけましょう!!

そして、今日、2月6日TBS系の報道ステーションで、午後5時45分頃より関西在宅医療界のスーパースターであり、上記映画の原作者でもある長尾和弘先生が登場されます。こちらも大いに楽しみにしております。


在宅医療と私

2021-01-14 02:20:34 | 在宅医療
 私は、田舎の内科開業医。引退を考えつつも働くことが好きなのでしょう、何だかんだ言いながら、朝から晩まで働いております。昨日も12時間以上働きました。ワーカホリックなのかもしれませんねぇ。でも、不幸だとは感じていません。ホリック、中毒者だから、喜びの中にいるのかもしれないです。

 診療形態として、一般的な外来診療も普通にしていますが、それ以外で在宅でも患者さんを診ています。一つの会社に勤めながら、時間外にほかの会社でも働いているようなものですね。ダンブルワークですが・・・どちらも雇用主が自分自身なので、おとがめを受ける事はありませんです。ただ、他人よりも忙しいのは確かです。
 
 患者さんが住み慣れた「我が家」で治療・療養することは、在宅医療と呼ばれ、近年重要視されるようになりました。「我が家」は、賃貸のアパートでも高齢者施設でも、その方が「我が家」と感じるところなら、どこでも良いのです。豪邸でも億ションでも、ボロアパートでも大した違いはありません。かえって、ゴミ屋敷の方が我が家感たっぷりなのかもしれないと思うくらいです。

 私は、23年前に開業した当初から、いや開業前の勤務医時代から、在宅医療、特に在宅の末期がん患者さんの医療に携わって来ました。当時、在宅医療と言う言葉も一般的ではなくて、「往診」と呼ばれることが多かったです。
 在宅医療を好きになったのは、「我が家」に帰った患者さんが、入院中とは全く違って、生き生きとされていたからです。目の輝きが違いました。
 入院中は患者Aさんでしかなかった方が、一歩自宅に足を踏み入れた瞬間、自分自身を取り戻されるのです。
 病院内では明らかに上位階級であり、何でも従わざるを得なかった医師や看護師。それが「来客」の一人でしかないのです。
 患者さんは鍵をかけて「入って来るな!」という事も可能です。鍵のかかる病室なんて・・・ないですよね!立場が大逆転するのです。

 主役の大逆転。入院生活と言うのは、それだけ人間性を阻害するものなのです。私は、入院加療は、急性期、不安定機にのみ特別に短期間許される強い人権侵害だと、思っております。

厚生労働省は、在宅医療を推進しています。その理由として、患者さんがそう望まれることが多いからと言っていますが・・・・実のところは・・・在宅医療の方が入院医療よりも安上がりだから と言うのが本音の様です。限られた予算の中で、患者さん満足度の高い医療を目指すのが厚労省の正しい方向性ですから・・・それは間違いなく正しいと思います。ただ、現在のところは、経済性と患者満足度の増大という2つのベクトルが「たまたま」同じ方向を向いているので厚労省は何の迷いもなく在宅医療を促進しているのでしょうが・・・オーダーメイドが大量生産品より安上がりなんて不思議な状態がいつまでも続くとは思われません。いつかご家族や患者本人の我慢に根差している「在宅医療は安上がり」な現状が「オーダーメイドの在宅医療なんて高嶺の花」などという状況に逆転してしまうのではないかと、私は想像しております。(いつになるのかは分かりませんが)私は、そうなっても、個人満足度の高い在宅医療を推し進めるべきだと思っているのであります。


 病んだ人を一か所に集めて治療する入院医療:(大量生産の既製品)ですよねそれよりも、一人一人バラバラのご自宅を訪ねて行って、その人の家庭環境や病状、患者さん個人の好みに合わせて在宅チームで組み上げていく在宅医療:(注文生産のオーダーメイド)の方が安上がりってのが悔しいですけれど・・・何故だか安上がりなようです。安上がりな原因は、患者さんの我慢とか、ご家族の負担にあると思っております。
 そうではあっても、患者さんにとって、ご家族にとって、在宅医療は魅力的であります。主役が医療者ではなく自分たちだから・・・生活を大幅に制限される状況は・・・入院も入獄も・・・大差ないじゃないですか。

 病状が不安定な場合や、手術を要する場合は勿論入院治療が適しています。入院加療を否定しているわけでは決してありません。でも、不安定な状態や術後の急性期を脱して安定した患者さんや、がん末期など、不安定ではあっても、入院しているより住み慣れた自宅で過ごす方が、精神的にも肉体的にも安定が得られるような場合(その方の性格にもよります)在宅での治療という選択肢があった方が良いと考えています。

 その選択肢を残すため、老体に鞭打って、今日も12時間以上労働しました。同情されたくてこんな表現をしておりますが・・・・好きで働いているのです。嫌なら・・・多分、すぐにでも辞めます。やめられないのは・・・なんだかんだ言っても、ありがとうと言われるのが嬉しいのでしょうねぇ ありがとうホリック?????まぁ、死が目の前に来ても、多分後悔はしないと思いっております。負け惜しみかもしれませんが・・・
 もう少しだけ、自由時間は欲しいけれど・・・・マネージメントが下手なのでしょうねぇ・・・・うーむむむ 時間が欲しい!!


家に帰ろう―医師による死に方のガイドブック

2021-01-10 01:51:16 | 在宅医療
家に帰ろう―医師による死に方のガイドブック


先ほど、本年2例目の在宅看取りをして来ました。

人は必ず死にます。貴方も例外ではありません。

貴方はどこで最後の時を過ごしたいですか?

そして、どこまでの救命処置をしてほしいですか?

今から考えておいてください。

正常性バイアス???

誰も、自分が死ぬとは思っていません。

死ぬのは他人ばかりなり なのです

でも、貴方も例外なく必ずいつか死にます

例外はありません。 何処までの処置をしてほしいですか?

殆ど助からないであろうのに、心肺蘇生をしてほしいですか?

今日も、色々と考えました。いつもいろいろ考えさせられます

貴方も必ず・・・いつか死にます

どのように死にたいか・・・・考えてくださいませ!!

貴方が死ななかったら・・・ごめんなさいねと言うでしょうが・・・

必ず死ぬみたいだから・・・・・ そうは言えませんね。

誰か、例外を・・・出してくださいよお!と、強く希望いたします!!






古い動画ですが・・・・こんなことしてきました

2020-12-09 01:11:03 | 在宅医療

ああ、実名出ちゃいましたね。何時までも隠していられないから、しょうがないですね

蛇足ですが、この患者さん、102歳になられた現在、ご健在です!!

それにしても・・・・

あの頃は、頑張っていたなぁ (今も、手を抜いているわけではございませんが)

今は、引退したい思いが強くて・・・仕事を出来るだけセーブしています。何せ66.5歳です。仕事を閉じていく時期だと感じております。

セーブしたいのですが、今シーズンのインフルエンザ予防接種は、これまで最多となって、2,000人を優に超えました。何で増えちゃうのよ!!

何だかんだで、引退は、なかなか出来ないです。事業の継続が約束されない限りは・・・・

上手く継続していただける方に継承していただけたらなあと思って、現在色々と手探りしております。

奈良県中部のレセプト1500枚強の無床診療所です。医師は私1名、看護師は常勤1名、非常勤2名、事務員:常勤2名 非常勤4名 財務状況はトヨタに負けません!!

連携強化型在宅療養支援診療所です。(24時間対応)

在宅医療の継承は絶対条件です。(これがネックかなぁ)

医師免許の無い方からM&Aの話もいただくのですが、医師を雇っての事業継続は・・・・なかなか困難ではないかと思っています。(それが簡単に出来るなら・・・・私がやってますがな!!)
頭が固いのかもしれませんが、医師免許を持っている方にオーナーになってもらわないと、企業の安定性が得られないと思ってしまいます。

倒れるまで働いても良いかな?とは思っておりますが、限りある人生です。(あと20年は無理でしょう)可能であれば、患者さんたちに迷惑を掛けることなく仕事を継続していけたらと考えています。




緊急コール

2020-11-04 00:06:18 | 在宅医療
山から帰って、シャワーを浴びていたら、緊急呼び出しがかかった

1ケ月ほど前から誤嚥性肺炎が良くなったり悪化したりを繰り返していて、全身状態が徐々に悪化していた患者さんの容態が急変したとの電話だった。
昨夜にも、訪問看護から状態が良くない旨の連絡はもらっていた

数年前から経口摂取不良で、週に3日、500mlの点滴を施行したり、経口補助栄養食品の接種などで栄養不良状態を何とか土俵際で食い止めていた印象の患者さんだったが、ここ10日ほどは、るい痩がより著明となり、栄養補助食品の摂取も不能となり、誤嚥性肺炎も合併されたので、点滴を連日として、その中にセフトリアキソンという抗生物質も入れていた。

最期は、急に息が止まって、顔色が急変したとのことだったので、心停止が先に来たのか、痰が詰まったりして呼吸停止が先に来たのか。

ご家族にも覚悟を促していたので、先の日曜と、祝日の本日に子供さんやお孫さんには皆合われていたそうだ。ただ、東京の息子さんが新幹線で東京に向かっているときに息を引き取られたとのことで、其れだけが少しタイミングが悪かったが、致し方なし。

今回も、訪問看護が大活躍してくれて、私の仕事は、要所で顔を見せたり指示をするだけで充分であった。その指示も、訪問看護師の「誘導」に従っている部分が大きい!最近の在宅医療は、訪問看護中心に姿を変えている。ヨーロッパ諸国では全く訪問看護中心に在宅医療は動いていて、医師の出番は少ない。
厚生労働省はそちらに向けて動こうとしているのだが、抵抗勢力がなかなかそれを許さないので、特定の業務に限定して医師の仕事を訪問看護師に許可する様少しずつ切り崩しを図っている。

抵抗勢力とは・・・・勿論、日本医師会である。

私が開業して22年、在宅医療の在り方は様変わりした。いろいろな制度が変わり、在宅医療が推進されてきた。中でも一番の変化は、訪問看護ステーションがその地位を確立してきたことだと感じている。今後も、在宅医療における訪問看護ステーションの地位は、大きなものになっていくと考えている。

訪問看護師の権限を広げ、その地位を向上させ、収入をupしないと、モチベーション上がらずも希望者も増加しないであろう。これからしばらくの間、日本の在宅医療希望者は増加し、在宅死希望者も増加することが予想されている。新型コロナの蔓延で、病院入院患者の面接制限が厳しくなって、一層、在宅で最後の時を過ごしたい方が増えている。

在宅医療を普及させるためには、医師の教育段階での在宅医療へ理解を深めることも必要だと思うが、其れよりも優先すべきは訪問看護師の権限拡張と収入upだと、私は信じている。

私の医院は、医師一人の診療所で、強化型の在宅療養支援診療所であり、在宅患者に対して24時間の対応をしている。山に遊びに行ったりしているのに、それが可能なのは、訪問看護ステーションが患者さんからの電話をまず取ってくれる(ファーストコール)からだ。

今回の場合、もし、私が山にいるときに患者さんが急変したら、どうなったか。
訪問看護師がまず駆け付けて、様子を私に伝達、救急処置が必要なら、救急車で病院に転送してもらうこともあるし、私が駆け付けるまで待てる場合は、待ってもらうことになる。今回の場合は救命処置はしないと決めていたので、たとえ私が数時間後にしか駆け付けられないとしても、待っていただくことになったと思っている。

要するに、訪問看護がしっかりしていたら、医師は殆どテレワークで済んでしまう様にいずれなる。そうなると、在宅医療が当たり前の存在になると思うし、そうならないといけないと思っている。