今日はキャンピングカーには必需品の発電機の話になります。
結構マニアックで細かい内容になりますので、興味のある方のみ見てください。
久し振りに発電機のオイル交換を行った。
その際に防音カバーも古い物に取り換えた。
と言うのはもっと静かに・・・と、一部に仕切りを入れ防音機能を強化した新しいカバーに取り換え少しは静かになったが、発電機を収納している庫内の温度が上がり、長時間連続使用が出来なくなっていました。
写真は古い防音カバーで仕切りは無く、裏側には断熱・吸音材を張り付けています。
丸印で囲んでいるのは、燃焼後の排気を下向きに排出するL型パイプです。
ルーバーは発電機を冷やした後の排熱吐き出し口です。
発電機収納庫の外観はこの様になっています。
外に張り出しているのが防音カバーです。
発電機は大変狭い空間に押し込み、始動・停止の操作は全て室内から出来るようになっています。
その仕組みを写真で説明します。
扉を開けると10リットルの携行ガソリンタクと並んで収納しています。
収納庫の壁は人造大理石で、流し台のシンク部分を切り抜いた際に出る端材をホームセンターで安く入手しました。
防音にうってつけの材料で、内側に吸音シートを張り付けています。
扉には断熱・吸音材を張り付け、ルーバー付きの窓から排気・排熱されます。
発電機の空冷ファンにより押し出された排熱が庫内に還流しないよう、エンジンの排熱吐き出し口にはルーバーにピッタリ合わせた枠を取り付けています。
少しでも庫内に漏れると庫内の温度が上がりますので、ここが大きなポイントになります。
スライド台に乗っかっている発電機を取り外すと庫内はこの様になっています。
一番奥の壁には空気取り入れ口用の穴が二つ。
操作を補助する滑車が4個と4本の紐があり、カラクリ人形操作のように紐で全ての操作を室内から行います。
滑車(1)・(2)はリコイル用で、滑車(1)で90度曲げ、斜め上の滑車(2)に導きます。
滑車(3)・(4)は発電機のスイッチにつなげた紐2本を滑車(3)で上下させ、2個連結している滑車(4)で室内に導きます。
緑色の紐はチョークにつなげ、必要な時に使います。
携行ガソリンタンクからの給油パイプで、発電機内のガソリンが減るとタンク内の気圧が下がり、必然的に携行ガソリンタンクから吸い上げられ、発電機のガソリンタンクに滴り落ちるようになっています。
携行ガソリンタンクの残量が目視できるよに改造しました。
走行時の振動で、スライド台のレールが荷重に耐えられなくて破損します。
その対策としてスライド台の裏側にピッタリ合わせて荷重を受け止め、スライドレールを保護する角材を挟み込みました。
滑りやすくする為、角材には敷居滑りを張り付けています。
防振ゴムを3枚張り合わせ、上の一枚はくり抜き発電機の足を入れ、振動でズレない様にしています。
スライド台に発電機をベルトでしっかり固定しています。
走行中にスライド台が扉を壊し飛び出さないように、金具にピン止めしています。
発電機の始動・停止スイッチを操作する紐2本が、スイッチに取り付けたアームにつながっています。
室内から紐を引くとアームが上に、もう一方の紐は滑車(3)により下に動き、スイッチをコントロールできます。
ONにしてリコイルの紐を室内で勢いよく引っ張れば始動します。
緑の紐はチョークにつながり、始動時に室内から引っ張ります。
紐を放すとバネの力で元に返ります。
内側からはこの様になっています。
リコイルで始動する時はかなりの力が掛かる為、2個の滑車(5)、(6)を通って室内に引き込まれています。
スイッチ用の2本とチョークの紐は負荷がかからない為、黒いホースの中を通して、そのまま室内へ。
室内に引き込まれた4本の紐は、この様になっており、緑の紐はチョークにつながっており、引っ張り取っ手に引っ掛け、始動後は外します。
赤い紐を引くとスイッチON、黒い紐を引くとスイッチOFFになります。
T型の取っ手が付いているのがリコイルで、勢いよく引けば発電機が始動します。
スイッチOFFの紐を軽く引けば発電機は直ちに停止します。
全ての操作が室内から出来る為、大変に重宝しています。
狭い空間にも拘わらず、収納庫の中の温度は大きく変わらず、長時間運転も大丈夫です。
猛暑日に1時間余りテストしました。
スタート時の庫内(OUT)と車内(IN)の温度です。
1時間20分程連続稼働後の温度です。
車内の温度より外気温が高く、外気との差異はもっと小さく、1℃以下と思われます。
過去に7時間連続稼働したことが有りますが、庫内の温度は殆んど変わりませんでした。
周りへの配慮が必要な騒音も大幅に低減されいます。
全ての操作が車内から簡単にでき、大変重宝しています。
以上、細かく述べましたが、参考になれば幸いです。