茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

江戸漢詩選

2009年11月02日 | Weblog
売茶翁の詩を味わいたくても、
漢詩がなかなか読めない・・・
読めても意味がわからない・・・
というレベルの私にありがたき一冊!
この本には、
現代語訳と
丁寧な解説がついています。

全5巻で、
1巻は田能村竹田などの文人
2巻は新井白石などの儒者
3巻は梁川紅蘭などの女流詩人
4巻は吉田松陰などの志士
そして
5巻が売茶翁などの僧門となっています。

漢詩は奈良平安のころからメジャーな日本文学で、
平安時代に「詩」といえば和歌ではなく、
漢詩のことをいったそうです。
江戸から明治にかけて頂点を迎えていて、
知識人はさくっと漢詩を詠んだのです。
漱石、鴎外あたりを最後に、
愛好家のものとなっていったそうです。

5巻に納められているのは他に、
大典顕常(だいてんけんじょう):
 日本で初めて茶経の注釈書『茶経詳説』を著した人。
大潮元晧(たいちょうげんこう):
 大典顕常の詩文の師で売茶翁の法弟。
独菴玄光(どくあんげんこう):
 曹洞宗の学僧。
があって、
売茶翁の茶を煮る姿も詠まれています。

この時代の禅僧の交友関係などがわかってくると、
売茶翁がどんなお茶を使っていたかとか、
道具はどんな物を使っていたのかが、
さらにわかってくるでしょう。
でも私には、
臨済宗、天台宗、曹洞宗、黄檗宗の
違いもよくわからずで・・・
売茶翁の詩の一言一言がわかる日は
いつのことやらです。

『江戸漢詩選5僧門』
注者 末木文美士
   堀川貴司
1996年1月発行
岩波書店
全巻品切重版未定
図書館で探しましょう。

茶坊主様のレポートのお陰様で
すっかり売茶翁がマイブームになってきました。

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