広島市長選挙の感想を書いておきたいが、まだ考えがまとまってない部分もあるから箇条書きにして随時付け加えていきたい。
○低投票率は全国的な傾向で、特に民主党が相乗りした選挙で下がった傾向があるようだ。有権者一般から見ると無風選挙ということだろう。新聞のカープ報道が過熱していたから、というのには賛成しにくい。
○広島人は新しいもの好きの一面もあるが政治に関しては保守的で過去の市長選で現職vs新人の構図になった時は現職の11勝1敗、60年前に一度現職が負けた記録があるだけだ。今回は唐突に出馬を聞いた印象で最初から勝つのは難しい戦いだったと見るのが妥当だろう。
○サンフレ社長がスタジアム建設のために出馬した、と見られてしまったマイナスは大きかったと思う。現職市長は一部の支援者のための政治だというツイートを見かけたが、逆にこちらが一部の人のためにやってるという構図が有権者にはっきりと見えてしまった。4年後を言う人がいるが、サンフレ関係者が立候補したのでは同様に支持は得られにくいと思う。
○情報不足や無関心が敗因と言う人がいるが、結果は三倍以上の大差で投票率が上がっていたとしても差が縮まったかどうか疑わしい。あの場所にスタジアムを作ることに反対の人が多数いる可能性を考えてみないといけない。この点において新聞報道の影響があったというのはその通りだろう。しかし、財政難、箱物に反対、野球の聖地などの理由で元々反対の人も少なからずいたように思われる。
○私の地元安佐北区では、安佐市民病院の移転問題でこやのんを支援する人が多数いるように見受けられた。しかし、結果は20パーセント弱の平均的な得票率だった。このような政策を掲げても票にならないということなのか、高齢化が進んでいて全体ではチャラになってしまったのか、そこはよくわからない。
○ネット選挙については、身内でRTが回ってるだけで、さしたる影響力はなかったように思う。不必要に刺激して逆の票を掘り起こしてしまうのではないかというツイートも見かけたが、これも大きく響いたということはないだろう。しかし、サポーターというものは実に狭い世界に生きていて、視野もせいぜい相手ゴール裏まで100メートル余りしか持っていないと思い知らされた。
○三宅雪子氏のツイートで、最近の選挙は消極的支持で決まるとあった。現職市長も争点をぼかして失点しなければ勝てるという戦術だった。市議選でもこの傾向は強くて、候補者の考え方を知るのに苦労した。低投票率の傾向ともリンクしていると思う。これを批判するのは簡単だが、もし首長選挙で政党の推薦がない新人が勝とうとするならば、知名度や人気が抜群の候補者を用意しないといけないということだろう。
○2年前、市長の2位でいい発言がサンフレ社員を通じて伝えられたあたりから、主戦論になったのだろうか。もし妥協点を探るということならば、あれは外に出てこなかったはずだ。それはもはや言っても仕方ないことだが、これからも全面対決で行くのだろうか。こやのんは当初社長を続けるつもりだったと聞く。それならば選挙で敗れたあとの次の一手も用意していたと思うのだが。それとも、選挙は最終手段だったのだろうか。
○ツイッターでは選挙後も球場跡地のスタンド撤去や空港代替の問題で市長批判を繰り返しているサポーターがいて、それはその通りなのかもしれないけれど、まず必要なのは選挙の総括。投票に行かなかった人が悪いと言っていたのでは、それこそ変わらないだろう。私などはもう、そういうツイートを見るのもうんざりである。
○以上のことから、4年後も選挙で戦うのには賛成しない。もちろんスタジアムを諦める必要はない。しかし、どうしてもあの場所でなければならないとも思わない。一番アクセスの良い場所はお年寄りに譲る、ぐらいの気持ちがあった方がいい。ただ、どこに作っても騒音、渋滞など迷惑施設なのかもしれない。お願いする立場であることを忘れずに行動したい。身内向けのパフォーマンスは全く意味がない。勇なれどもわざわざ敵を増やすような言動は慎みたいものだ。