阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

釈迢空 大つごもり 六首

2019-12-31 12:50:35 | ちょこっと文学鑑賞
一年の終わりがエラーなのも面白くないので、釈迢空「海やまのあひだ」から大つごもりの歌を引用して、2019年の締めくくりとしたい。


            大つごもり

 この霜にいで來ることか。 大みそか 砂風かぶる。 阪のかしらに

 乾鮭(カラサケ)のさがり しみゝに暗き軒 錢よみわたし、 大みそかなる

 病む母も、 明日は雑煮の座になほる 下ゑましさに、 臥(ネ)ておはすらむ

 この部屋に、 日ねもすあたる日の光り 大つごもりを、 とすれば まどろむ

 屋向かひの岩崎の門に、 大かど松たつるさわぎを見おろす。 われは

 鱈の魚 おもおも持ちて來る女の、 片手の菊は、 雨に濡れたり


一首目がわかりにくいのだけど、ここで悩んでいたら年が明けてしまうので引用に留めよう。最近ツイッターに、折口信夫は都会で生まれ育ったという点で、柳田国男とは違う視点を持っているという話が流れてきた。そういえば「昭和職人歌」なども、そういう傾向があるのかもしれない。一首引用しておこう。


  ゑいとれす

  くちびるに、
  色ある酒も 冷えにけり。
   頬(ホ)にまさぐれば、
    髪の みじかさ


さらにここから引用したら新年を迎えるのにふさわしくない事になりそうなのでこの辺で終わりとしたい。 それでは、みなさんよいお年を。


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