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新☆歴史模擬授業 第11回 市民革命4ーフランス革命

2011年10月18日 00時23分34秒 | 歴史☆模擬授業

新☆歴史模擬授業 第11回フランス革命です。

詳細はこちらの前の記事(ご注意)をご覧ください。

*わかりやすく解説したいので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

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キンコーンカンコーン

「さて,今日は,市民革命の中でも,ヨーロッパ中に大きな影響を与えたフランス革命を行いましょう。」

「はい!フランス革命っていう名称ということは,フランスでおきたんだね!わかりやすい。」

「そうだね。まんまだもんね。ただ,このフランス革命は,突き詰めていくと,すーっごく複雑!」

「ほえー。」

「ただ,中学では,サラッと経過を習うだけだから,ある程度の流れが分かればいいよ。

高校で詳しく習うのでお楽しみに!」

「はい。」

 

「では,フランス革命がおこるからのフランスの状況から見ていきましょう。

 第7回で絶対王政を習ったのを覚えているよね。

そこでフランスの絶対王政が頂点に達したころのフランス国王って誰だっけ?」

「えーと・・・ルイ14世だったよね。」

「そうそう!よく覚えているね。」

「ルイ14世は,ヴェルサイユ宮殿という,すっごく豪華で広大な建物をつくったんだよね!」

「そうそう!

このように隆盛を極めたルイ14世のころは,国王は強くて,議会も開かず,という状態だったんだよね。」

「国王中心なんだよね。」

「それに,陰りが 見え始め,フランス革命がおこるのが,ルイ14世から2代あとの,ルイ16世のとき。」

「またしてもルイさん。」

「ルイ16世の治世のころ,18世紀ごろになると,

生まれで人々の権利や地位が決まるような身分制度はおかしいのでは

という考えがフランスで広まったんだよね。

もう,このころは,イギリスで清教徒革命・名誉革命,

アメリカでアメリカ独立戦争がおこった後なので,ある程度,理解はできるかな?」

「市民革命,民主主義の風潮がフランスでもおきたんだ,と思えばいいね。」

「そうね。でも,いくら他国で民主主義の風潮があっても,

それでもフランス自体が豊かで,日々の暮らしが充実していればよかった。

しかし,そうではなかったんだよね。

あいつぐ戦争などに参加してきたフランスの国家財政は厳しく,

しかし,それでも特権階級である王室・貴族は,それをあまりかえりみないような贅沢な生活をしていた。

豪華な食べ物に,服に,パーティーなどしてさ。

フランスの一般庶民は,毎日食べるものがなくて,苦しい思いをしていたのにだよ。

(世間一般に言われる,王室・貴族の贅沢ぶりは,当時&後世に誇張された部分はありますが・・)」

「えー!一般庶民は生きるか死ぬか,という瀬戸際なのに,貴族たちは自分たちだけで楽しんでいたんだ。」

「フランスには,(王室の人々を除く)3つの身分がありました。

そのうち2つは,第一身分・第二身分という,特権階級で税金を払わなくて良い身分。

第一身分聖職者第二身分貴族。」

「聖職者の方が第一身分なんだ。聖職者って,宗教に従事する人だよね。

フランスの宗教は,えーとキリスト教?」

「そう,キリスト教だね。今とは価値観が違うから,あれ?って思うかもしれないけど,

当時は貴族より聖職者が上でした。(実際に貴族の1部が聖職者になっています。)

そして,特権階級でない第三身分平民です。つまり一般庶民。

平民だけが税金を払う義務があったの。」

「え?つまり,聖職者・貴族たちは税金も払わず,贅沢三昧?

自分たちのご飯や服は国民の税金から払われているのに?」

「だから,平民からしたら,それはおかしんじゃん!と思うようになったのよ。」

「あ,そっか。」

平民たちが不満が爆発しそうな状態,しかも国家財政は悪い,

そこで税金を特権階級も出すようにしようとした王室の動きに

に反発するような人々(聖職者・貴族たちの1部)も出てきたりと,

フランスは大変な状態になったので,一度,3つの身分で話し合おうじゃないか!ということで,

三部会という会議を開くことにしました。」

「三部会・・。3つの身分で集まるから,三部なのかな?」

「しかし,この三部会フランスの歴史を大きく変えることとなる。」

「ほえ?」

「三部会を開いて,みんなで話し合おう!というのは良いように聞こえるよね。

しかし,実際には不平等極まりない会議だった。

今だったら,会議というと多数決を取るよね。その際って1人1票だよね。」

「うん。それが普通だよね。」

「そうすると,人数が多い身分の票が,その議会の決定になる。

当時,一番人口が多いのは平民。」

「あ,じゃあ,1人1票だったら,平民になるじゃん。」

「だよね。しかし,三部会はそうじゃない。

各身分で話しあって,その身分で1つの票とするの。

つまり,第一身分(聖職者)で1票・第二身分(貴族)で1票,第三身分(平民)で1票,とね。」

「えー!」

「そうなるとさ,自然に,どの身分が有利?」

「第一身分(聖職者)・第二身分(貴族)は同じ特権階級だから,たいがい同じ意見になるよね。

・・となると,毎回,2対1で,第一・二身分の特権階級の意見が三部会の決定になる?」

「そういうこと!」

「ひどい!つまり,平民はいつもハバにされる!言うこと聞いてもらえない!それはおかしい!」

「だよね。そこで,当時の平民もそう思い,怒りが爆発した。

三部会なんて本当の議会ではない!おれたちが正しい議会をつくってやる!と言い,

あたらしく,議会をつくって対抗していきます。

(その中には民主主義を目指す,一部の貴族たちも仲間に入っています。)

しかし,国王はその議会を弾圧してしまいます。」

「そりゃ,国王からしたら,彼らの動きは困るものね。」

「ほえー!」

「そして,ついに,1789年フランス革命がおきます。」

「年号わかりやす!百の位から7・8・9と連番になってる!」

「フランス革命のきっかけは,以前から王室の浪費や貴族たちの特権に対して不満を持っていた

パリの民衆たちが国王の議会弾圧におこり,バスティーユ牢獄を襲撃したことでした

その牢獄には,当時のフランス国家に反対した人々,つまり特権階級を批判したような人々が

投獄されていたところだったら,彼らを解放することは民主主義の第一歩だということ,また

そこに武器があると思われていたためです。平民たちは武器なんて高級なもの持ってないから。」

「そうか・・。」

「バスティーユ牢獄襲撃後は,民衆の勢いは止まらず。ついにそれまでの身分制度を打ち壊し,

市民を中心とした,自由で平等な社会を作り始めました!」

「まさに市民革命だね。」

「民主主義の根本には,自由・平等の権利がある。

その権利を,フランス国民(市民)は

勝ち取ったわけです。貴族も王もおらず,すべてみんなフランスの1国民(市民)なんだ!とね。

そして,その革命の中で,「人権宣言」を発表し,個人の権利や

市民による社会の政治を行うにあたっての重要な原則などを示しました。」

「ほえー。」

「フランス革命はかなり,過激でした。

国王を処刑,王妃を処刑,貴族たちを多数処刑し,膨大な人々が殺されていきます。」

「え・・。」

「「平等」の精神を突き進め過ぎたのよね。

「国王」「貴族」その存在そのものが「平等」と同時に存在してはならず,罪の身分だ,

だから,その存在そのものを消す必要がある・・とね。」

「うーん,理想主義すぎたんだ・・。」

「理想を追い求めるのは悪くはないけれど,やりすぎは悲劇がおこる。

理想というのは,ある意味,他者の排出だから・・。」

「そうだよね・・。」

「そのフランス革命のやり方には,他のヨーロッパの国々からも批判が出た。

他のヨーロッパの国々は,ほとんど王国(帝国)で,特権階級によって国が動かされていたから,

自分の国でもフランス革命のようなことがおきたら,自分たちがいつ自国民に殺されるかわからない。

たとえ,死から逃れたって,それまでのような生活ができるわけではない。」

「そうだよね・・。」

「そこで,「フランス革命は間違いだった!」と証明させなければならない,

だから,フランスを攻撃し,以前のような体制に戻そうと,ヨーロッパの国々は考え始めた。

イギリス・ドイツ(当時はプロイセン)・オーストリア・ロシアなどね。

しかも,

オーストリアは,処刑されたフランス王妃(マリー・アントワネット)の出身地だから

(長年,フランス・オーストリアは敵対関係にあったが,プロイセンの台頭により,

両国は手を結んだ。その証が,フランス(ルイ16世)とオーストリア(マリー・アントワネット)の婚姻だった。)

(オーストリアがフランスに攻撃を仕掛けたのは,王室の処刑の前からである。)」

「マリー・アントワネットは聞いたことがある!」

「マンガ・映画などでもよく取り上げられるから,知っている人も多いよね!」

 

「では話を戻すね。

イギリス・ドイツ(プロイセン)・オーストリア・ロシアなどのヨーロッパ列強とフランスは

戦争で戦うが,なかなか勝てない。

だんだんと,「自分たちのおこした革命は,実は間違いだったのでは?」と自信を失う人々が出てくる。

また,フランス国内でも政権争いがおこる。」

「清教徒革命と似ているね。トップ(国王)を処刑して,だれがまとめていくかわからなくなったんだ。」

「・・ということは,クロムウェルのような独裁者がフランスでも登場する?」

「お!歴史的法則がだいぶわかってきたみたいだね!」

「えへへ~。」

「そうなんです。フランス革命でも独裁者が誕生します。

 

 

相次ぐ戦争の惨敗で自信を失っていたフランス国民。しかし,そんなある日,

フランスが勝利した!という朗報が入ってきます。その勝利に導いた人物というのが,

ナポレオン・ボナパルト(以後,ナポレオン)という人物。」

「ナポレオン!聞いたことある!」

ナポレオンは次々と戦いに勝利します。

そして,当時,不安定ですぐ交代ばかりしていた政権を

倒し(クーデター)をおこし,政権を握ります。」

「ほえー!」

「でも,まあ,ここまでは良かった。」

「そうなの?」

「うん,別に独裁そのものがすべて悪いわけではないから。

そのころまでのナポレオンは,フランス革命の民主主義精神に基づいた政治を行い,

今まで続く法律や制度を確立したり,いろんなところの整備をしたりしたからね。」

「そうだったんだ・・。」

「当時のフランス国民にとって,ナポレオンはなくてはならない存在になった。

もし彼がいなくなったら,また国内は不安定になるし,

またヨーロッパ列強が戦争を仕掛けてきたら,今度こそつぶされるかもしれない・・とね。」

「ナポレオンは,フランスの英雄になんだね。」

「そこで,一生ナポレオンに政治についてもらおう!ということで,

ナポレオンに「皇帝」になってもらうことになりました。」

「へ?皇帝?・・ということは,王様のような身分制度が復活したってことだよね?

それって民主主義に反しない?」

「だよね。そこが,フランス革命のややしいところ。

 

 皇帝と国王というのは同じものだと思われがちだけど,実は違うんだ。

ここでは,簡単な違いを説明します。(厳密に言うと,違う点もありますのでそこはご勘弁を)

まず,「皇帝」は選挙で決めます,

「国王」は指名制というか,国王の子供や孫などが継ぎます。」

「あ,ということは「皇帝」には,血がつながってなくても誰でもなることはできるんだ!」

「そういうことです。(実際には,血族が継ぐという形が多いですが・・)」

「じゃあ,民主主義精神と,完全に相反するわけではないんだね。」

「そうそう!

あと,「皇帝」というのは,「国王」を束ねる,つまり,「国王」をまとめる役割がありました。」

「つまり,国王より皇帝の方が地位が上ってこと?」

「そういうこと。当時,ナポレオンは次々に戦争に勝ち,スペインやイタリア(の1部)などをフランスの領土に

していたの。そこで,その国を束ねる「皇帝」という地位に就くには,都合が良いんだよね。

フランス革命を正しいと言う皇帝がヨーロッパのそれぞれの王国の頂点に立っているぞ!ということで。」

「ほえー。皇帝にはそういう意図が・・。」

「ナポレオンは実際に支配した国,戦争で戦った国にフランス革命の精神(民主主義精神)を伝えます。

それで,後に,ヨーロッパの色々な地域で革命や民主主義改革が行われたの。

だから,フランス革命はフランス国内だけでなくヨーロッパに大きな影響を与えたと言われるの。」

「ほえー。」

「しかし,ナポレオン皇帝(ナポレオン1世)はやりすぎた。

相次ぐ戦争をおこし,国民はだんだんと疲れてくるし,やりすぎた独裁も目立つようになってきた。

しかし,ナポレオンが戦争に勝ち続けている間はまだよかった。

そんなときに,ロシアに遠征したナポレオンは,失敗をし,多大な損害を出してしまう。」

「ほえー。」

「そのロシア遠征の失敗を機に,ナポレオンの転落は始まり,

ついに,フランス革命をつぶそうとしていたヨーロッパの国々に負けてしまう。

そして,ナポレオンは皇帝を退位し,またフランスは王政に戻ってしまうの。」

「フランス革命精神を守ってくれたナポレオンがいなくなってしまったので,また王政になってしまったんだ・・。」

「あああ。」

「その後,フランスは,また革命(七月革命・二月革命)をおこし,

民主主義の国に近づいていきますが,それはまた高校でね。」

「はい。」

 

 

「このように,フランス革命は,イギリスの革命よりも民主主義の政治を徹底させる形の基礎をつくりあげ,

一時はその精神は失われたものの,ヨーロッパにその精神を残し,

現代のように,みんなが主役の民主政治が実現できるんだよ!ということを証明してくれたのでした。

 

テストでは,フランス革命・バスティーユ牢獄襲撃・人権宣言・ナポレオン・皇帝,という言葉が出てくる

だけかな?

では,今日はここまで!起立・礼!」

「ありがとうごうざいました。」

 

キンコーンカンコーン

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わかりやすく解説したいので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

 

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