足元の一歩から
小さなことからコツコツと…がモットーのはずなのですが,実際の毎日は?




昨日(7/31)の読売新聞(くらし・健康・医療)に虫歯に関する記事が出ていました。「削らず詰めず塗って待つ」=抗菌剤で虫歯治療というタイトルです。さらには「歯科界の常識を一新」「重度でも9割以上回復」といううたい文句が・・・

この記事を読んだあとに調べてわかったのですが,「読売オンライン」のほうではさらに早い7/11付けでこの記事をアップしているようです。

これをお読みになった一般の方がどのような印象を持たれるのか興味があるのですが,この方法自体は1990年頃から歯科雑誌などに紹介されている方法で,それほど新しい方法でもないと思います。ただ,歯科で「虫歯」に処方する事が認められていない抗生物質を用いた治療法なので,あまり普及していないのかもしれません。

発表されて10年以上経過しているのになぜ今頃こんなに新聞で取り上げられるのか少々不思議です。
この治療法自体は悪くない治療法ですが,記事の中に「歯科界の常識を・・・」とか「重度でも9割以上・・・」という書き方には疑問を覚えます。これを読んだ印象では「どんな虫歯も削らず治るんだ!」と思ってしまいそうです。しかし実際にはそうではないと思うのですが・・・

以前,歯周病でも「歯周病の原因はカビだった」という記事を朝日新聞が掲載してかなり物議を醸した事があります。この件に関しては日本歯周病学会が否定的コメントを出したり,数年に渡っていろいろありました。しかし,今でも「カビ」説を唱える先生はいらっしゃるようです(^^ゞ。

さあ,今回のこの記事はどのような反響を呼ぶでしょうか?「カビ」と違うのは全くでたらめの治療法が紹介されているわけではないのでまだ良いのですが,少々誤解を与えかねない書き方や,最新のトピックスでもないのにこの時期に掲載されたことに疑問を持ちました。

今日のところは私の歯科医院で「記事を読んだ」という患者様はいらっしゃいませんでしたが・・・

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