「一日一軒のペースで歯科医院が廃院に追い込まれている…」
確か先週の金曜日でしたか,朝の某報道バラエティー番組で「歯科医院の光と陰」という私たちにとっては興味深いタイトルの特集をやっておりました。
この特集によれば全国の歯科医院数は67000軒ちょっと。コンビニの数が44000軒程度らしいので,コンビニのほぼ1.5倍の医院数があることになります。確かにどこに行っても歯科医院は至る所に目につきますね。その歯科医院がつぎつぎと廃院しているというのです。
しかし,「一日一軒」というのはすごいなあと思い,厚生労働省の出している医療施設(動態)調査を調べてみました。すると,なんと平成18年度歯科医院の年間廃院数は1486軒 その前数年もほぼ同じかそれ以上の数字です。
この数字ですと一日一軒どころか一日四軒ペースです。(ちなみに開設数は2000軒を超えていますので,やはりまだ増え続けているんですね。。。)
TVの報道がなぜ「一日一軒」とサブタイトルを付けたのか根拠はちょっとわかりませんでしたが(TVの途中で話があったのかもしれませんが),思っていた以上に動向が激しいのに驚きました。
廃院の理由は様々でしょうけれど,経営が成り立たなくなってやむなく閉める歯科医院も本当に多いようです。TVでは歯科医師に「経営者」としての感覚がないことを理由の一つとして挙げていました。
自由競争は歯科医療業界だけでなくどこの世界も同じ訳ですから,甘えたことを言うつもりはありません。けれど「医療」従事者があまりにコスト重視や利益偏重に走ってしまうと良くない結果を招くことになりかねないと思います。(先のインプラント使い回し事件などはそのあたりに原因の一端があるのかもしれませんし…)
コストのことを気にせず,患者様に最良の医療を提供できる環境があれば一番なのでしょうが,それはなかなか難しい条件です。
ただ,難しいことであっても「誠意」という本当に基本中の基本の事を忘れなければ,まだまだ自分の歯科医院を必要としてくれる方もいらっしゃる。。。。また,全国レベルいや極論でいうと世界レベルでみれば「歯科医師」が必要とされている場はたくさんあると思うんですよね。
私は偶然に偶然が重なって今の歯科医院を引き継ぐことになったわけですが,もし本当に歯科医師が治療すべき病気の数が減って医師数が過剰になっているのであれば,歯科医は本来「喜んで」転職の道を探さなければいけないのでしょう
TVの特集をみて,そんな理想論や別のこともあれこれ頭の中に巡らせながらこの日記を書いたのですが,書きながらも実際の自分の毎日を振り返って反省することもしきりです。
新規の患者様が来院されれば嬉しいし,患者様の来院数が減ってくると「何か不適切な部分があるのだろうか」と悩みます。結局,目の前の「経営」の部分を気にせざる得ない自分がいるわけですね。
(もちろん,患者様の病気が治って嬉しいという本来の満足感ももちろん感じてはいますけれど…)
ホームページにしてもそうです。
うちの歯科医院もホームページを作っています。
では,そのホームページは何を目的にしたページなの?
と聞かれたとき,少し返答を考えてしまいます。
決して宣伝がしたいわけではないんです。歯科医院を選んでもらう際,どんな歯科医がどんな考えでやっている歯科医院なのか。。。それが少しでもわかるようにしたいと思って始めました。(その延長上にこのブログもあったのですけどね)
最近よくかかってくる電話が「お宅のホームページ,検索エンジンでは上位に引っかかってきませんよ。SEO対策をしませんか?」の案内です。
確かに情報発信をしたくてホームページを作成している訳なんですが,いろいろ細工をしてまで検索サイトで上位に表示させ,閲覧数や来院数を増やしたいわけではないんです。どちらかというと控えめに,それでいて客観的な情報を提供でき,必要な方の目にとまるような場所にしたい。そんな思いで作成しているのですが,キーワードで全く引っかからないのもちょっと問題かも…難しいところです。
そんなホームページなんですが,それでも「ホームページをみて来院しました。」と言われる患者様がちらほらといらっしゃるから不思議です。。。
どこから巡られてたどり着いたのか,この方が運命的な出会いなのかもしれませんね(笑)。
ですからホームページ作成に関するプロの方の関与は今のところ丁重にお断りをさせてもらっています。
話が横道にそれてしまいましたが,まだ必要とされている間は頑張って今のスタイルで歯科医を続けようと思っています。
いろいろ考えさせられたニュースでした。
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