ホリスティックライフ in 世田谷

都会の中の田舎に住み、ウキウキ、ワクワク楽しく暮らす。
キーワードは、ホリスティックライフ。

チャールズ・R・ジェンキンス『告白』(角川書店)

2006-04-17 14:38:59 | 最近読んだ本
なんで今ごろ?
そう、去年の秋、図書館で予約を入れて、ずーーーっと待たされて
やっと順番が回ってきたんです。
出版された当時、書店で立ち読みはしていました。
が、まあ、のんびり待てばいいと。
予約をした時点ですでに100人以上の予約が入っていたと記憶しています。
とにかく3ケタの数字でした。

さて、読んでみると、いかに数奇な運命をたどってきたかがよく分かります。
アメリカ軍の兵士として韓国に滞在中、脱走。
脱走したつもりだったのが、北朝鮮から出られない状態になってしまった。
常に「指導員」がついて、つまりは監視されている。
自由というものがない。下手な発言もできない。
何か一つ間違っただけでも、死に直面しかねない。
死を考えたことは一度や二度ではない。

40年という長い間暮らしてきて、まさか日本で暮らすチャンスが
訪れようとは夢にも思わなかったそうです。
そのチャンスがめぐってきて、とにかく娘たちのために
北朝鮮を脱出しなければ、と決心。
娘たちは、あのままあちらにいれば、
間違いなく工作員にされてしまうことが分かっていました。

妻である曽我ひとみさんの存在の大きさもしっかり伝わってきました。
北朝鮮を出ることに最初は半信半疑だった彼を説得。
「これはあなたのため。今出なければ、一生お母さんに会えないわよ」
と言ったそうです。
実際、アメリカに里帰りすることができて、本当に感動したようです。

5人の拉致被害者が帰国したときから、ひとみさんの複雑な立場が気になっていました。
その後、家族が無事日本に来るまで、どんな気持ちで過ごしていたのか。
必ず家族と一緒に日本で暮らす、という固い決心が実を結んでよかったです。
本当に数奇な人生、その中で本当の強さが身についていったのでしょう。
お母さんの消息はまだ不明のままで、相変わらず気になるところですが、
まずは佐渡でお二人、のんびりハッピーに暮らしているようで。

久しぶりに、1日で一気に読めた本、でした。
コメント
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