まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「逃げるな」大野勝彦

2020-07-23 12:05:17 | 読書のすすめ
今日の群馬は朝から雨。
気温は低いのでしょうけれども
蒸し暑く感じます。

さて 大野勝彦の詩画集「逃げるな」を読みました。


Amazonアフェリエイトでは出てきませんね。
「はい、わかりました。」だけ出てきました。

大野さんは 熊本県の詩人 画家です。

1989年 農業作業中の事故により両手を切断。
以来 両手に義手をつけて活動されています。

「逃げるな」の中でも 
事故当時 絶望と混乱の中
苦しまれた様子が書かれています。

「母にアタリ 子供にアタリ 看護師さんにわめき
いっこうに変化は見られないどうしようもない奴であった。
そこで最後の試験が用意された   それが
「あと一週間の命であった」」

大野さんは 余命一週間を告げられると
こんな体で生きていていても面白い事もないが自分では死ねない。
来るなら来い!
と待つが 最後の日の夜中十二時に涙した。

「ごめんなさい、神様こんな男ですが
あと一日 命いただけませんか
明日みんなにありがとうを言いたいです。」
その日を生きることを許可された大野さんは
もう一日生きたいこと。
翌日の夜も精一杯生きること。
明日またありがとうを伝えることを祈った。

そのありがとうの蓄積が 
大野さんの作品集である。
そして 現在は
熊本に風が丘美術館がある。

『逃げるな、お前が逃げるのに困らぬように足は二本残しておいた さあどうする』
龍神に言われたこの言葉の絵が表紙となっています。


私自身は 辛い時期もあり
体を壊したこともあり
あちこちポンコツだが
とりあえ 元気で
二本の腕と足はある。

もし この両手が失われたら
あらゆるものに感謝して
前向きに一日一日を生きていくことなんて出来るだろうか。
考えただけで怖い。足がすくむ。

大野さんは 全てのものに感謝することで
全てのものを許しているように感じる。

「許すことは待つこと
腹が立ったことも待ってることも忘れる
それが許すことかもしれない
そんなこと出来ない人は
大いに腹をたてて怒って暮らせばいい
ただ自分が許してもらっているなどと気づいてはならん」

「転んだ理由考えるひまがあったら
起き上がるみち考えることじゃ」
と言っているのは 達磨さま?
それとも大野さんご自身?

たくさんの絵と詩が詰まった「逃げるな」。
おすすめです。

大野さんをご紹介くださったアキさん。
本当にありがとうございました。

九州は未踏の地ですが
いつかいろいろなことが収まったら
行きたい所に 
風の丘美術館が加わりました。

また 所蔵していないこの本を相互貸借で借りてくださった
最寄りの図書館さんに感謝致します。

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コメント (4)
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