まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「猫除け」輪渡颯介

2013-11-19 21:36:40 | 読書のすすめ
今日も寒かったですね。
皆さま 風邪など引いておられませんか?

さて 輪渡颯介の「猫除け」を読みました。

猫除け 古道具屋 皆塵堂
輪渡 颯介
講談社


以前 ご紹介した『古道具屋 皆塵堂 』シリーズ第二巻です。

江戸で古道具屋を営む伊平次。
のんびりした物事にこだわらない性格だが 
店の切り盛りは小僧の峰吉に任せて すきあらば「買い付け」と称して釣りに出かけようとする。

そんな伊平次のもとには 曰くつきの古道具がつぎつぎとやってくる。
第一巻の「古道具屋 皆塵堂」では
子供のころから幽霊が見えすぎる銀杏屋の跡取り息子太一郎が修行にやってきて苦労していた。

そして第二巻 「猫除け」。
あまりの不幸に見舞われ 行き場も失った庄三郎。
不幸が連続する中 本人はいたって真面目に一生懸命にやっているのに 
それが報われるどころか 長い間だまされた上に悪人呼ばわりされ故郷まで失うはめになる。
そんな伊平次は 逃げ込んだ寺の中で 丑の刻参りをする女に遭遇。
しかし 毎夜どこからともなくやってくるその女は幽霊だった。
 
身も心も擦り切れた庄三郎が いっそ自分をだました相手を呪ってやろうと 
「丑の刻まいり」セット?を買いに皆塵堂へやってくる。
なんでもあるか皆塵堂には 何故だか「丑の刻参り」セットもあり 庄三郎はそれを買うが・・・


今回 皆塵堂で 怖い思いをするのは 不幸の連続なのに人のいい庄三郎である。
「丑の刻参り」
「呪いのかかった掛け軸」
「柄鏡と鏡台」
「大八車」
「猫除け根付け」

前作で 毎回泣きそうになりながら幽霊を見ていた太一郎は 立派な若旦那になり
今回は 曰くつきの品を見に来させられては ずばずばその曰くを言い当てる。
・・・て いうか 見えてしまうというべきか。

伊平次の大家の清左衛門がいう。
『本当に相手を見返すには、まず庄三郎自身が幸せになることだと儂は思うがね。
 世の中には多くの人がいるんだから、中には録でもない奴がいるのは事実だし、
 たとえ悪人じゃなくても馬が合わない、気に入らない奴がいるのは仕方のないことだ。
 そんな連中にいつまでも心を囚われて、
 自分で自分の身を縮めるのは間違っている。』

そう 思いますね。
もし馬が合わない人がいても 
「ああ そういう人なんだな。」
と思って深く考えないほうがいい。

「気が合わない。苦手。」=>「嫌い」=>「顔を見るのも嫌。」
になったとき 疲れるのも傷つき続けるのも 自分の方です。
そんな相手 少しでも少ない方がいい。

あとちょっとぎょっとしたのは 死にたいと願っている庄三郎の前で 庄三郎を睨んでいる幽霊。
これは ちょっと真剣に怖いです。

さて 今回も おどろおどろしいですが 前作と続いて不思議と後味は悪くないです。
マイペースな伊平次 生意気だけど働き者の峰吉 一皮むけた太一郎 
太一郎の幼馴染で猫好きな巳之介 好々爺の清左衛門。

怖いものが苦手な私でも 毎回それなりに決着がつくので なんとか読めます。
怖いですけれども・・・・

お勧めです。
ぜひ ご一読を!

いがぐりおは 幽霊大丈夫?
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