今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

女騎手 蓮見恭子 2012年5月25日 角川書店

2016-02-13 10:19:18 | ミステリー
九月、阪神競馬場。レース中に一頭の馬が暴走し、落馬事故が発生。勝利した女性騎手・夏海は、事故の裏で馬の所属する厩舎内で、馬主と調教師が対立していたことを知る。折しも落馬した騎手の父親が厩舎で何者かに襲われ、重傷を負った。親子は狙われたのか? 幼馴染みの騎手のため、トレーニング・センターや阪神競馬場で事情を探っていた夏海は、元同僚や新人騎手に会う中である疑いを抱き――。新鋭の描く競馬ミステリー!
裏表紙より。
ちょっと毛色の変わった推理小説を買ってみた。
元の本は2010年9月。



【第一章 九月二十五日(土)・第四回阪神競馬五日目
第十R「秋月特別」(三歳以上一六〇〇万下・芝内二〇〇〇メートル)】
長ぇよ


 ――今日は勝てるで!
 手応えはあった。
主人公の騎手・紺野夏海、物語開始早々にレースで勝利!🎊


ただし、気になった事といえば・・・・・・
 一瞬の間の出来事だ。
 スタート直後に聞いた観客の悲鳴は、この出来事のせいだった。
幼馴染みの騎手・岸本陽介が馬を斜行させて他の馬に衝突、落馬して病院送りに。
普段から『制裁ぎりぎりの斜行が多い』って話だし、自業自得なんじゃないっスか。
衝突された方はとんだ迷惑よねー(´・ω・)(・ω・`)ネー


「気付いてないのか? 飯田は最後は追ってなかった。お前とアンちゃんに花を持たせようと考えたんだろ。はしゃぐな、みっともない」
 辛辣なセリフを吐く時だけ、父は饒舌になる。
飯田→本命馬に乗っていた、リーディング首位のベテラン騎手
・・・・・・マジで?(´・ω・)
この親父、「獅子の子落とし」じゃなくて、単に性格悪そう(#^ω^)



夜、調整ルーム。
「よっしゃ! 今から今日の『秋月特別』の反省会や!」
 調整ルームの食堂で、飯田が突然辺りを轟かすような大声で怒鳴った。
参加者は飯田、夏海、『アンちゃん』(=新人騎手)龍太郎、
そして巻き込まれて落馬する羽目になった笠原。

レースでは外側から

ライトニングウルフ(笠原)
ホナミローゼス(陽介)
ミストラル(龍太郎)
残りの他の馬

と並んでいたため、龍太郎に突っかかる笠原。
笠原が外枠に移動となったゲート入りの失敗も、
元々隣にいた龍太郎が『ガチャガチャ』やっていたせいと激おこプンプン丸。
龍太郎(またはミストラル)に刺激されたせいで、ローゼスは逆に走ったのか・・・・・・?

しかしベテランの飯田は、ローゼスの『のんびりし過ぎ』な性格から笠原説を否定。
ついでにレース前に気づいた点を挙げる。
「しかしなぁ、わしが見た感じでは、あの馬は落ち着いていると言うより、今日は『祭りの終わった』状態やったで。まともにスタートしてても惨敗したやろ。パドックに入る前に、何か嫌な事でもあったんかもしれんわ。せやから、人気になっとったけど、俺の中では消しやってん」
「さすがです。飯田さんは他の馬まで、ちゃんと見てるんですね」
 感心したように言う龍太郎に、飯田は「当たり前やん」と答える。
さすが『リーディング首位』やで!


話はローゼスの主戦騎手について。
元々は笠原が乗っていたけど、陽介に乗り替わりになったんだってさ。
「ヤラズか?」
 ヤラズ。
 故意に負ける事を指す隠語だ。
勝って昇級して惨敗ばかりで賞金無しより、
『下のクラスで入着を繰り返す』のを狙うこともあるんだってさ。

で、笠原は飯田の地位を脅かすほどの『トップジョッキー』。
「お前にとっては目先の金よりも、勝ち鞍が欲しい」
「そうだ」と言いたげに、頷く笠原。
「岸本さんとしては、お前にわざと負けてくれとはいいにくい」
「そうです。おまけに乗り替わったのが馬鹿息子の陽介」
そう、ローゼスの調教師は陽介の親父。
元々は新馬戦を勝利で飾った期待の馬。
だけど、無理なローテーションが祟って四歳になっても条件戦をうろうろ。
そういう疑惑も出てくるわけだね・・・・・・?


「確かに、無理を言いやすいわなぁ。しかし、ヤラズは技術のない騎手にはでけへんで。陽介クラスの騎手には無理やろ」
入着はする程度にわざと負けるのも、それはそれで難しい模様。
今日の落馬がわざとなら、入着なんてできる訳がない。


皆が納得できる結論は出ないまま、話題は競馬界全体のことに・・・・・・
 リーディング上位を争う男達の会話に、私も龍太郎も口を挟めずに聞いているだけだった。一部騎手達による寡占状態を憂えているのは、下位騎手だけではなかったのだ。
 いや、彼らは面白くないのだ。
ま た タ ケ ユ タ カ か
・・・・・・的な。


 今日のレースで勝ちを譲られた事が、たまらなく悔しかった。
 飯田にとって、私とはその程度の存在なのだ。たまに女性が勝てば、競馬ももっと盛り上がるだろうと――。
これからだから、これから!


そんな時、テレビで衝撃のニュースが!
「今日の午後九時頃、滋賀県栗東市御園で、日本中央競馬会の調教師・岸本啓司さんが頭部や顔などを鈍器で殴られ重傷を負いました。草津署は現場にいた関係者から、事情を詳しく聴いています」
ついさっき話題になった調教師・岸本が襲われただってー!?
息子が落馬で意識不明になった日に、父親は殴られて重傷。偶然・・・・・・?




【第二章 九月二十六日(日)・第四回阪神競馬六日目】


「まぁ、あのバカ息子に関しては、このまま引退してもらっていいよ」
鷹野さんきっついわー。
親子ともども評判があまりよろしくない岸本家。
親父の方が嫁の実家(父親が調教師)に散々世話になっておきながら、
養父が死んだらすぐ嫁と別れて不倫相手と再婚。陽介はその息子・・・・・・という訳らしい。
陽介も陽介で、親バカが良い馬に乗せて勝たせたら、調子にも乗って遊んでばかりだって。


レース前の控え室で龍太郎に会った夏海は、昨日のレースの件について詳しく質問。
 薄い笑みを漏らす龍太郎。
「捜査官にでもなったつもりですか?」
 彼の言葉に、自分が尋問口調になっていたと気付く。
「だって、気持ち悪いやん」
親の代がどうであれ(夏海の親父は上記の件で岸本家が嫌い)、
幼馴染みとその親父が同じ日に・・・・・・だもんねぇ。そりゃ気になるよ。



「嫌な奴だな。その程度の意識でチャンピオンかよ。本気でやってる人間が聞いたら泣くぜ」
 それが才能というものではないだろうか?
 資質だけで勝ってしまう人間が研鑽し、一流になるのだ。ただ、私は空手の才能を磨こうとしなかっただけだ。
「才能が無くとも努力すれば勝てる」なんてのは、幻想・・・・・・!
わかりやすい例は悟空とベジータ
それから笠原は夏海の空手でマタンキを潰されればいいよ☆


「いいか? 誰にも言うなよ」
 さらに小声になる笠原。
「一時、岸本さんは廃業を考えるところまで切羽詰まっていたらしい。調教師会から金も借りてたしな。いや、事実、勇退するつもりだったらしいぜ」
『岸本厩舎も経営難』・・・・・・hmhm。
つまり、昨日のレースで勝った夏海に『八百長』疑惑をかけているんだね?
ぶちころすぞ(´・ω・`)


「いてっ、乱暴な奴だなぁ」
そのまましんでもいいのよ
『みぞおちに足刀』で済ませるなんて、なっちゃんやさしい!




「やましい事がある時に限って優しくなるけねぇ。だから、男は嫌なんよ」
そっそんなこっ全然全く問題無い話なんでありますです!!

元騎手・里中ミチル。
夏海の同期だった彼女、今は岸本厩舎の厩舎員・里中浩一と結婚して引退。
 たった一度の失敗で、ミチルは繋がりかけた希望を打ち砕かれた。
どんな覚悟があったって、ダメな時はダメっスわ\(^o^)/


旦那がローゼスの担当ということで、ミチルにも聞き込み。
でもローゼスに特別変わった習性は無い模様。
 やはり、あれは不幸な事故なのか――。
天誅ならぬ馬誅なんじゃないっスか。
バカ息子の下手な騎乗には付き合ってられんわーて。


「浩一が先生をバールで殴った。警察はその線で調べちょる」
 言葉を失った。
 まさか、あの浩一が――。
なんだってー!?

夏海は旦那を信じるよう慰めるも・・・・・・
「誰かが、おるんじゃ。うちの知らん誰かが」
ええっ!?
だって子供が生まれたばかりじゃないっスか・・・・・・

「勘や。たまに、馬とは違う何かが感じられる事があった。こう、雰囲気というか」
むむむ!
浩一、ぁゃιぃ。


岸本厩舎のことや「女性騎手」の苦労話をして、いくらか落ち着いたかと思ったところでー
 インターフォンを鳴らしたのは、浩一を逮捕したと知らせに来た草津署の刑事だった。
むむむ!
・・・・・・でもまぁ、事件解決、か?




【第三章 その翌日】


「夏海ちゃんもお父さんと同じ。とても頭がいいのよね」
陽介の母親・芳美。
周りからは色々と言われているけど、夏海は『おかあちゃん』と呼ぶほど親しい関係。
幸い陽介は意識を取り戻した模様。


「あなたなら、警察とは違う視点で事件を解決できそうなのにねぇ」
里中浩一犯人説に疑問を持っているらしい。
といっても、またまたおだてちゃってー。
『探偵』じゃないんですよなっちゃんは。

・・・・・・でも調べちゃう訳だな、これが。
だって・・・・・・主人公だもん☆



調教師、騎手、馬主・・・・・・様々な人間関係を経て、夏海はあの日の真相に辿り着く。
そして最後に判明する「真相のさらに先」は・・・・・・
「綺麗に負けるより、汚い手を使ってでも勝つ。それがプロじゃねえのか?」
綺麗に勝つのが超一流なんつって。



主人公が「騎手」ということで、やっぱり一風変わった作品。
なっちゃんカワイイ!こんな騎手がいたら応援馬券買うお!買い方知らんけど!
ただ、この物語は・・・・・・面白いけど後味悪し
この感覚、「鳴沢了シリーズ」に近いものがあるかもしれない。




●言い訳コーナー


目覚まし時計
ベッド


って配置なのに、今日起きたら


ベッド

目覚まし時計

だった。
時計は電池が抜けて止まってた
4時20分・・・・・・ドロボウが入ったのかナ!?ナ!?

・・・・・・時計無しで7時には起きたんだから上等ですお?
投稿日時は言わせんなってことだよ\(^o^)/


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