坂本龍馬の命日十一月十五日、その墓前で切腹事件が起きた!京都霊山護国神社の境内で、龍馬研究会の会員・坂本竜が割腹死したのだ。竜には生前、龍馬と同じく複雑な女性関係が・・・・・・。数日後、同会の桂秋子も毒物死。さらに、龍馬の隠れ家「寺田屋」で第三の惨劇が! 名探偵キャサリンが、龍馬暗殺の謎と、彼を取りまく女性群像を追いつつ、意表をつく真犯人に迫る!裏表紙より。
日本ミステリー界の女王が描く人気作、「キャサリン」シリーズの1つ。
元の本は1991年7月。
第一章 龍馬の墓速ぇ。
キャサリンは一週間ほど前、東山のマンションに転居していた。
「来年には父も日本に来るというし、荷物も増えてきたから、少し広いマンションに移ろうと思うの」
と、キャサリンがいってきたのが二週間前で、一週間後には、もう新しいマンションに越してしまったのだ。
シリーズ初見の人にも行動力が伝わってくるであろう始まり。
そんなキャサリンの下へ、恋人の浜口が転居祝いに現れましたドカーン
浜口曰く、この近所に『坂本龍馬の墓石』があるんですって。
アメリカ人のキャサリンは坂本龍馬を知らなかったため、浜口はその生涯を軽く説明。
「ねえ。推理小説だったら、こういうことも考えられるわ。龍馬と中岡さんは、意見が違ってたんでしょう? そして言い争いになり、中岡さんが龍馬を斬ったのでは? 突然に。でも、龍馬も最後の力を振りしぼって、彼に斬りつけた」その発想は無かったわ(゜д゜)
ググったら、現実にそういう説を支持してる人もいなくはないのねー。
「アメリカ人ならそうかもしれないけど、日本人はそうはいかないんですよ。だから、内部説などはあまり好まれない。彼は、英雄で、彼の志のために敵に殺されたのであってほしいわけですよ」壮大な理想を持ちその実現のため突き進んでいたものの、志半ばで敵の凶刃に倒れる
・・・・・・「そういうイメージ」がすっかり出来上がってるもんね。
しかしそこは過去の人、「売り物」になるように何者かが・・・・・・
おや、ずいぶん早い宅配便だな。ハンコはどこにやったk
浜口の話を聞いて、キャサリンはすっかり興味津々。
「観光客らしい若い女性がこのマンションの前をよく歩いていくと思ったけど、龍馬のお墓を見に行ってたのね。私も行きたいわ。イチロー、一緒に行ってくれる?」早速2人は坂本龍馬巡りを始めたのでありますドカーン
「ええ、いいですよ。僕も前から、行ってみたいと思っていたんですよ。学生たちもよく話をしていますからね」
「じゃあ、今からでもいい?」
「オーケー」
第二章 第一の死そのまま「龍馬>イチロー」になればいいんですお( ^ω^)
それから数日、浜口はキャサリンと会わずに過ごした。
キャサリンは、たまに電話してきたが、龍馬に熱中しているらしく、寺田屋へ行ったとか、本を読んだといっていた。
そして十一月十五日――『龍馬祭』の日。
大学の講義を終えて帰宅した浜口を、キャサリンが待っていました。
「今朝、男性が死んだのよ。龍馬さんのお墓のそばで」死んだのは弁護士兼小説家の坂本竜(44歳)。
「えっ、どうして死んだんですか?」
「切腹したの」
「切腹? あのハラキリですか?」
「そうよ。そばに、『龍馬さん、あなたと同じ生き方をしたい』と書いた石板に名前が書いてあったんですって」
「というと、龍馬の熱烈な信奉者で、彼の死んだ命日に、墓前で自殺したということですか?」
名前が似ていることもあって、昔から坂本龍馬の研究をしていたらしい。
はぁー。
『熱烈な信奉者』、かなんわぁ・・・・・・
「いちおう、そういうふうにみんな見てるわ」浜口・・・・・・京都の、日本の平和を守るために、彼女にはアメリカへお帰り願うんだ。
「というと、キャシイは、殺人だと思っているんですか?」
浜口が、きいた。
「そうなの。私のカンよ」
「やれやれ、カンですか? キャシィにかかったら、死んだ人はみんな殺されたことになる」
「そんなことないわ。今まで私が殺人だといって騒いだのは、みんな殺人だったわ」
死体の様子を観察したキャサリンは、浜口に他殺説の根拠を説明。
「傷口が左右に大きくなっているのは、死体だからじゃありませんか? 実際より広がって見えたのでは」『望遠鏡で』www
「そんなことないわ。私、山の上から、望遠鏡で、検視官が傷口を計っているのを見てたもの」
「よくやりますねえ、キャシイは」
興味持ちすぎだろwww
翌日。
「今日も、警察の人が来て現場検証しているわ。資料館の木村さんが立ち会っていたけれど」つまり、アナタもそこにいるんですね・・・・・・?
まったく!まったくなー!
「あまり捜査の邪魔をしないほうがいいですよ」嫌に決まってるだろwww
浜口は、はらはらしながら注意した。
「わかってるわ。でも、狩矢警部も橋口さんも捜査に来ていて、私がこの近くに移ったというと、びっくりしていたわ。帰りにお茶を飲みに寄ってくださいといったのだけど、来てくれなかった」
事件の関係者でもないのに根掘り葉掘り聞いてくるんだから!
さらに翌日。
京都は秋が深まり、紅葉が美しい季節になっていた。紅葉を見に行こう!
「高瀬川を北へ行って三条通に交差するところに、酢屋の跡があるんですって」ハハハハハ・・・・・・ドカーン
「スヤ? ああ酢屋ですか」
「それから、河原町を南へ行くと、坂本龍馬が襲われたという近江屋跡があるというの。イチロー、それをついでに見に行かない?」
「ついでじゃないでしょう? キャシイはそれを見るのが目的なんだ」
浜口が苦笑した。
龍馬巡りをしていた2人は、『龍馬の研究グループ』の女性3人とお知り合いに。
グループのリーダーは有名な大学教授・中岡龍太郎で、
なんと例の切腹男・坂本竜もメンバーだったらしい。
「彼女たちと友だちになれてよかったわ。殺された坂本さんと仲間だったのなら、いろいろ話もきけるし・・・・・・」浜口、この女を止めなさい。これは命令です。
第三章 第二の殺人日本に興味を持ってる外国人の方が、日本人より日本のことを知ってるんだよねぇ。
ようやく、仕事が一段落したので、浜口は、大学の帰りに、本屋へ行って坂本龍馬に関する本を何冊か買ってきた。
キャサリンにきかれたとき、あまり何も知らなくては、恰好がつかないからである。
まぁ足下を気にする「必要」が無いくらい、平和で便利ってコトなんじゃないっスか。
龍馬の勉強をしていたらそのまま眠ってしまった浜口。
キャサリンのモーニングコールは新たな事件の発生をお知らせ。
龍馬巡りで出会った3人の内の1人、桂秋子が毒物死したというのです。
「自殺か他殺かはわからないということだけど、彼女は、坂本龍馬の写真のポスターをしっかりと握りしめて死んでいたというわ」死んで100年以上たってから、
「というと、また、坂本龍馬にかかわる死ですか・・・・・・」
「お前のせい」みたいに殺人事件と関連付けられるなんて迷惑な話だなー。
「今はまだ、彼女が死んだということだけしか報じられていないの。あとでわかったら、また電話するわ。イチローは、今日は午後から講義でしょう?」『では』じゃねーよ!w
「そうです。帰りは、夕方になると思いますけど」
「オーケー、わかったわ。では」
首突っ込む気満々か!
そしてその日の夜、2人は橋口から仕入れた情報を検討することに。
この時点でキャサリンの方は大した情報持ってなかったはず。
にも関わらず、引き換えに警察が捜査中の容疑者の話までしてしまうとは・・・・・・
橋口、あとで土下座。
「すてきだわ。イチロー。小説家になれる!」m9(^Д^)プギャーwwwwww
キャサリンが冷やかした。
「何いってるんですか。キャシイのために、一生懸命考えたのに」
2ページ分も推理してりゃ冷やかされもする。
3行にまとめろ。
次の日曜日、浜口とキャサリンは、龍馬研究会のグループや一般人と、幕末維新の史跡めぐりに参加した。死んだ2人が所属していたということで今最も怪しい『龍馬研究会』。
何か探り出せるでしょうか・・・・・・?
第四章 容疑者たち浜口もなかなかどうして油断ならない。
「いろいろ面白かったけど、やっぱり団体行動というのは疲れますね」
テーブルにつくと、浜口がほっとしたようにいった。
「でも、中岡教授や、龍馬研究グループの人に会えたのは、よかったでしょう?」
「ええ。吉村というお医者さんとも、話をしましたよ」
結局キャサリンと同類である。
「私、小野田さんの家のお手伝いさんとお友だちになったの。お手伝いさんは、二人いて、一人は年とった人で、あの家にも古いらしいけど、私のお友だちになったのはミキさんといって、二十歳くらいの可愛い子なの。彼女は、昼間は小野田さんの自宅と事務所を往復して手伝いをし、夜は夜間の大学で法律の勉強をしているのよ。彼女とはいろいろ話をして、小野田さんのアリバイなども、さりげなくきいてみたわ」馴れ馴れしいアメリカ女に注意!
疑ってます・・・・・・あなたやあなたの周りの人たちを!
翌日。
「僕たちは?」ドカーン
「もちろん、青春よ」
キャサリンがキスしようとしたので、あやうく車が歩道に乗り上げそうになり、浜口はあわててハンドルを切った。
「私、実際におこった今度の事件については、狩矢さんに任せることにして、坂本龍馬の死について、真相はどうなのか、いろいろ資料を調べてみたの」はい、嘘・・・・・・でもない、これがな。
第五章 龍馬をめぐる女確かにイヤな女だなーお徳。
「僕は、いくら美人でも、そういう女性は嫌いですね。龍馬とも何もなかったんでしょう」
でも「あの龍馬がイヤな女と付き合ってたなんてイヤだ!」っていうのも、
「創られたイメージ」に引っ張られた意見だと思う。
「いや、龍馬も、新婚当時は、彼女に興味を持っていたでしょうが、ずっといれば、興味を失ったと思いますよ。行く先々にお龍をつれていってるくせに、龍馬は結構浮気をしていますからね」「そういう情報」は誰が記録したんだろうといつも思う。
「えっ、そうなの?」
「花燃ゆ」でやらかした男が自白した場面は吹いた。
「まあ、男ってみんなそうなの?」やらかした(てる)奴は、みんなそう言うんですお( ^ω^)
キャサリンが、浜口を見つめたので、彼はあわてていった。
「僕は違いますよ。英雄色を好むというけど、僕は英雄じゃありませんから、キャシイだけを愛しています」
現代の殺人事件より、過去の・・・・・・坂本龍馬の事件の方に力が入っていた印象。
そういう意味で、キャサリンの活躍はあっさりめ。
まぁ内田康夫氏の「浅見光彦シリーズ」に出てくる警察と違って、
こっちはレギュラーの狩谷警部が優秀だから・・・・・・
「推理小説」を期待するとちょっと物足りない感じ。
つまらなくはないんだけど、歴史の勉強のつもりで買ったんじゃないからなー。
浜口の爆発を願う1月2日でしたドカーン
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