ビスタ~リ通信

山のこと日常のことを、思いつくままに。

仙塩尾根 四日目

2010-08-13 | 山のはなし

前日夜 京都発(高速バス)
1日目 甲府駅→広河原→北沢峠(ここまでバス)
    (やっと歩き)北沢峠→馬ノ背ヒュッテ(泊)
2日目 馬ノ背ヒュッテ→仙丈ヶ岳→両俣小屋キャンプ場(泊)
3日目 両俣小屋→三峰岳→間ノ岳往復→熊ノ平キャンプ場(泊)
4日目 熊ノ平→塩見岳→三伏峠キャンプ場(泊)
5日目 三伏峠キャンプ場→鳥倉林道登山口(京都まで延々とバスと電車に乗る)


縦走も四日目となると身体が慣れてきて好調。
ということもありますが、
準備不足の付焼き刃では、疲労がピークに達してしまいました。
しかし、ここは南アルプスの真ん中です。
嫌でも歩かなければなりません。

テント場を発ち、熊ノ平小屋の前までくると4時の朝食を食べ終えた人々が
各々旅立ちの準備のために食堂の席を立っているところでした。

樹林帯ではナナカマドの葉についた水滴でズボンがびっしょり濡れてしまったので
途中、見晴らしのよい場所でレインジャケットをエプロンのように腰に巻き付けました。
間ノ岳と農鳥岳の黒いシルエットが次第に明るくなってきました。
日の出を待たずに先に進みます。



ほぼ平坦に進んで行き、小高い丘が前方に見えだしたころ、
後ろから足音が近づいてきたので振り返ると
馬ノ背ヒュッテで隣りの寝床にいたあの健脚な女性でした。
この日は北俣岳から蝙蝠岳を経て二軒小屋まで下ると言っていました。

行動時間が長い女性が後ろにいるので、
遅いけれどせめて立ち止まらないようにして急坂を登りました。
登りきると、大崩壊地と塩見岳がどどどんと目の前に飛び込んできました。
本当に気持ちのよいところでした。
この旅で一番だったかもしれません。




タカネビランジ



北俣岳の登りは、急でガレガレで不安定な道でしたが
この景観のせいなのか、不思議と快調に足が進みます。



女性に蝙蝠岳まで往復していかないかと誘われ、悩みましたが
さらに行動時間が長くなるのでやめました。
北俣岳直下の分岐で女性とお別れをし、
私は塩見岳東峰に向かいます。


クロユリ



以前、塩見岳に登った時に、熊ノ平方面から登ってくる登山者を
大変うらやましく見ていた思い出があります。
今こうして自分が登っているのが誇らしく思えてきました。
自己満足だけど。

雲がわいて景色を隠してしまうと山頂部は人と虫が多いただの広場。
けれども、1時間くらいただぼーっとして座って過ごしました。

雨が降らないうちに三伏峠へと向かいました。
山頂から前に後ろになり、同じペースで歩いていた女性二人組に
沿道に咲く高山植物の名前を教えてもらいました。

歩き出して10時間を越えると、さすがに足が思うように前に出ません。
足が少し痺れてきました。
さらにゆっくりと歩いて三伏峠に到着。

終わりました。ほっとしました。

すぐにテントを張ってビールを飲んだら
ごろごろするだけで他になにもやる気が起こりません。
そのまま寝ようとしましたが色々と思い出すことが多くて
結局、最後の日も何回も寝返りをうって一夜を過ごしました。

最新の画像もっと見る

11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
無事に歩けるこりゃあさいこう (わい)
2010-08-13 21:00:45
ごろごろ~とかみなりが来ずに、ごろごろできたんは、よかったやん。
返信する
Unknown (まきくま)
2010-08-13 21:02:35
>大崩壊地と塩見岳がどどどんと目の前に飛び込んできました。
ああ、わかるわかる。
わたしも、あそこは逆で歩いたら、さぞかし、、、と、思ってました。100ぺんは振り返ってみたもん。大崩壊地がまた、魂にくるんだよね。
塩見にあちらから登って来ると、そりゃ注目されるねー。うん、ほんとに、誇らしいと思う。
寝返りばっかりの3晩だね。
なんか、せつないね。
いいなあ。
私も、やっぱりテントでがんばろうかな。
返信する
Unknown (びすこ)
2010-08-13 21:19:50
>わいはん
ちくしょう… 酔っぱらいに一本とられたわ…
だがしかし、ごろごろしてたら、ほんまにごろごろきたんよ。
でも、晴れ女やさかい、ちょっと降っただけで済んだんやけどな~

>まきたたらん
>大崩壊地がまた、魂にくるんだよね。
くるねー くるねー
そんなまきたたらんには九州の霧島連山もおすすめしておこう。
>塩見にあちらから登って来ると、そりゃ注目されるねー。
いやあ、山頂の人々にはそんなに注目はされておらず…
なんやねん、少しはワシの苦労をねぎらわんかいって感じでした
>私も、やっぱりテントでがんばろうかな。
でもさ、やっぱり出かける前はブルーやったよ。
まきたたらんと楽しくテント張ってる方がなんぼか楽しいわ。
返信する
Unknown (ロビン)
2010-08-14 07:17:49
塩見頂上からその先に歩を進めるまっきーを
見送った時の光景が思い出すなー。
北俣分岐から北荒川岳に向う急斜面や
蝙蝠へ続く気持ち良さそうな稜線を眺めて
私は充分塩見で満足だったけど
そこから先に踏み出したら最後、長い道のりが
始まるその緊張感が羨ましくもありました。

南って本当に渋いね。硬派やわ
返信する
興味深い (岐阜ぺんぎん)
2010-08-14 08:32:18
地図を見ながら読んでます
とても興味深いトコ 歩きましたね~
行きたいトコへ エントリーです

また 白山から 画像が見れなくなったので 面倒で無かったら 添付してくださいませ m(_ _)m
返信する
Unknown (ケン太)
2010-08-15 10:30:51
渋いコース歩かれてますね。
塩見岳ー北俣岳ー熊ノ平小屋は長かった思い出があります。山では良く眠ることが一番ですね(笑)
返信する
うらやましー (K林@お昼寝)
2010-08-16 13:05:47
びすこさん、おひさしぶりー
ホントに良いときに行きましたね! その後の天気は御存じの通り...、私のお盆はガスで始まりガスで終わりましたよ(うらやましいです)。
で、仙塩尾根の倒木...一昨年歩いた時はホントに酷かったけどなぁ! あっ、足の長さと柔軟性の違い(うらやましい...)?
前に北岳から三伏まで歩いた時、三伏小屋で温泉宿を予約してもらい、体中に着いた汗と塩をさっぱり流して帰るつもりが、何と「塩泉」で塩が入れ替わっただけという「オチ」を思い出しました...あはは
返信する
Unknown (まろん)
2010-08-16 16:28:26
>以前、塩見岳に登った時に、熊ノ平方面から登ってくる登山者を
>大変うらやましく見ていた思い出があります。

同じく塩見岳で、熊ノ平から登ってくる登山者、熊ノ平へ進む登山者に憧れた思い出ありますよ。(まだ思い出のままですが…)
良いコースですね。アノ先への一歩、、、なかなか実行できません。
サクサクっと歩くビスターリさんが羨ましいです。
返信する
Unknown (びすこ)
2010-08-16 20:41:15
>ロビンさん
>塩見頂上からその先に歩を進めるまっきーを
>見送った時の光景が思い出すなー。
帰ってきてから、まきたたらんのその記事を読み返しました。
なんや、三伏峠から塩見岳のくだりで泣けてきましたわ。
まきたたらんのテントをパッキングしてあげる師匠、かっこよすぎ。

>岐阜ぺんぎんさん
写真は、五日目の記事にアルバムのリンクを張ったので
そちらをご覧くださいね。(白山のアルバムもあります)
岐阜からだと、南アの伊那側の登山口には比較的近いのでしょうか?
塩見岳、おすすめです。

>ケン太さん
お久しぶりです~。
>塩見岳ー北俣岳ー熊ノ平小屋は長かった思い出があります。
ほんとーに長いですよね。
山では眠りが浅くなり、すぐ目が覚めてしまいます。
なにかいい方法ないですかね~

>K林さん
どうもお久しぶりです!
お盆は台風が去った後も、安定していなかってのですね。
>仙塩尾根の倒木...一昨年歩いた時はホントに酷かったけどなぁ!
その年は大型台風がきたのでしょうか?今年はチェーンソーかなにかで
切った木もあったようで特に多いとは感じませんでしたよ。
>三伏小屋で温泉宿を予約してもらい、
あはは!それって小屋の外壁にあった看板の温泉ですかね~?
「塩泉」でしたか!塩見岳だけに…

>まろんさん
わっ!まろんさん、お久しぶりです!
お元気でしたか?
塩見岳って南ア縦走の中間地点的で、
行き交う人々が持つ貫禄が違うというか。
羨望のまなざしで見てしまいますよね。
>サクサクっと歩くビスターリさんが羨ましいです。
いや、サクサクではなくドンクサク歩いていましたよ…。
返信する
看板の温泉 (K林@一休み)
2010-08-17 13:15:57
倒木...整備、大変だったんだろうなぁ。

> それって小屋の外壁にあった看板の温泉ですかね~?
そうですよぉ~ 宿名に含まれる「塩」は塩見の塩だと脊髄反応しちゃって「本物の塩」とは温泉に入るまで気が付かなかったですよ。 ^.^;
あっ、宿の名誉のために... 同経営らしいけど(小屋とちがい)宿自体はなかなか良かったです。
塩泉も登山後でなければ...ね (^.^)
返信する

コメントを投稿