Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

シンデレラの条件

2021年10月11日 06時30分03秒 | Weblog
『チェネレントラ』アンジェリーナ役 脇園彩インタビュー
 「脇園 音楽は確かにほぼ共通していますが、『セビリアの理髪師』という作品の持っているエネルギーは『チェネレントラ』とはまた違ったもので、だからアリアの表現している内容も違うと思っています。伯爵のアリアがロジーナを手に入れた勝利の喜びだとすると、『チェネレントラ』のロンドは、このオペラの原題の一部にもなっているように、同じ勝利でも〈善良さの勝利〉なのです。アリアの前にある「私の復讐は彼らを許すことです」という言葉も、過去に起こった理不尽なことを前へ進む糧にして、新しい人生を歩んでいく彼女の決意を感じさせます。

 チェネレントラ(シンデレラ)は、「優しい心」の持ち主であるだけでなく、報復や賠償といったréciprocité(レシプロシテ)の行動原理を超越している。
 ロッシーニによれば、これがシンデレラであるための重要な1つの条件ということになるだろう。
 ところで、浜本隆志先生によると、「シンデレラ譚(ストーリー)」の基本構造は、以下の5つから成っているそうである。
① 継母、継姉たちのいじめ、あるいは苦境に遭遇
② 援助者の出現
③ 王ないし王子、大金持ちとの出会い
④ 花嫁テスト
⑤ 結婚成立、そしてハッピーエンド
 これは、おそらく「英雄譚」(あるいは部族形成神話)の裏返しであり、ヒーローについても同様の基本構造が見出されるだろう。
 こうした観点から、最近問題となっている「男性版シンデレラ・ストーリー」をみてみると、④(花嫁/花婿テスト)の要素が決定的に欠けていることに気づく。
 つまり、英雄譚においては、ライバル(花婿候補たち)と戦って勝利するような人物でないと、本来は英雄にはなれないはずなのだ。
 そうでない場合には、一部(多数?)の人たち(海外メディアも含む)が、批判的な目で見てしまうのではないだろうか?
 

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