浮気がテーマの12の作品からなる短編集。単行本刊行時は『夏の最後の薔薇』というタイトルだったそうですが、その表題作はこの本の最初の作品。これがなかなかいい話しで最後は予想外の結末が。その次の作品からも最後は決まって意外な結末が待っているのだが、如何せん浮気がメインテーマになっているので、最初の何作品かは面白く読める。しかし後のほうの作品になってくるにしたがって、また同じようなパターンと理解できてしまうのでなんとなく後味の悪さだけが残ってしまう。ただひとつひとつの作品自体は“浮気”と“嘘”というメインテーマが見事に絡まって非常にいい出来だと思うのだが、一気に続けて読むとちょっと味わいが薄れる気がしてしまった。
評価:★★★☆☆
評価:★★★☆☆