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FC東京好き(サッカー&バレー)の元雑誌編集者で現在はテレビ番組記者。仕事よりも東京優先なライフスタイル謳歌中。

時計を忘れて森へいこう

2007-04-03 23:52:02 | 超私的ブックレビュー
表紙を見るとライトノベルっぽいのですが違います。
今まで読書をしてきた中で、運命的な一冊…という表現があてはまるかどうか分かりませんが、自分にとって光原百合の『十八の夏』はまさにそれに近いものでした。
今回読んだ『時計を忘れて森へいこう』は彼女のミステリーデビューの作品で、読者の対象は女性や若い学生向けな感じ。でも作品自体は自分の期待を裏切らない予想通りの心温まるものでした。3つの作品からなる短編集でミステリーかっていうとちょっと違う感じもしますが、でもこの作風が好きな人にとっては全然あり。まぁとにかくいずれのお話も読後の爽快感もさることながら、とても優しい気持ちにさせてくれる。タイトルにもあるように、森の雰囲気がすごく伝わってくる文章力、そして森の描写が素晴らしい。ミステリーの謎解きもなんかほのぼのしててとても癒される。
彼女の作品を読んでると、ホント日常の嫌なことを忘れさせ、今ではすっかり無くなってしまった昔の純粋な気持ちを思い起こさせてくれるのです。

評価:★★★★☆