前回、サラリーマンと高齢者が狙われている、という話をいたしました。
日本の所得税は、所得が高くなるにつれて加速度的に税金が高くなる超過累進課税を
採用していますので、所得が2倍に増えると、税金は2倍以上となります。
少し前まで、所得税の最高税率50%、住民税の税率は最高15%、合計65%でしたが、
現在は所得税最高37%、住民税最高13%、合計50%です。
つまり、1つの方法として数年前の税制に戻すことで所得税、住民税の税収を増やすことが
できるわけです。つまり、高額所得者の課税を強化すれば、多少なりとも税収が増えるという
ことも考えられるわけです。
しかし、実際にはこれは実現性が低い話なんですよね。何故ならば、主観的意見では
国の政治を動かしている方、国の政治を動かしているヒトとつながっているヒトは
全員、高額所得者であるためですし、高額所得者ほど選挙に行くように思われます。
結果的に、安定的かつ確実に見込まれる給与所得者や年金生活者を狙うことになるわけです。
その他、金利を上げて税収をまかなうことも1つの方法です。つまり、預金利息を0.02%から
2%に引き上げると税収は100倍になるわけです。預金の利息課税は、税収の一部に過ぎませんが、しかるべき時期がくれば利息税収も増えると思われます。
金利の引き上げも、不良債権処理が着々と進む中では、そう遠くない時期に金利の引き上げがくる
ような予感がしますね。
民主主義は多数決のため、多数派が強い、という気がしますが、少数派が権力を握っていて
多数派がその支配下にある場合、多数派が狙われるわけですね。
また、その多数派であるサラリーマンが選挙に行かないから、だから政権に与える影響は小さい、
と考えているのかもしれません。
個人的には給与、退職金課税も強化するが、多少折り合いをつけて、
不足分を消費税引き上げで補いますよ、という大義名分を作っているような気が
いたしますが、深読みのしすぎでしょうか。
税収不足や国債増発の前に、税金の使い方を考えよ! と思いますので、決して歳出を抑えれば
大きな増税は必要ないかもしれません。
しかし、国民1人あたり650万円の負債、国全体で700兆円台の赤字を抱えていることを
考えれば、何かしらの形で負担は増えていきます。
私は国家論者でも、経済評論家でもなく、あくまで1市民としてのFPですので、
与えられた現実と将来を直視して、お客様ができることをご助言申し上げていきたいと思います。