「童話物語」は、ハイ・ファンタジーのジャンルの日本の作品です。向山貴彦 作、宮山香里 絵の、少女ペチカと妖精フィツとの、人間は滅びるものなのかという問いかけをしながらの冒険ファンタジーです。
妖精フィツは人間が滅びるべきかどうかを調べるために、人間界にやってきます。最初に会った人間とだけ口がきけるフィツは、ペチカという少女と出会います。ペチカは、母を亡くしてからのすさまじい残虐ないじめや虐待に心をゆがめられた少女でした。
本来ならば、優しいものの心が理解できる少女でしたが、ゆがんだ心は、フィツにも周りにもひどい態度で打ち解けず、でも妖精と少女は逃げだすようにして、旅に出ます。
次第に旅で出会った人や動物に、心が動かされていくペチカですが、大きな町で炎水晶という不気味なものに出会います。それは次第に大きくなり、人間の世界を滅ぼしていくような力を持っていきます。
いろいろな人々に出会うペチカは、人を愛することを知り、炎水晶と対決して、人間の世界は美しく、残されるべきものであるとフィツと共に戦います。
そして、人間の世界は滅ぼされず、炎水晶は破壊されます。
フィツの言葉に
人間はつまらない生き物なんかじゃないよ。地上に来て分かった。消えていくものだって、永遠に残すことはできるんだ。人間には、地上のすべての生物には、そういうすごい力があるんだ。
最後は感動的で、人間の力や人間の愛を信じたいなあと思ったことでした。
炎水晶は、魔の力を持っていて、人は己を忘れ、その力に染まり、世界を破壊していくのです。これは、今の時代では、インターネットのようなものでしょうか。それとも、もっと恐ろしい人を同じ方向へ向けて、武器を持たせるようなことなのでしょうか。そんなものに人は、動かされたりしないと思いたいです。
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