言の葉収集

思ったこと、感じたこと、出逢ったこと
いろいろ気ままに書きたいと思っています。

奪い合えば足りぬ。分かち合えば余る。

2008-01-17 20:28:46 | Weblog
阪神・淡路大震災から今日で13年。
今日の中日新聞「中日春秋」に「人と防災未来を語る」のホームページにある「震災を語る」コーナーの記事が紹介されていた。

大震災の「語り部」である方々のインタビュー集は生々しいが、引き込まれるのは、多くが震災で「失ったもの」より「得たもの」について語っているからだと言う。

(以下記事より抜粋)
そんなはずないのに「余っている」と見知らぬ老夫妻がくれたおにぎりのことを忘れない。夫婦で半分ずつ食べた、それの<美味しかったこと>。
誰が立てたか、震災現場には、こんな言葉を書いたものがあったそうだ。

<奪い合えば足りぬ。分かち合えば余る>
(抜粋終わり)

この記事を見て思い出したことがある。
前にも書いたが、3年前当地も被害を受けた。地震ではなく台風による洪水だ。
震災の方に比べれば家は住めたし、9月だったので寒さに震えることはなかった。
それでも1週間は電気のない生活を余儀なくされた。

停電最初の日、ジャーに入っていたナケナシの米で、妻が本当に小さなおにぎりを3つ作り、真っ暗な部屋の中でそれを家族3人で食べた。
今ままで食べたおにぎり、いや食べ物の中で一番美味しかったと言っても過言ではない。
人はあんな時に初めて食べ物の尊さや文明のありがたさを知る。
残念ながら恵まれている環境を毎日感謝して生きてはいないのだ。

「暗闇を照らす電池のありがたさ」