言の葉収集

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いろいろ気ままに書きたいと思っています。

人は負けることで学ぶ。

2006-08-06 17:49:23 | 言の葉
先日行なわれたプロボクシングWBA世界Lフライ級王座決定戦での結果が新聞やネットを賑わしている。
最高視聴率は52.9%という驚異的な数字だった。

かくいう自分も、亀田選手が負けたと思ったし、何より最後のゴングが鳴ったときの亀田選手とその父親であるトレーナーの落胆した表情は画面でも見て取れた。
しかしベルトを手にしたのは亀田選手だった。「ええっ」と思わず声が出た。テレビ観戦した知人も皆同じようなことを言っていた。
何かの力が動いたのではないか?テレビ局の陰謀?負けたら無駄になる特別ベルトを用意していた?初防衛戦である大晦日の番組枠を用意していた?等。いろいろな憶測や批判が飛び交っているが、確実に言えるのは、この微妙な勝利は亀田選手の意志ではないこと。
彼は最初のダウンにもめげず、最後まで死力を尽くして戦った。形振りかまわずクリンチさえも自ら行なった。父親のボクシングが世界に通用することを証明したかった。立派な19歳だと思う。

ただ、パフォーマンスというか、過激な言動が誤解を招く。これが戦法であり個性だという事で話題性があるのかも知れないが、これはやはり周りの大人たちが指導すべきだろう。それが責任だと思う。

戦ったランダエタ選手が、「カメダはボクサーとしても、人間としても、もっと成長しないといけない」と新聞記者に話したという。
メンチ切り大いに結構。ビッグマウス大いに結構。しかし、少なくとも戦い終えた相手には尊敬の意を持って接して欲しい。それは決して弱いということではない。

最後に今日の中日新聞の「世談」から。

人は負けることで学ぶ。己への憤りという蒸気は必ず次への戦意という歯車を動かすことを。
世界の頂点にまつりあげられた若きチャンピオンは、未来というマットに沈んだ。