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今回は東急大井町線・田園都市線の大井町〜長津田間に導入された有料座席指定サービスの
「Qシート」
に早速乗車してきましたのでその様子をレポします。
この「Qシート」は2018年12月14日(金)にサービスが始まった座席指定サービスで、平日の夜の時間帯に大井町を発車する長津田行きの急行列車5本の3号車が対象となっています。
しかし、少しだけ利用方法が複雑なので車内のポスターなどと合わせてまず先に紹介していきたいと思います。
ちなみに停車駅に関してですが定期の急行列車の一部号車を座席指定サービスとして使用しているだけなので、他の急行列車と差はありません。
しかし、乗車・降車が出来る駅が限られているので注意が必要です。
まず、大井町〜自由が丘間の大井町線の各駅は乗車専用駅となっている為、事前に乗車前に購入しておく必要がある指定券を所持している乗客しか乗車する事は出来ません。
で、その先の二子玉川〜鷺沼間の各駅は逆に降車専用駅となっていて指定券を所持している乗客が降車することしか出来ません。
特筆すべきなのはその後のたまプラーザ〜長津田間で、ここの区間は「フリー乗降駅」扱いとなっている為、指定券を所持していない乗客も乗降出来る事になっています。
簡単に言うとたまプラーザ駅到着時点で有料座席指定サービスが終了し一般車両に格下げされると言った感じでしょうか…
このフリー乗降区間は首都圏各地の下りライナー列車によく取り入れられている手法で、東急もその慣例に倣った形となっています。
3号車が有料座席指定サービスとして使用される急行列車の本数は平日夜の5本で、それぞれの列車に「191号」〜「231」号と言った号名が名付けられています。
なお、下に小さく書かれているように当日の運行状況によってはQシートサービスが中止される事もあるので乗車の際は注意が必要です。
乗車に必要な「Qシート列車指定券」は区間に関わらず一律400円で、乗車日当日の朝5時からスマートフォンやタブレットなどで購入するQシートチケットレスサービスまたは大井町〜自由が丘間の急行列車停車駅の駅窓口にて購入する事が出来ます。
なお、Qシート列車指定券を車内で購入する事は出来ません。
ここは夕方の
大井町駅です。
実際にQシート車両に乗車する前に乗車可能駅の各駅の様子を見ておく為に少し早いですが夕方の時間帯にやって来ました。
始発駅でもある大井町駅の駅構内にはQシートのデビューを知らせるポスターなどの掲示が溢れていました。
また、電光掲示板にもQシートの宣伝が流れていました。
かなり力が入っていますね…
また、改札口横のボードでは当日の列車の空席状況が分かるようになっていました。
16時30分の時点で19時30分発の191号は既に空席わずかとなっていたので、事前予約の多さに驚きました。
乗車専用駅の各駅には「ウェイティングエリア」という乗車前まで指定券を持った乗客が待つスペースが設置されています。
そんなウェイティングエリアは大井町駅ではホームの中程の3号車付近に設けられています。
大井町駅は乗車する利用客が多い事を見込んでか3列分の列が用意されていました。
改札口から少し遠い場所に有りますが、改札口付近から足元などにもウェイティングエリアの場所を知らせる掲示が各所にありますし、柱などにも書いてあるので迷う事はなさそうです。
また、3号車部分のホームドアにもQシートの案内があり一般車両と判別がつくようになっています。
英語・イラスト付きなので分かりやすいです。
大井町駅のQシート関連の設備はこんな感じでした。
続いては大井町駅の5駅先の
旗の台駅です。
池上線との乗換駅で大井町を出発して最初の停車駅でもある旗の台駅のウェイティングエリアは大井町駅と同様のホーム中程エレベーター裏に設置されていました。
なお、旗の台駅のウェイティングエリアは大井町駅とは違い1列とやや小さめの物となっています。
そんな感じで撮影していると何故か停車中の急行が発車時刻を過ぎても停車しているので何かと思っていると放送が入り…
「大井町線は戸越公園駅で16時39分頃に発生した人身事故の影響により運転を見合わせます」との事…
まさかの取材中に人身事故が発生してしまいました。
既に乗車する予定のQシートの座席指定券を朝に買っていた私にとってこれは一大事です。
何故ならQシートサービスは当日の運行状況によって運休(というかサービス中止)される事がある為で、もし中止になってしまったら今日の取材が全て泡に消えてしまうからです…
しかし、人身事故が起きてしまった以上、運休になっても仕方が無い事ですが、まだ運行するか運休するか情報が出ていないのでとりあえず運行した場合を考えて取材を続行する事にしました。
暫くすると全線運転再開予定時刻(18時15分)前に溝の口〜大岡山間での折り返し運転を実施するとの情報が入りましたが旗の台駅はこの区間に含まれておらず脱出不可能かと思ったら、停車している急行列車だけが溝の口まで運行するとの放送が続いて入ったので乗車し、ひとまず2駅先の
大岡山駅にやって来ました。
大岡山は目黒線との乗換駅で大井町線唯一の地下駅でもあります。
大岡山駅のウェイティングエリアはホームと垂直に壁に向かって並ぶような形となっていました
また、列自体が短いので2列になっています。
大岡山駅に着いた頃には溝の口〜大岡山間での折返し運転が始まっていて、通常運転時には見ることが出来ない大岡山行きの列車が運行されていました。
と、言っても折返し運転の再開直後だったので運行間隔もバラバラですしダイヤは乱れに乱れまくっていました。
そんな中でやって来た大岡山始発の各駅停車に乗り込み2駅先の
自由が丘駅にやって来ました
自由が丘は東横線との乗換駅で最後の乗車専用駅でも有ります。
そんな自由が丘駅のウェイティングエリアは階段横の狭いスペースで、レーンに足の形をかたどったマークが描いてあります。
こんな感じでQシート乗車専用駅を全駅巡り終えましたが、まだQシートの運行の可否は出ていないどころか大岡山〜大井町間が運行再開していないので大井町駅に戻る事すら出来ない状況だったのでそのまま自由が丘駅で大岡山行きを撮影しながら時間を潰す事にしました。
復旧作業に時間が掛かっていた為か運転再開予定時刻が発生から2時間後と遅めだった事もあってか、同行者の方が徐々に集まってきていたので早々と離脱する事にしました。
その時、所定運用では1本目である19時30分発の191号の運用に就くはずの6121Fはこの時溝の口〜大岡山間の折返し運用で走行していたので、運転再開したら溝の口発大井町行きの急行として大井町に送り込まれるだろうと予想して溝の口に移動して待機していると…
18時30分頃に無事大井町線全線で運転が再開されました。
と、同時に6121Fが大岡山からやって来たので折り返して大井町行きになるんだろうなぁ…
なんて思っていたら、そのまま回送に行先表示が変わり梶ケ谷方面へ行ってしまいました…
その直後に
「Qシート191号は本日に限りサービス中止します」と言った内容の運休を知らせる駅の放送が入りました。
これは12月14日のサービス開始以来初となるQシート運休を確実とさせる物で、この流れだと私が乗車する予定の20時30分発の201号も運休になってしまうのではないかと危惧しましたが、どうも191号以外の4本は運行させるようなので大井町に戻る事に…
そして駅前にはイルミネーションが輝く
大井町駅に戻ってきました。
ちょうど時間は191号発車時刻の少し前…
改札横のボードなどには191号運休の旨の掲示が貼ってありました。
おそらく、この運休時用のマグネットや紙は初めて貼られたのでしょう…
ちなみに運休時の払い戻しは駅窓口で無手数料で行える他、チケットレスサービス使用の場合は自動的に引き落とし先のクレジットカードに返金されるようになっています。
(通常時の払戻しは手数料100円が掛かります)
また、空席状況の掲示からも191号の部分が無くなっていました。
そして電光掲示板を見ると各停3連続の状況になっていました。
どうやら19時30分発の急行長津田行き自体が運休となったようです。
この後、駅窓口にて乗車予定の201号の運行の可否を問い合わせた所、運行する予定との返答が帰ってきたので少し所用を済ませ201号発車時刻の15分前の20時15分頃に再び大井町駅に戻ってきました。
電光掲示板を見ると乗車する20時30分発の急行長津田行きが表示されていました。
ひとまず安心です。
空席状況を再び見てみると201号が満席、後続の211号も空席僅かとなっていました。
乗車日が金曜日で、かつ12月の中旬と忘年会シーズンだった為か盛況の様です。
そんな201号が発車する2番線には先発の20時20分発の各駅停車溝の口行きが停車していました
この各駅停車が発車した4分後の20時24分に201号の送り込みとなる急行が到着する予定で、1面2線の大井町駅のキャパを最大限に使用したダイヤになっています。
早速先ほど紹介したウェイティングエリアに移動し乗車する急行を待つ事にします。
ウェイティングエリア付近には警備員が常駐していて、エリア内に入る時に指定券の検札が求められます。
また、3号車付近のホームドアの前には駅員の方が立っていてQシート利用者以外の乗客が誤って並ばないようにしていました。
さながら警護されているような感覚になります。
到着時刻前には3列分あるウェイティングエリアが埋まるくらいの利用客が集まってきていました
そして20時24分に定刻通り折返し急行長津田行きがやって来ました。
列車が到着し急行に乗車していた乗客が降車して暫くすると…
駅員によるQシート車両として運用する為の車内整備が始まります。
ですが、既に座席は上のロングシート状態から下のクロスシート状態に変わっている状態で送り込まれているので1分もしないうちに終わり各ドアから乗車する事が出来ます。
車内は他の号車とは違い暖色系のLED照明が使用されている他、木目調の床が温かみを感じさせてくれる車内となっています。
また、座席は京王電鉄5000系(京王ライナー向け車両)に使用されているタイプの物と激似の座席が採用されています。
車内設備としては各座席にコンセントとカップホルダー(一部座席のみ)が設置されているほか、「QSEAT Wi-Fi」や空気清浄機、防犯カメラなどがあります。
最近の座席指定列車としては平均的な装備となっています。
Qシート車両である3号車には車内広告が設定されておらず、全てQシート関連の掲示や大井町線の駅や沿線の昔の写真などとなっていました。
なので外観も車内もオレンジ色で溢れているというかなりカオスな車両になっていました。
また、車端部のロングシート状態で固定されている1〜3Eと13〜15E、13〜15Fの座席は一般車両として運行する時は優先席として運用されていますが、Qシート車両として運行する場合は終点の長津田まで優先席の取扱いは中止されます。
そんな感じで撮影していると発車時刻になり、
20時30分に定刻通り
大井町を発車しました。
もうこの時間になると人身事故の遅れもほぼ解消していて通常通りの運行になりそうです。
車内を見てみると殆どの座席が埋まっています。
やはり大井町からの需要が多く途中駅からの乗車は少なめなようです。
また、隣の一般車両4号車の方も座席前が埋まるほどの混雑で、まだ余裕が有りそうです。
各ドア付近には添乗員の方が乗車していて、各駅でドア開閉時にホームに向かって深々とお辞儀している姿が印象に残りました。
(西のマルーン色の会社を思い出す…)
大井町駅発車後の自動放送の後に手動で車掌によるQシートの案内放送がされていました。
そして大井町発車から4分後の20時34分に
旗の台に到着しました。
旗の台では大井町を5分前に発車した各駅停車溝の口行きを追い抜きます。
乗車専用駅ではホームにいる駅員と添乗員がドア付近に立ち指定券の検札を行っていましたが、発車間際に間違えてQシート車両に乗車してしまう乗客も居て、発車後に添乗員の方が前の一般車両の方に移動をお願いしていました。
旗の台を出ると3分で次の停車駅である
大岡山に到着します。
目黒線との接続駅である大岡山では乗り換え客の混雑の為か1分延の20時38分に発車しました。
そして2分後の20時40分に最後の乗車専用駅である
自由が丘に到着しました。
Qシートサービスとして最後の乗車可能駅ですが、ここまでの旗の台・大岡山での乗車は少なかったですが自由が丘では両手で数える程度の乗車があり車内の全ての座席が埋まりました。
ふと、隣の4号車を見てみるとドアが閉まらないレベルではないですが、通路は完全に埋まっていて余裕があまりない状態になっていました。
その後は先行電の各駅停車溝の口行きに詰まりながら順調に走行し7分後の20時47分に
二子玉川に到着しました。
ここから鷺沼までは降車専用駅のため当駅から乗車できない旨の案内を添乗員がホームに降りて呼びかけていました。
二子玉川発車後はすぐに田園都市線の線路に転線して複々線の外側を走ります。
が、しかしこの列車が発車する1分前に二子玉川を発車した先行電の田園都市線急行中央林間行きの続行となる為、速度を大幅に落としながら多摩川を渡り二子新地と高津を通過して20時52分に
溝の口に到着しました。
二子玉川での降車は有りませんでしたが、溝の口では片手で数えられる程度ですが、降車が有り短距離の座席指定サービスの需要もある事が分かります。
隣の4号車はこの頃には圧迫感があるほどの混雑に変わっていました。
また、溝の口で再び間違えてQシート車両に乗車してしまう乗客が居ましたが、添乗員の案内で大混雑の4号車の方に移動させられていました。
溝の口発車後も先行電の詰まりによる減速運行は続き、20時59分に最後の降車専用駅である
鷺沼に到着しました。
鷺沼での降車は少ししかなく、車内は空席がパラパラある状態でそのまま発車しました。
鷺沼発車後に次のたまプラーザから先は3号車のQシート車両は誰でも利用出来る旨の手動車内放送があり、鷺沼発車の2分後の21時2分に
たまプラーザに到着しました。
たまプラーザでは降車客より乗車客の数が上回っていて乗り得かつ混雑していない車両という事を知っている「賢い」乗客が乗り込んでいました。
また、添乗員の方もサービス終了に伴いたまプラーザで降車していき名実ともに一般車両と化しました。
そして続けて21時5分に
あざみ野に停車しましたが、あざみ野でも乗車の方が多く、空席やドア付近に立っていました。
しかし、隣の車両に比べれば全然空いていますし特に一般車両に変わる点において快適性などで問題は無さそうです。
その後、江田で先行電の各駅停車を追い越すと大井町線内のような爆速運行に戻り21時ちょうどに
青葉台に到着しました。
青葉台でも降車より乗車の方が多く、長津田までの利用が非常に多いことが分かります。
そして青葉台発車から3分でこの列車の終点の
長津田に到着しました。
長津田駅到着後は駅員さんが寝ている乗客などを起こしながら車内の点検を行っていました。
その後、車内点検が終わり車内に乗客が残っていない事が確認されるとドアを閉めて…
長津田駅の先にある引上線に向け発車していきました。
この後、乗車電は溝の口に回送された後、溝の口21時56分発急行大井町行きで大井町に送り込まれ22時27分発のQシート221号の運用に入ることになります。
改札口に向かうと191号の運休についての紙がここでも掲示されていました。
大井町駅と違いマグネットを用いたタイプになっています。
各駅で使用方法が違うんですかね…??
以上、Qシート201号乗車記でした!!