すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

「ぼっち」も悪くない。

2015-03-04 12:19:02 | 世の中のこと
「ぼっち」という、若者の間で使われている言葉を、最近、知りました。

ひとりぼっちの略語だとか。私の世代が聞いても、その語感からほんのり「からかい」の空気を感じますが、多分、若者たちは、独特の意味を帯びた独特の語感として受け取るのでしょう。

ひとりでいることが楽でひとりでいるのに、「あの人、ひとりだ」と他者から思われるのは究極の苦痛。だから、仲間がいない人はトイレでお弁当を食べたり、休み時間には寝たふりをして机に突っ伏したり。大学でも、そんな風景が当たり前にあるようです。

気の毒というか、身につまされます。その気持ち、共感できないわけではないけど、そこまで?って思ってしまいます。

「ぼっち」でない側も大変。「ぼっち」になるのが怖いから、SNSのチェックに何時間も割いて、滞りなく返信したりコメント残したりして、やがて疲弊する。疲弊するというのは明らかに自分にとってはよろしくない状態ですが、その疲弊感も「ぼっち」になる恐怖に比べたらまだまし、というところでしょうか。

小さい頃からケータイ、スマホを与えられた世代のそのねじれたしんどさ、何とかならないものかと思います。

先週のNHK「日曜討論」という番組で、尾木ママもLINEがいかに若者たちのプレッシャーになっているかを解説していました。尾木ママが教鞭をとっている大学の学生たちは、「LINEが中学や高校時代になくて良かった」と口を揃えるのだとか。「今の子は大変」「ルール作りが必要」って、尾木ママは熱く語っていました。

私もLINEを使うのでわかりますが、「既読」も確かに、腹の探り合いみたいな妙な心理を煽ります。便利だけれど、苦しい。やっかいなツールです。人間関係に悩みやすい人ほど、遠ざけた方がいいツールかもしれません。

もともと人間の本能に「人とつながりたい」「集団に帰属したい」欲求があるのだからそれに従って行動するのは普通のことですが、それが「ねばならない」になって、LINEのようにコミュケーションの方法がスピーディかつ安易になった結果、他人からどう思われるかを特に気にする世代で、振り回される人が増えたのでしょうね。

それにしても、つながるための努力ではなくて、一人にならないための努力は虚しいです。他人の反応を過剰に気にする行為は達成感がなく、その分ものすごい量のエネルギーを消費します。若い人の貴重なエネルギーがそんなことばかりに使われてるとしたら、もったいない。

もちろん、こうした心理は若者に限ったことでもなく、大人の世界でも大なり小なりありますけどね。ママ友の世界にも、職場でも、高齢者の付き合いでも、1人で行動する人や家族のいない人にみじめ、可哀想というラベルを貼る人はいます。そして、「寂しい人」と思われないために行動している人は少なくないと思います。


若い人にも、そんな大人にもあえて声を大にして言いたいな。

「ぼっち」は悪くないって。全然かっこ悪くない。「ぼっち」を恐れて、自分じゃないことをやりすぎている方が、ずっとかっこ悪いです。SNSも疲れたのなら、休止宣言しちぁえばよしですよ。私の周りには、スマホからガラケーに戻す人も、チラホラいます。

もっと言えば友達だっていなくてもいい。つながらなくてもいい。きずなを遠慮してもいい。孤独死も悪くない。そんな価値観の方もあってもいいですよ。

ひとりぼっちはつまらない
誰とでも仲間になって仲良しになろう


という歌詞の歌をね、子ども時代は、無邪気に口ずさんでました。でも、ひとりぼっちは必ずしもつまらくないし、誰とでも仲間になるなんてかなり難しいです。まっとうな大人なら、そんなこと重々承知しています。

そんな大人が、影響力のある大人が、子どもや若者たちの「つながり圧」を緩めてあげてほしいです。

「私、友達ほとんどいないんですよ」って言う文化人とか有名人はよくいますけど、あれ見て、「かわいそうー」とは思わないですよね。

むしろ、「かっこいい」って思ってしまう。有名人が言うから、実際は多くの人の注目を集める人の逆説だからかっこいいとも言えるのですが、一般人でも様になる人はいますよ。

それは、やっぱり「ぼっち」の自分を肯定している人の立ち振る舞いや孤高の姿です。大勢の人に囲まれている人気者とは、また違う魅力があります。

若い人も若くない人も、ひとりが好きなら、そんな人をめざせばいいです。その姿に魅力を感じて寄ってくる人もいますから、そしたら、本当の仲間ができます。

人間、死ぬときは1人です。それは、寂しいことでもみじめなことでもありません。私たちの中に組み込まれている事実ですもん。

私たちのなかにある「ぼっち」の才能を劣ったものとみなさず、大事にしましょうよ。



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